本当におもしろいから読み継がれている。ドストエフスキーのオススメ小説

優れた知性を持ちながら、貧困のために殺人に手を染めてしまった若者の苦悩を描いたドストエフスキーの代表作。心の中での善悪の葛藤や主人公を執拗に追い詰める捜査官との心理戦が、ディープに描かれた超一級の犯罪小説です。全体的に重苦しい雰囲気ですが、聖女のようなヒロインが素晴らしいアクセントを加えてくれています。

ドストエフスキーのデビュー作にして、彼の名を広く世に知らしめた一冊。極貧で天涯孤独ながらも精一杯生きようとする少女と、そんな彼女を慕い続ける中年男性の切ないドラマを往復書簡というかたちで綴っています。ちょっと危ない印象を受けるプロットですが、男がその想いにすがる気持ちはリアルで、痛々しいほど胸に刺さります。

純朴で世間知らずなために「お馬鹿さん」扱いされ続けてきた青年が恋したのは、逆境にめげずに誇り高く生きる烈女。そこに、そんな彼女を手に入れようとする男や、青年を一途に想う令嬢なども加わって、恋の行方は思わぬ方向へ・・・!?純粋すぎる若者の純粋すぎる愛を描いた、スケールの大きな恋愛小説です。

権力者の醜悪なエゴに振り回されながらも懸命に生きようとする人々の姿を描いた、中期の傑作長編。一つの悲恋によって壊れてしまった家族の絆の再生と、不幸な身の上ながらも気高く生きようとする少女の生きざまに心打たれる名作。長編だけどさらりと読める内容で、ドストエフスキー初心者の方には特にオススメです。

『罪と罰』と並び、ドストエフスキーの代表作と評されている名作。短慮で気性の激しい長男、知的で皮肉屋の次男、そして心優しい聖職者の三男が、父親の死をきっかけに、お互いや自分自身と向き合っていくさまがドラマチックに描かれています。重厚ながらもスリリングな展開が満載で、時間を忘れて熱中してしまうはずです。