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絢爛豪華な遊郭に生きる。哀しくも美しい遊女の物語
遊女(ゆうじょ、あそびめ)とは、近代以前に遊廓や宿場で男性に性的なサービスを職業とする女性のこと。江戸時代には幕府公認の吉原を中心に、日本全国に遊女と一夜を共にできる妓楼(ぎろう)が多くあったと言われています。さらに花魁(おいらん)とは、遊女の中でも吉原遊廓で活動する地位の高い女性のこと。愛と欲に彩られた絢爛豪華な遊郭で、「カゴの中の鳥」として生きる遊女たちには過酷な宿命がありました。そんな遊女たちが織りなす、哀しくも美しい、遊郭を舞台に繰り広げられる物語を集めました。
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曾根崎心中
近松 門左衛門(原作) , 角田 光代(著)
元禄期の大坂で起きた実際の心中事件をもとにした、近松門左衛門の人形浄瑠璃『曾根崎心中』を小説化。醤油屋の手代・徳兵衛と運命の恋に落ちた遊女・初の胸の高鳴りと苦しみが、ヒリヒリするような心理描写で描かれます。混沌とした遊郭に生きながらも、恋に殉ずることを選んだ初の純粋さが切なく胸に迫ってきます。
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飢饉の村から吉原の大遊郭へ売られた少女・駒乃は、吉原の慣習に抗いつつも、生来の強気で人気花魁へと登り詰めます。まるで自身も吉原にいるかのような感覚になれる緻密な描写と、ハラハラする展開には興奮必至。さまざまな経験を積み、少女から大人の女性へと成長していく駒乃の生きざまには勇気づけられるはずです。
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初めて愛した男の前で客に抱かれる朝霧、思い人を胸に初見世の夜を過ごす茜、弟への恋心を秘めた霧里。江戸末期の吉原を舞台に、抗えない宿命のなかでも自分の道に花を咲かせたいと夢見て、はかなく散っていった遊女たちの姿が描かれます。苦界に生きる女たちがそれぞれ絡み合い、ひとつのストーリーを織りなす連作短編集です。
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