ブックキュレーター早稲田大学文学学術院 教授 石田光規
人とのつながりに引っかかりを感じたときに読みたい本
生きていれば人となんらかのつながりがあり、つながりがあるとそこから悩みが生まれることもあります。生きるということは、つながりのなかにいることでもあるのです。このコーナーでは、人とのつながりに引っかかりを感じたとき、違和感があるときに、手を伸ばしていただきたい本を取り上げました。
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誰かと話しているときに、「人それぞれ」という言葉をよく耳にしませんか。この言葉には「それぞれ」の人を受け入れる優しさがある一方で、「人それぞれだから」と突き放す冷たさもあります。「人それぞれ」という言葉を耳にすると、寂しさやもどかしさを感じるあなた。ぜひ、本書をご一読ください。
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友だちはいなければ寂しいもの、友だちこそが心のよりどころ、そんな気持ちを抱いていませんか。しかし、「よい」友だちをつくるのは簡単ではなく、友だちが悩みの種になることもしばしばです。本書は友だちとの距離感について、社会学の知見を用いながら優しく教えてくれます。
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「個性」を煽られる子どもたち 親密圏の変容を考える
土井 隆義(著)
私たちは、かつてないほど人びとに個性を求める社会を生きています。しかし、趣味や個性という言葉を聞くと、「いやいやそんな大したものはもっていないです」と緊張する人もいるでしょう。個性や自分らしさという言葉に息苦しさを感じたときに、本書を手にとってください。新たな気づきがあるはずです。
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自分とは違った人たちとどう向き合うか 難民問題から考える
ジグムント・バウマン(著) , 伊藤茂(訳)
「人それぞれ」と物事を処理してしまうと、人との距離を感じることがあります。この距離が広がってゆくと、人と人、あるいは、集団と集団の間に分断が生まれます。社会のなかに生まれた分断をどう克服するか。著名な社会学者ジグムント・バウマンがこの問いと真摯に向き合います。
ブックキュレーター
早稲田大学文学学術院 教授 石田光規東京都立大学大学院社会科学研究科単位取得退学。博士(社会学)。大妻女子大学専任講師、准教授、早稲田大学文学学術院准教授を経て2016年より現職。孤立やつながりづくりなど、現代社会の人間関係に焦点をあてて研究をしている。著書として『「人それぞれ」がさみしい』(ちくまプリマー新書、2022年)、『友人の社会史』(晃洋書房、2021年)、『孤立不安社会』(勁草書房、2018年)、『つながりづくりの隘路』(勁草書房、2015年)など多数。2021年11月から内閣官房孤独・孤立対策担当室『孤独・孤立対策の重点計画に関する有識者会議』委員。
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