目次
教育政治学を拓く
- 小玉 重夫
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はじめに──一八歳選挙権の成立をうけて
I 歴史:教育の再政治化
第一章 戦後教育の脱政治化
1 子ども・青年を理解する方法の問い直し
2 政治的子ども・青年把握から教育学的子ども・青年把握へ
3 教育学的子ども・青年把握の変容
4 子ども・青年を他者としてとらえる──共同性から公共性へ
第二章 教育実践史における再政治化の系譜
1 脱政治化に抗して──教師の権力性批判の系譜
2 社会的なるものの勃興と教育の脱政治化
3 埼玉教育塾における教師の権力性批判
4 政治的コーディネーターとしての教師
第三章 自由化のパラドクスと「政治」の復権
1 「短い二〇世紀」──転換期としての一九九〇年代
2 英米における福祉国家の再編と「第三の道」
3 日本における福祉国家の脆弱性と「政治的意味空間」の未形成
4 自由化のパラドクス
5 教育の再政治化と一八歳選挙権の成立
II 理論:教育政治学の条件
第四章 シティズンシップのアポリアとしての包摂と排除
1 グローバリゼーションと包摂型社会
2 包摂のシナリオとそのアポリア
3 包摂と排除の境界線、その関係
4 ハート=ネグリとアガンベンの対立の意味するもの──境界線の反転か、無化か
5 マルチチュードとホモ・サケルの間──政治的なるものの固有性
第五章 教育政治学の可能性
1 教育の再政治化をとらえる枠組みの胎動
2 アルチュセール・インパクトの意味
3 アルチュセールのイデオロギー論再読
4 教育政治学の課題へ向けて
第六章 教育における遂行中断性
1 新自由主義とどう向き合うか
2 教育改革における遂行性(performativity)の浮上
3 遂行性の転用可能性と、その限界
4 遂行性から遂行中断性へ
5 新しい教育政治学のために
III 実践:政治的シティズンシップの方へ
第七章 ボランティアから政治的シティズンシップへ
1 シティズンシップへの関心
2 ボランティア的シティズンシップの台頭とその背景
3 ボランティア的シティズンシップへの批判
4 対立図式を超えて──もう一つのシティズンシップ
5 ボランティアとシティズンシップの新たな関係に向けて
第八章 政治的シティズンシップの諸相──クリック・レポートの思想的背景
1 課題としての政治教育
2 「クリック・レポート」とイギリスのシティズンシップ教育
3 なぜ政治的リテラシーなのか
4 熟議と闘技の間で
5 クリックからアレントへ
第九章 論争的問題と政治的リテラシー
1 政治的リテラシーとシティズンシップ教育
2 政治的リテラシーと論争的問題の教育
3 論争的問題の教育の実践例
4 考える市民を育てる
5 無知な市民の可能性
終章 一八歳選挙権の時代に教育の再政治化と向き合うために
1 教育基本法第一四条
2 国民投票法との関係
3 立憲主義=権力の制限と、憲法制定権力=権力の樹立
4 政治的リテラシーと論争的な問題
5 高校生の政治参加──新旧の通知をめぐって
6 おわりに──遂行中断性から中断のペダゴジーの方へ
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