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樋口一葉ってどんな人?日本初の女性職業作家を知るための本
五千円札で知られる樋口一葉(1872-1896年)は、日本初の女性職業作家です。吉原遊郭の子どもたちを描いた『たけくらべ』は、当時、森鴎外らに絶賛されて活躍を期待されましたが、肺結核のため24歳で亡くなってしまいます。その短い生涯に22編の小説、40数冊の日記、3000首あまりの和歌を残しました。樋口一葉の著作から、その生涯を探ってみましょう。
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樋口一葉は、死の直前の1年2ヵ月前に質の高い小説を多く残しました。本書には、その「奇跡の14ヵ月」と呼ばれる期間に書かれた代表的な3編が収録されています。『にごりえ』のお力、『たけくらべ』の美登利、『大つごもり』のお峰、一葉が描く女性たちはみな運命に翻弄されながら生きています。いずれも声に出して読みたい名文です。
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樋口一葉は、職業作家になるため朝日新聞の専属作家・半井桃水に指導を受けていました。その指導のもとで初めて世に出したのが『闇桜』です。そして、桃水との恋仲をうわさされ関係を断って書いた『うもれ木』で初めて原稿料をもらいます。一葉の作家としてのスタートを飾る2編と、晩年に書かれた3編を同時に楽しめる一冊です。
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コレクション日本歌人選 066 樋口一葉
島内 裕子(著)
樋口一葉の物書きとしての出発点には和歌があります。本書は4000首ともいわれる一葉の和歌から50首を厳選し、年代順にまとめています。歌塾「萩の舎」に入門してわずか半年の歌会で最高点をとった和歌にはじまり、最晩年に病床で詠んだ和歌までを鑑賞すると、一葉の人生につねに和歌がそばにあったことがわかります。
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樋口一葉は生涯に40冊以上もの日記を書き残しました。15歳から24歳までに書かれたこれらの日記は流麗な古文で書かれ、「蓬生日記」「しのぶぐさ」「塵中日記」「水の上日記」などタイトルがつけられていました。悩みや恋心、関わった人々への思いなど、ひとりの生きた女性としての一葉の素顔を知ることができるでしょう。
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樋口一葉 (コミック版世界の伝記)
山田 せいこ(漫画) , 野口 碩(監修)
樋口一葉の生涯をマンガで紹介しています。小学生向けに書かれていますが、残された日記をもとに忠実にマンガ化されていて、一葉がどんな人物だったのかがわかります。小説家として身を立てるまでの苦労も描かれています。巻末には一葉が生きた時代や彼女を取り巻く人々が紹介されているので、作品の背景を理解するのに役立つはずです。
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