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近代文学の夜明けを告げる名作群!明治時代の傑作小説
明治維新後、文学は過渡期を迎えていました。西洋思想の輸入は「写実主義」「浪漫主義」などの文学運動を推進し、口語を用いる「雅俗折衷体」「言文一致体」などの新しい文体を生み出すことになります。文明開化の気運が高まり、伝統文化と西洋文化が入り交じるなかで日本近代文学の基礎は築かれていきました。そんな明治期の傑作小説を精選しました。
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金色夜叉 改版
尾崎 紅葉(著)
明治30年から5年間「読売新聞」で連載されるも、尾崎紅葉の死去により未完となりました。結婚を控えていた許嫁が金銭欲に駆られて銀行頭取の息子の求婚に応じ、裏切られた青年が復讐するため残虐な高利貸の道に堕ちる展開は衝撃的なもの。文語と口語を混ぜる雅俗折衷体を用いた、明治期を象徴する小説です。
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草迷宮
泉 鏡花(作)
諸国を巡っていた小次郎法師。茶店で「秋谷邸(やしき)」に関する怪異の噂を聞き、供養を頼まれます。法師はある目的で秋谷邸に住んでいる葉越明という人物と語り明かしますが、そのうちに法師自身も怪異に遭遇することになります。明治41年に出版された怪奇幻想譚で、日本幻想文学の先駆者である泉鏡花の真髄に触れることができます。
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土 改版
長塚 節(著)
夏目漱石の推薦によって「東京朝日新聞」で明治43年から連載開始、明治45年に出版されました。農民文学の金字塔と謳われる本作は、鬼怒川付近の農村を舞台に、農家を営む勘次一家を取り巻く自然の風物が描き出されます。貧困の苦しみと人間の邪悪な面を写実的な文体で入念に表現し、貧しさの本質に迫る筆致は見事のひと言。
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