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読者に笑いをプレゼント。ユーモアに富んだ傑作小説
小説の世界を覗くと多くのユーモラスな作品に出会えます。ひと口にユーモアといっても表現の仕方はさまざま。独創的な設定を活かすもの、滑稽な出来事を描くもの、またはブラックユーモアのような「笑うに笑えない」読後感を与える風刺的なものなど、作者の知的遊戯はジャンルを問いません。その中から、ユーモアさが際立った小説を紹介します。
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ピンフォールドの試練
イーヴリン・ウォー(著) , 吉田 健一(訳)
著者はイギリスの小説家。本書では、自分自身を模した小説家ピンフォールドを通し、転地療養の船旅で予想外の苦難に見舞われるありさまを自虐的な皮肉を込めて描き出しています。乗船直後から謎の騒音や悪口に悩まされるピンフォールド。彼は姿なき敵に振りまわされて疲弊しますが、実は唖然とする真相が隠されていて・・・。
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交換教授 二つのキャンパスの物語 改訳
デイヴィッド・ロッジ(著) , 高儀 進(訳)
イギリスの小説家、デイヴィッド・ロッジによるコミック・ノヴェルの傑作。英米間で行われる大学教授の交換というシステムと、抜擢された両国の教授が文化の違いに翻弄される様子をコミカルに物語ります。1960年代のイギリスとアメリカの社会情勢を背景に、似て非なる人間模様が描かれていて、独特の滑稽さを堪能できる一冊です。
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お伽草紙 改版
太宰 治(著)
「お伽草紙」は、「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」の4編からなる日本昔話のパロディ小説集。防空壕で娘に昔話を語り聞かせながら物語を自分流にアレンジするという概要で、一般的な太宰治のイメージとは異なるユーモラスな展開が読者を引き込みます。どこか理屈っぽく、滑稽を演じる登場人物にくすりとさせられます。
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夏子の冒険 改版
三島 由紀夫(著)
三島由紀夫は、エンターテインメント作家としても優れていました。良家の娘である夏子は言い寄る若者たちの退屈さに愛想を尽かし、突然函館の修道院に入ると宣言します。祖母たちは泣く泣く彼女に付き添いますが、その夏子は旅中で見かけた情熱的な青年に付いて行ってしまい祖母たちは大混乱。自由奔放な夏子の冒険が幕を開けます。
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