何気ない日々の記録にヒントが？日記が重要な役割を果たすミステリー小説

中学2年生の照音は、「絶望ノート」と名づけた日記に学校で受けたいじめを綴っています。照音はある日に見つけた大きな石を「神」として、いじめグループの不幸を祈ったところ、望み通りの出来事が起きて・・・。巧みな文章と緻密な構成、中盤以降の先の読めない展開が冴えわたる「読んで損なし！」のミステリーです。

交換日記にまつわる全7編のハートフルなミステリー連作短編集です。教師と生徒、上司と部下、夫婦、親子などが綴り交わす日記には一編ごとに謎があり、種明かしがあり、つながりがあります。切なくも楽しく、そして爽やかな読後感を味わえ、やさしい心の交流を堪能できる物語です。

フロッピーディスクに収められた54個の文書ファイル。出張中の夫の帰りを待つ主婦の日記から、不思議な物語が進んでいきます。視点がころころ変わり、謎が謎を呼び、二転三転する展開。そのすべてがきれいに収束する怒涛のラストまで一気読み必至！登場するIT機器が時代を感じつつ、褪せないおもしろさを持った名作です。

古い日記を手掛かりに生家を探してほしいと依頼された弁護士が、友人とともにさまざまな謎に挑みます。要素を詰め込み過ぎるあまり、「やりすぎのミステリー」を略して「やりミス」と言われる著書も多い小島正樹。本書も、蘇るミイラ、死体の瞬間移動、首なし死体など、読み応えとサービス満点の「やりミス」です。

マーチ博士宅で働くメイドのジニーが発見した日記には、殺人の記録が記されていました。しかも書き手は、マーチ博士の4人の息子のうちの誰かの様子。本書では、殺人鬼の正体を探るジニーの孤軍奮闘が描かれます。ジニーと殺人鬼の日記のやり取りは心理戦の要素もあり、サスペンスを盛り上げる犯人探しミステリーです。