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メリトクラシー=能力主義とは?その裏にあるものについて考えるための本
能力さえあれば他は問わない。能力主義=メリトクラシーは、ごく一般的な価値感として現代社会に定着しています。子どものころは教育の場で、大人になれば仕事で、個人個人が能力や功績を評価される能力主義は、社会に何をもたらしたのでしょう?新自由主義とも深く結びつく能力主義の功罪について考えるための本を紹介します。
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教育は社会をどう変えたのか 個人化をもたらすリベラリズムの暴力
桜井 智恵子(著)
学力やコミュニケーション力で人を評価する能力主義は、今や分かちがたく日本の教育現場と一体化していて、それは政治経済が教育に要請してきた結果でもあります。結果や責任を個人に帰結させてしまう機能を持つという能力主義が、社会にもたらす問題を教育史を紐解きながら指摘した一冊です。
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生まれ育ちに関わらず、能力によって誰もが平等に成功を手にできるーー能力主義が掲げてきた平等の「嘘」。本書は、新自由主義のもと社会問題化しつつある能力主義の矛盾とゆがみを鋭く突いて話題となりました。能力主義の矛盾から目をそらし続けるエリートたちの傲慢さが生む、社会の分断にも目を向けています。
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日本の経済界で導入が叫ばれるジョブ型雇用。本書は「能力」によって人を評価する日本型のメンバーシップ雇用と、職務(ジョブ)に、それを遂行できる「スキル」を持つ人間をあてはめるジョブ型雇用について解説しつつ、日本の労働問題について解説。混同されがちなスキルと能力の違いについて考えさせられます。
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「これから求められる能力」といった惹句に、不安をあおられたことはないでしょうか。次々と現れる新たな「能力」をイタチごっこのように追いかける・・・そんな状態になってしまうのはなぜなのか?能力主義、それ自体が持つ再帰性の問題点も指摘しています。
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