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多彩な芸術運動に育まれた物語の世界。近代以降のフランス文学を読む
19世紀のフランスでは多彩な芸術運動が勃興していました。文学の世界も例外ではなく、古典主義と対立する浪漫主義、写実主義を換骨奪胎した自然主義など、数多くの思想が生まれることになります。そうした旺盛な文学運動のなかで、現代に語り継がれる名作は産声を上げることに。その近代以降のフランス文学から厳選した珠玉の名著を紹介します。
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自然主義文学の旗手であるゾラの短編小説集です。生前最後の短編小説「呪われた家」、存命中に出た作品集に収録されていない「スルディス夫人」など5編を収録。巻頭を飾る「オリヴィエ・ベカイユの死」は、意識はあるのに体が麻痺し、死んだと勘違いされて埋葬された夫の物語。その心理描写と皮肉な結末は強烈な余韻を残します。
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恐るべき子供たち
コクトー(著) , 中条 省平(訳) , 中条 志穂(訳)
無邪気ゆえに残酷な子どもたちの世界を表現した、コクトーを象徴する小説です。愛し合う姉弟は自分たちの部屋に閉じこもり、「永遠の子ども」として暮らしていました。ところが外部の子どもが部屋に現れたことをきっかけに姉弟の生活は変貌し、破滅に向かっていきます。古典文学の悲劇を彷彿させる芸術家のレトリックが光る一冊です。
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花のノートルダム
ジュネ(著) , 中条 省平(訳)
ジュネが収監先の獄中で執筆したというエピソードも有名な小説です。主人公はディヴィーヌという男娼。気丈にして慈悲深い彼は情夫と同棲生活を送っていましたが、アドリアンという美少年の出現をきっかけに運命に翻弄されることになります。社会の底辺で生きる同性愛者たちの日常を、幻惑的なテクストで鮮烈に描き出した衝撃作です。
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