その臨場感に説得力あり！兼業医師作家による医療ミステリー

著者が父親の医院で診療医として働きながら作家活動をしていたころの小説です。3人の研修医の指導を任された心臓外科医・平良。自身の夢と患者の治療と研修医の成長を、とても読みやすい筆致で綴ります。著者はこの小説で、前作に続いて本屋大賞に2年連続でノミネートされました。ミステリー仕立ての感動作です。

デビュー当時から作家と医師の二足のわらじを履く著者。本書は臓器移植と無脳症児を題材にした医療サスペンスです。命とは。そして、生きるとは。そんな難しい倫理観に正面からぶつかった一作で、深く考えさせられます。新米看護師を探偵役に謎解きをするスタイルなので、重いテーマながら読みやすく仕上がっています。

大学附属病院を舞台に、2人の医師の間でもまれ、成長する1人の研修医の姿を描いた物語です。著者の代表作『チーム・バチスタの栄光』の登場人物たちの若き姿も描かれ、2018年には嵐の二宮和也主演でドラマ化もされました。著者の外科医・病理医時代の経験が活かされた人気作です。

見るだけで診断できるという特殊な能力を持った医師を主人公に、心神喪失者やストーカーの犯罪などを医師の立場から描いた小説です。外科と麻酔科の医師を経て兼業作家となった著者の、さまざまなキャリアが活かされています。エンタメ寄りなのでスイスイ読み進められるはず。続編『第五番　無痛II』も、併せてどうぞ。

認知症の老人だけが暮らす村、通称「アルツ村」に辿り着いた三宅明日香。幸せそうに暮らす人々に癒される毎日を送っていたものの、村には秘密が隠されていて・・・。結婚、海外での生活を経たのちに内科医になり、終末期医療専門病院に勤務する傍ら作家活動を行う著者が、新境地を切り拓いた医療サスペンスです。