美しい風景が目の前に広がる！思わず飾りたくなる美しい装丁が魅力の本

静かにやさしい風が吹き、目の前に広がる緑には光が反射して、きらきら輝いて見える。そんな温かな空気を感じる景色が印象的な装丁。この小説は、心に傷を負った男女が一冊の古本をきっかけに出会う恋愛小説です。大きな悲しみを背負ったとき、もう一度前を向いて歩き始めるには？そんなことについて考えさせられることでしょう。

9年前に別れた恋人から突然手紙が届き、失っていたはずの愛に翻弄されるラブストーリー。永遠なんて存在しないのに、なぜ人を愛してしまうのか？そんな突きつけられた答えのない問いに、心が揺さぶられます。美しいのにどこか孤独や儚さを感じさせる装丁が、この小説の切なくもやさしい世界観をよく表しています。

瀬戸内海に囲まれた村を舞台に、ジイとの交流で若者たちが心を取り戻していく物語です。長い年月を生き抜いてきたからこその力強さに励まされる若者たちに、自分の姿を重ねる方も多いでしょう。若者たちはジイと過ごした日々を思い出すとき、一緒に見た海の風景が目に浮かぶはず。そんな風に思いを馳せたくなる美しい装丁です。

どんな苦しみも癒してくれるような温かさに満ちた装丁のイメージどおり、やさしい気持ちにしてくれる小説です。世間一般とは違った形の「家族」として生きる3人を中心に、心に傷を負った人々が自分らしく一歩前に進む姿が丁寧に描かれています。生きづらい世の中でも、大切な人と手を取り合って生きていこう。そんな気持ちにさせてくれます。

幻想的で絵本のような柔らかい雰囲気の装丁が魅力的な本書は、人生を諦めた人が訪れる廃墟が舞台の小説。そこに住む天使は、死へと旅立つ人々に寄り添い、彼らを静かに送り出します。この世界には、冥途へとつながる生と死の狭間のような場所が確かに存在するのではないか。そんな夢を見ているような不思議な感覚を味わえます。