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世界中が注目!2000年以降にピューリッツァー賞を受賞した小説
米国でもっとも権威ある賞の一つであるピューリッツァー賞の中でも、フィクション部門の受賞作は世界中で注目され、多くは国境を越えた話題作となっています。特に2000年代には、さまざまなスタイルの受賞作が出てくるようになりました。ここでは、2000年以降にピューリッツァー賞を受賞したオススメの小説を紹介します。
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ギレアド
マリリン・ロビンソン(著) , 宇野 元(訳)
2005年の受賞作です。自分の死を意識し始めた老牧師が、年を取ってから授かった幼い息子に向けて綴る手紙には、混乱の時代に善人であり続けようとあがき続けた聖職者の波乱の人生がありました。人間の生きざまの奥深さをしみじみと感じさせてくれる、珠玉の大作です。
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爆破テロによって最愛の母を失った少年が、偶然見つけた1枚の絵画によって運命を大きく狂わされる姿を描いた小説です。かなりの長編ですが、謎解きやアクションに人情噺と、読みどころは満載。2014年にピュリツァー賞を受賞すると欧米圏で大ベストセラーとなり、2019年には映画化もされました。
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ならずものがやってくる
ジェニファー・イーガン(著) , 谷崎 由依(訳)
窃盗癖のある女性と、元ロックンローラーの上司を中心に、さまざまな人々の群像劇を奇抜なスタイルで描いて2011年にピュリツァーを受賞した連作短編集です。物語はおろか、記述形式にも一貫性がない超前衛的な作風で、慣れると病みつきになる麻薬的な魅力に満ちあふれています。一見バラバラの物語が、わずかな縁でつながっていくさまが痛快です。
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元恋人への想いを吹っ切るために世界中を旅するゲイの小説家の、さまざまな出会いと体験をスタイリッシュに描いた長編小説です。新しい出会いを経ても、うじうじと元恋人への想いを断ち切れない主人公にほのぼのとさせられます。洒落たユーモアたっぷりの、気軽に読める肩の凝らない名作です。2018年にピュリツアー賞を受賞。
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1960年代のフロリダ州を舞台に、無実の罪で少年院に送られたアフリカ系アメリカ人少年の苦難を描いた長編小説です。人種差別の醜さと不条理さが驚くほどリアルに伝わってきます。本書が2020年にピュリツアー賞を受賞したのは、地域によっては未だ根強く残っている米国での人種差別への問題提議なのかもしれません。
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