ブックキュレーターhonto編集員
外国文学初心者にオススメ！世界文学史に残る珠玉の中編小説
「外国小説を読みたいけど、最初は手頃な長さの作品がいい」という方も多いでしょう。あまりにも膨大な世界文学の中から適当な長編小説を見つけるのは難しく、いきなり読むのもなかなかの度胸を要します。そんな悩みをお持ちの方に向けて、珠玉の中編小説を厳選しました。世界文学史に残る、中編独自の凝縮された魅力を味わってみてください。
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老漁師と大魚の死闘をダイナミックに描き出したヘミングウェイの代表作。出漁先で老漁師は巨大なマグロを捕らえます。だけどマグロは驚異的な力で抵抗し、彼を乗せた小舟を沖まで引っ張っていきます。ここから生死をかけた勝負が幕を開け・・・。臨場感あふれる情景を通して、厳かな自然界と人間の底力が鮮やかに表現されています。
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20世紀に活躍したアメリカの小説家、スタインベックの初期作です。楽園を夢見てカリフォルニアを流浪する小男と大男。2人は農場で働き始めますが、怪力の大男は精神遅滞ゆえにたびたび問題を起こし、親方の柄の悪い息子に目をつけられます。そして大男は、致命的な失敗を犯すことに。大恐慌時代の労働者を襲った悲劇を描き出す戯曲風小説です。
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悲しみよこんにちは
サガン（著） , 河野 万里子（訳）
著者が18歳で発表したフランス文学の名作。少女セシルと父親とその愛人は、別荘で夏を過ごしていました。平穏な日常のなかでセシルも恋人を持ちますが、彼女たちの前に聡明な婦人アンヌが現れて状況は一変。父親が再婚を決めたことで危機感を覚えたセシルは、阻止を試みることに。青春期の多感な少女像が精妙に描き出されています。
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クリスマス・キャロル
ディケンズ（著） , 村岡 花子（訳）
冷酷な守銭奴である老人スクルージは、クリスマス・イブの夜に亡霊となった元相棒の訪問を受けます。物欲にまみれた人間の末路が悲惨なものであることを教え、これから3人の幽霊が現れると伝える元相棒。そしてスクルージは、幽霊に伴われて不可思議な体験をするのでした。人間の改心を軽妙洒脱に表現したディケンズの代表作です。
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フラニーとズーイ
サリンジャー（著） , 村上 春樹（訳）
グラス家の末娘フラニーと、俳優の兄ズーイの物語です。優秀な兄たちに教え込まれた宗教思想と世間に蔓延する利己主義のギャップに戸惑い、自分の殻に閉じこもるフラニー。そんな妹を見かねて説得を試みるズーイですが・・・。理想と現実の板挟みに悩まされる状況を通し、青春期の苦悩と思想を描き出したサリンジャー文学の傑作です。
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