生きづらさの原因は親にある？毒親育ちの著者が描いたコミックエッセイ

常に子どもを支配しようと監視して、自分の思い通りにならないと激しく怒り狂う。そんな毒母に振り回され続けてきた著者によるコミックエッセイです。過干渉で自分勝手な毒母との生活や、毒親の呪縛から抜け出そうと必死でもがく著者の姿が痛ましく描かれています。本書を読んで、自分の親が毒親だったと気づいた人も多いのだとか。

アルコールに溺れ、酔って粗暴になる父親。そんな父親にずっと我慢し続けていた母親は、宗教にはまって精神を崩し、子どもを置いて自殺。それでも酒をやめない父親に育てられた著者の描く、壮絶な実話です。母の自殺に感じなくてよい責任を覚え、普通の感覚を失っていく著者の姿がリアルに描かれています。

過干渉で過保護で精神的に弱い母親に育てられた東大生の著者。母親と愛人関係だった父親は、著者が中学生になると姿を見せなくなり、そのころからしだいに家はゴミだらけに。ついには害虫のはい回る完全な汚部屋へと化してしまいます。母親との共依存に陥った著者がおかしさに気づき、自立する過程を描いた半自伝的コミックです。

暴力で家族を支配する父、兄と著者である妹を徹底的に差別する母、著者を虐待する兄、そして毒舌を振りまき宗教を押しつける祖母。熾烈な家庭環境で育った著者が、毒を持つ家族から逃げ出して自立してゆく経験を描いたコミックエッセイです。精神的に歪んでしまった著者の脱出劇は必見です。

気分しだいでヒステリックに理不尽な暴言暴行を繰り返す母と、無関心で我関せずな父に育てられた著者。それでも自分は愛されていると信じ、常に母親の顔色を窺って生きてきた著者の心がやがて限界を迎えます。毒親育ちの方は、「悪いのは自分ではなく親である」と自覚してゆく著者の姿に共感を覚えるはずです。