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世界的古典への招待。はじめての古代ギリシア・ローマの文学
世界史の中でも、特に重要視されている古代ギリシアと古代ローマ。政治、文化、建築といったさまざまな面で研究され、愛好家の多い分野となっています。それは文学も然りです。古代のギリシア・ローマ文学は資料的価値だけではなく、優れた発想と技法を現代に伝えていった世界文学史の宝といえるでしょう。その中から代表的な作品を紹介します。
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神統記
ヘシオドス(著) , 広川 洋一(訳)
著者は紀元前700年頃の古代ギリシア叙事詩人、ヘシオドス。本品は宇宙の始原、ギリシアの神々を物語る神話的叙事詩であり、古代ギリシア・ローマ文学の基礎となっています。また3代にわたる政権交代を描き出した政治論的側面も持っていて、当時の政治・思想を知る歴史資料としても重宝されている世界的古典です。
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古代ギリシア三大悲劇詩人に数えられているソポクレスの代表的な戯曲です。テーバイの王オイディプスが先王を殺害した者を探すうち、自分自身の恐るべき運命を知り、絶望に陥るまでの物語を描いています。本作品は「父殺し」「近親相姦」を主題していて、のちに「エディプス・コンプレックス」の語源になったことでも有名です。
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サテュリコン 古代ローマの諷刺小説
ペトロニウス(作) , 国原 吉之助(訳)
古代ローマ帝国の政治家ペトロニウスの著作と推定されている小説で、ネロ期の修辞学生を語り手に堕落した人間模様を描き出した問題作です。奴隷である美少年を巡る争い、成金富豪が催す悪趣味な饗宴。その退廃的な物語は現存する14~16巻だけとは思えないほど濃厚であり、鋭い風刺性と相まって強烈な印象を残します。
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食卓の賢人たち 1
アテナイオス(著) , 柳沼 重剛(訳)
ローマ帝国期のギリシア語作家アテナイオスの著作で、2世紀頃に書かれたと推定されています。著者自身が体験した友人の饗宴の様子を、事実と虚構を織り交ぜながら語っていきます。宴に出される食物に関するうんちくから文芸批評的な会話まで、多くの引用を交えて展開する古代富裕層の雑学競争は奇書的な面白味があります。
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ダフニスとクロエー
ロンゴス(作) , 松平 千秋(訳)
西暦200年前後にロンゴスが書いた作品です。幼なじみのダフニスとクロエーは成長するとともに恋を知り、お互いを意識するようになっていきます。だけど、戦争をはじめとする数多の災難が恋の成就を阻み、2人は幾多もの苦難を乗り越えていくのでした。レスボス島の風光明媚な景色が目に浮かんでくる、叙情的で美しい恋愛譚です。
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