ブックキュレーターhonto編集員
今、本屋で何が起きているのか？本屋の来し方行く末を考えるための本
いつからか「出版不況」という言葉が使われ始め、今やそれが常態化しつつあります。雑誌や書籍の売上高が全盛期に比べて落ち続け、チェーン系の書店が減少する一方、全国各地では店主の個性が売り場に反映された小さな本屋の誕生があとを絶ちません。過去を振り返りながら変わり続ける本屋の現在、そして未来を考えるための本を集めました。
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私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏
永江朗（著）
出版業界に精通し、本と本屋を愛してきたライター・永江朗による、アイロニカルなタイトルの本。著者が問題提起するのは、差別を煽るいわゆる「ヘイト本」が書店の店頭に跋扈する現状です。なぜこのような事態が起きてしまうのか、出版社、取次、書店関係者への丁寧な取材から、出版業界特有の事情をあぶり出しています。
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１３坪の本屋の奇跡 「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の７０年
木村 元彦（著）
創業から70年続く13坪の本屋・隆祥館書店は、地元・大阪の方に愛される素敵な「町の本屋」です。本書からは、一人ひとりの読者に向き合う本屋の真摯さと、それを阻む出版業界の悪しき構造が明らかにされています。小さな町の本屋から、資本主義そのものについて考えさせられます。
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全国には、店主の個性が光る個人経営の本屋が点在しています。なかでも、カリスマ的存在として知られているのが東京・荻窪の「title」。その事業計画書からオープン以降の日々の運営のことが細かく記されているのが本書です。読み物としておもしろいのはもちろんのこと、資料としても貴重な内容になっています。
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本を売る技術
矢部 潤子（著） , 杉江 由次（編）
本屋がいかにして一冊でも多くの本を売ろうと試みているのか。これまでの経験と知恵から紡ぎ出された技術が、詰まった一冊です。本の注文から売り場の作り方、POPの付け方など、読めば今すぐ本屋に行って、その目で確かめたくなってしまいます。知られざる努力や技術を知れば、もっと本屋が好きになってしまうはずです。
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ブックオフ大学ぶらぶら学部
武田砂鉄/大石トロンボ/山下賢二/小国貴司/Z/佐藤晋/馬場幸治/島田潤一郎/横須賀拓（著）
本屋のなかでも異端の存在で、これまで語られることの少なかった古本大手チェーン「ブックオフ」。そんなブックオフ好きライターや古本屋店主らによるアンソロジーです。ブックオフの抗いがたい魅力や、ブックオフから出版業界の変遷をも垣間見ることのできる意欲的な文章ばかり。セドラーとの戦いの歴史も読み応え満点です。
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