ブックキュレーターhonto編集員
今の自分を受け入れて、一歩ずつ。深い絶望からの再生を描く物語
予想外の事態に陥って何かを失った時、自分の無力さを思い知って落ち込んでしまうことがあります。周りの声もうまく届かなくなったそんな時、必要なもの。それはもしかしたら、自分の内側にこそ眠っているのかもしれません。ここでは、そんな体験が一度でもある人の心になら少なからず響くであろう、絶望からの再生を描いた物語を紹介します。
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東日本大震災から数年後の宮城県石巻を舞台に、高校生のサキがひょんなことから見つけたカフェを中心に描かれる物語。ファンタジー要素も時おり交えつつ、震災以降それぞれが抱えてきた問題や苦悩、痛みを少しずつ浮き彫りにしていきます。サキならではの方法で前を向いていく姿に、勇気をもらえるはずです。
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友達のいない小学生・奈ノ花の出会った3人の世代の違う女性たちと、1匹の猫。理屈っぽくて自分以外をなかなか肯定できない奈ノ花ですが、彼女たちとの出会いで少しずつ変わっていきます。物語に潜むからくりは痛々しいけれど、やさしく読者をも包み込んでくれます。「幸せとは?」という普遍的なテーマをリアルに体感できる物語です。
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