読めば、お腹が鳴ってしまうかも！食欲が刺激されるグルメ小説

年齢も職業も異なる人々が手作りの料理を共に食べる「共同台所」である商店街の古ぼけた一軒屋を舞台に、登場人物たちがそれぞれ抱える悩みがやさしく解きほぐされていく連作小説です。疲れたとき読めば、きっとあなたもほっとできるはず。物語に出てくるのは素朴な家庭料理ばかりなので、明日のレシピの参考にもなることでしょう。

捏造されたスキャンダルのあおりを食らい、芸能界を追われることになったイケメン俳優の五十嵐海里。傷心の彼が行きついたのは、メニューは日替わり一種で夜だけ営業し、常連客には幽霊もいる「ばんめし屋」という定食屋でした。そこで働くことになった海里は、店主・夏神留二とともに、客たちの悩みを優しさとおいしいご飯で癒していきます。

「食堂のおばちゃん」の経験があるという山口恵以子による人気シリーズです。嫁と姑で営む昼は定食屋、夜は居酒屋の「はじめ食堂」。さまざまな悩みを抱えた人々が訪れますが、食堂のおいしい料理が皆を元気にさせてしまいます。こんな定食屋が家の近所にあったらなあ・・・と思えてくる、心温まる小説です。

オーナー兼シェフの満希がひとりで切り盛りする、目黒の小さなイタリアン「食堂メッシタ」。母親を震災で亡くして落ち込んでいたライターの笙子は、この店の料理に出会い、元気を取り戻しました。ところが、満希がお店を閉めると言い出して・・・。満希のイタリアンを愛する人々の人生を描いたグルメ小説です。

早朝にこっそり営業しているスープ屋「しずく」。フリーペーパー制作の仕事をする理恵は、この店のポトフを味わってから常連に。ある日、店主の麻野に職場での盗難事件と人間関係で悩んでいることを打ち明けたら、彼は名推理で事件を解決してくれました。1日の始まりに、こんな温かなスープを飲んでみたいと思わせてくれるシリーズです。