物語の世界に潜る！「私」じゃない誰かの人生を感じられる本

お互いを特別に思い、ひたむきに生きている2人の少女の人生を知ることができます。出会ったころ、そして成長していく過程で起きる出来事に、読者それぞれの人生とどこか重なったり、比較したりすることでしょう。自分自身の欲ではなく、相手を思いやって接する2人を応援したくなってくるはずです。

17歳で出会った櫂（かい）と暁海（あきみ）が、切っても切れない家族との関係や、出会う人々と過ごすなかで、一生懸命に生きる姿が胸を打ちます。でも、かっこいい、かわいいだけのヒーローやヒロインではありません。人間らしく、ときに迷い、打ちひしがれながらも、前を向く2人の生き方は必見です。

西の魔女と過ごした日々を振り返る物語。その中で、主人公のまいが見たことや、そこから感じたことがあふれています。長い人生のうちのほんの一部であっても、人には生涯忘れられない時間があるのだと、改めて感じさせられます。西の魔女の大きな、計り知れない愛情を主人公とともに受け取ってみませんか？

クスノキの番人を命じられた主人公の玲斗が、人との出会いや交流、そしてつながりによって成長していく姿を追いかけることができます。主人公以外の登場人物も魅力的です。物語の序盤と、終盤での玲斗の成長の様子に「もっと読んでみたい！」と感じさせられる一冊です。

他人を色んな面から、より深く知っていく物語。恋愛や婚活の経験がある人が読むと、どこか共感したり、否定したりと感情が揺り動かされるはずです。人は、他人を知り、理解することを通して、自分を見て、それまで見ていなかった部分をさらに知っていくのだと感じることでしょう。