ブックキュレーターhonto編集員
世界の問題を自分ごとに。難民問題を深く知るきっかけになる児童書
世界には難民が約6560万人も存在しています(2017年、国連難民高等弁務官事務所の報告書より)。現状、日本では大規模に難民を受け入れていないため別世界の話のように感じがちですが、SDGsの17の目標を見ても難民問題は我がこととして考えるべきでしょう。ここでは、子どもたちが難民問題を身近に考えるきっかけになる児童書を紹介します。
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明日をさがす旅 故郷を追われた子どもたち
アラン・グラッツ(著) , さくまゆみこ(訳)
キューバへ逃れたユダヤ人の少年ヨーゼフ、カストロ政権からアメリカへ逃れた少女イザベル、ドイツへ向かうシリア難民の少年マフムード。本書では国や時代は違うものの、難民として困難に立ち向かった3人の子どもたちの姿を描いています。事実をもとにした物語のため、難民の実情がわかる大人も必読の一冊です。
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5000キロ逃げてきたアーメット
オンジャリ Q.ラウフ(作) , 久保 陽子(訳)
ロンドンに住むアレクサのクラスに、難民のアーメットが転校生としてやってきた。誰ともおしゃべりしないアーメットとなんとか仲よくなりたいアレクサは、行動を起こすのですが・・・。アレクサがアーメットに抱く純粋な好意、強い思いに胸を打たれます。ハラハラしながら読み進めつつ、難民問題に対する知識も深められる名著です。
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「難民選手団」としてオリンピック出場を目指した選手たちの実話です。難民とはどんな人で、なぜ難民になり、どうやってオリンピック選手になったのかが語られていて、読めばきっと勇気が湧くでしょう。本書に登場した7人中5人が2021年の東京オリンピックに出場しているので、五輪を通して難民問題を考える入り口としても最適な一冊です。
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はばたけ!ザーラ 難民キャンプに生きて
コリーネ・ナラニィ(作) , トム・スコーンオーヘ(絵) , 野坂 悦子(訳)
クルド人の10歳の少女ザーラは、イランの難民キャンプで暮らしています。ところが、2歳の弟の心臓病を治すためオランダへ向かうことに。難民として生きてきた一家が、それぞれ迷いながらも未来を信じて歩み始めます。10歳の少女が語る難民キャンプの暮らしは具体的で、難民問題を深く理解することができます。
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4歳で村を焼かれ、父は殺され、母とは生き別れになったオマルが、15年間過ごした難民キャンプでの生活を描いたグラフィック・ノベル。紙と鉛筆を持っているだけで「選ばれし幸運の人」と呼ばれるほど過酷なキャンプでの生活が、子ども目線で率直に描かれています。オールカラーのため、本が苦手な子にもオススメできます。
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