夢と魔法の裏側で事件が発生!?遊園地を舞台にしたミステリー小説

プレオープン時に銃乱射事件があり、そのまま廃園となった遊園地が舞台。過去の因縁と謎が混然一体となり、廃園して20年後の遊園地を訪れた廃墟マニアたちを襲います。設定をうまく生かした魅力的な謎と、さまざまな伏線がピタリとはまって解決に導かれるさまが美しく見事な一冊です。

『屍人荘の殺人』でミステリー界を席巻した著者のシリーズ第3作です。営業中の遊園地の中の屋敷に囚われ、殺人鬼に命を狙われる葉村譲と剣崎比留子。クローズドサークルに安楽椅子探偵の要素もあり、期待を裏切らない上質な特殊設定に心が躍ります。第1作を彷彿とさせるパニックホラー＆緻密な本格ミステリーです。

人気シリーズ「〇〇へ行こう！」第3弾で、遊園地で働くさまざまな人々を描いたお仕事短編小説に、ミステリー要素を盛り込んだ6話からなる連作集です。丁寧な描写に見事な人物造形を得意とする著者が、夢と笑顔を支えるプロたちの活躍を描きます。仕事にかける愛と情熱に触れられる一冊です。

遊園地デートを楽しむ男女がファンタジー世界と現実世界とに引き裂かれ、それぞれが密室殺人に巻き込まれてしまう特殊設定ミステリーです。ファンタジー、密室、パズルなど、著者が好きなものを全部詰め込んだような、マニアックで技巧的、かつ挑戦的な本格ミステリーの野心作です。

『シャイニング』『IT』などの大ベストセラー作家、スティーヴン・キングが描く、ホラー風味の青春ミステリーです。大学生の主人公が夏休みにバイトをした遊園地で起きた出来事を、40年後に回想するかたちで綴られます。いわゆるキングっぽさは薄いものの、著者の魅力は存分に感じられるうえ、読後に切なさを残す隠れた名作です。