アート小説から心温まる感動作まで！はじめての原田マハ

ルソーの「夢」に酷似した絵画を正しく真贋判定した者にこの絵を譲る。期間は7日間。そう告げられた学芸員と研究者を描く美術ミステリーの傑作で、著者の代表作の一つ。物語を通して学問としての美術や絵画の魅力、学芸員たちの仕事ぶりや情熱に触れることができます。登場する絵画を検索しながら読めば、物語をより深く堪能できるでしょう。

ニューヨークの国連本部に飾られていた「ゲルニカ」のタペストリーが、ある日、突如姿を消します。そして、MoMAのキュレーター八神瑤子は、ピカソの「ゲルニカ」を巡る陰謀に巻き込まれていき・・・。ピカソが生きた時代と現代が交錯する、怒濤のアートサスペンスです。

思いを寄せていた幼なじみの結婚式という最悪なシチュエーションで、スピーチライターという天職に出会った女性が主人公のお仕事小説。作中のたくさんのスピーチや記憶に残る金言の数々に、あなたもきっと心を動かされるでしょう。言葉の持つ力や可能性に気づかされること請け合いです。

ギャンブル依存症の父と、突然会社を辞めた娘の歩。無職になった途端に父が倒れ、しかも多額の借金が発覚する最悪の事態に。そんなある日、父が歩の文章を映画雑誌の編集部に送ったことがきっかけで、歩は編集部に採用され、父も映画ブログを始めることになります。映画への愛を通じて家族の再生を描いた、心に染みる感動作です。

さまざまな芸術家や絵画を題材にしてきた著者が今作で挑むのは、これまで自殺とされてきたゴッホの死の真実です。パリ大学で美術史を学んだ冴（さえ）は、小規模なオークション会社に勤務しています。ある日、ゴッホが自殺に使用したとされる一丁のリボルバーが持ち込まれ・・・。著者渾身の傑作ミステリーです。