その魅力は無限大!?猫が登場するSF小説＆コミック

猫＆SF好き、必読！どの話を読んでも猫だらけの傑作選です。本邦初翻訳の4編を含む、10編の猫SF短編を収録。10人の作者が描く猫たちは、マシュマロを焼く天才猫や絶体絶命の危機に猫パンチで立ち向う勇敢な猫など、いずれも個性的な魅力にあふれています。SF設定に猫たちの存在ががすんなり溶け込んだお話ばかりです。

タイムトラベルものの古典です。海外よりも日本での人気が抜群に高いのは、日本人が無類の猫好きだからという説も。親友と恋人に裏切られ、会社を乗っ取られた主人公の相棒を務めるのがオス猫のピート。主人公への適度な寄り添い方や自由気ままなその習性に、「あるある！」と感じる方も多いはずです。

人類が滅亡したあと、猫たちとロボットだけが住むスペースコロニーが舞台。コロニーの猫たちは、死後魂が赴く場所として地球に憧れていますが、実際に地球に赴くことは禁忌とされています。そんなタブーを破って、猫と美少女ロボットが地球を目指すハードSF。硬派なテーマを猫の愛らしさが中和する、そのバランスが見事です。

人類が絶滅し、廃墟となった新宿に暮らすドーナツ型の猫たち。街には人間の白骨が散らばり、軌道上では人工衛星が破壊されています。ドーナツ型の猫たちは、なんで自分がそこにいるのかも覚えておらず・・・。かなり硬派な設定ですが、ドーナツ型猫たちがゆるくてかわいらしいおかげで、ぐいぐいと読み進められるコミックです。

主人公のリザは、宇宙帝国「アザトス」の天才調査員。文明レベルの低い地球を滅ぼすか否かを判定するため、日本に降り立ちます。そこでリザが出会ったのは未知の生物、猫。全宇宙の価値観を塗り替えるほどかわいい猫たちに、正気を失ったり死にそうになったりする宇宙人たちもけっこうかわいいSFコメディです。