紙の本
これをミステリとして評価した人間、あんた一体何を見てた?こういう、ウジウジした男ってのはね、ほんと、ミステリの世界ではご法度なんだよ、ゴ、ハ、ッ、ト。わかる?ねえってば
2003/05/22 20:31
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ああ、まただ。と口からため息ともつかない声が洩れる。
読むたびに期待を裏切られるのに、また手を出してしまう作家がいる。何か、前もこんな書き方をしたことがあるなあ。いけない、いけない。もう、やめようと思うのだけれど、そんなときに限って知人が絶賛したりする。いや、私の文章ではなくて、作家の話。佐藤正午は、デビューの時から、親しみ易い名前のせいか、何となく読んできた作家の代表だけど、正直、相性が悪い。友人はこの本を絶賛するのだけれど。
羽田からの早朝便で出張することになった三谷純之輔は、飛行機に乗り遅れないようにと、空港近くの恋人の家に泊まることにした。出張を前に、恋人に勧められるままに飲んだ一杯のカクテル ブラジンスキー。リンゴ好きの純之輔のために、コンビニに買物にでかけた南雲はるみは、そのまま消息を絶つ。しかし、恋人の失踪に気付ない純之輔は、気にすることもなしに北海道に旅立つ。一杯のカクテルが変えた運命。
遅ればせながら、恋人の失踪に気付き、やむなく行方を追い始めた三谷純之輔の前に待ち受けるものは。一部でミステリーとして評価されているようだけれど、その面で期待すると失望する。リンゴをキーワードに、舞台は純之輔の出張先の北海道から九州へと移るけれど、緊張感は全くない。
ともかく三谷純之輔の生き方、そのキレの悪さは生半端なものではない。現代日本人の三種の神器1)問題先送り、2)事なかれ、3)ご都合主義、の三つを全て備える。で、作者に佐藤に、それについての深い告発の意図があるかというとそうではない。だから短気な私は感情移入ができなくて、とことん往生した。そういえば、この本を私に薦めてくれた知人も、自分からは滅多に結論は出さずに、なんとなくことが納まるのを待って、偉くなっていったなあ。むー、やっぱり日本では、私は孤独か。
正直、この本で評価できるのは失踪した南雲はるみの姉の天笠みゆきだけだろう。ああ、今回も、世評の高さに比して、得る物はなかった、というのが私の偽らざる感想。でも、きっとまた何年かしたら佐藤の本を手にすることになるのだろう、それが怖い。優柔不断なのは主人公ではなく、案外私のほうかもしれない。そろそろ、こんな自分からジャンプしなければ。
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おもしろかった。これからどうなるの・・、とどきどきした。
でも私がこの、失踪した女性だったら、こんな状況の時こういう行動をとるかな・・・?
そう思ったら疑問がわいた。
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謎めいたストーリー。もしあの時、ああしていなければ、こういう行動をとっていれば…あれ?なんか「Y」とそっくりだなぁ。ただ、こちらの作品はより自分達の暮らす現実世界に近い。過去への干渉は不可能。つまり、後悔をすることしか出来ないのだ。そのためか…かなり感情移入してしまった。
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「いちばん好きな人のことが、いちばんわからない。」
キッカケは「買い忘れたリンゴ」
コンビニに出掛けたまま姿を消してしまった彼女を、わずかな手がかりを元に行方を探す三谷。
「一杯のカクテルが時には人の運命を変えることもある。しかも皮肉なことに、カクテルを飲んだ本人ではなく、そばにいる人のほうの運命を大きく変えてしまう。」
そんな書き出しから始まるこの作品、何故失踪したのか?一気に解決したくて読ませてしまう勢いがある。映画化され、原田泰造さんが三谷役を演じています。
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前から読んでみたかった作家の一人だが、なかなか。ノーボーダーというか切り口や楽しみ方がたくさんというか、解説によると他の作品もそんな感じらしい。ちょっとトレンディすぎる感じも受けるけど、幅広く共感を得られるんじゃないでしょうか。
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佐藤 正午さんの作品に初めて手を出しました。自分が読むにはちょっと若すぎたか、主人公の三谷に感情移入がうまくできませんでした。っていうか、この男の行動力は凄いな。
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何を思ったか、買った。
ぶっちゃけ面白くない。
ただ書いて見たくなって書いた。そんな本な感じがする。
やたらと説明文が多く、無駄なシーンが多く、どうでもいい事まで事細かに書くから、何か自分で想像するところまで犯されて、こういうふうに思い込めよ、こういう景色だから間違って他の景色を思い浮かべるなよ!って感じがする。
とにかくストーリーも特に面白いわけでもなく、読みやすいわけでもなく、主人公に共感する事もなく、ただ早く読み終わるのを待つだけだった。
がっかり。な作品でした。
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オチが想像していたほど驚けなかったのであまり印象はよくない。途中で答え欲しさに読むペースを上げたり、期待から結末に壮大なものを勝手に考えていたことが原因かもしれない。
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その夜、「僕」は、奇妙な名前の強烈なカクテルを飲んだ。ガールフレンドの南雲みはるは、酩酊した「僕」を自分のアパートに残したまま、明日の朝食のリンゴを買いに出かけた。「五分で戻ってくるわ」と笑顔を見せて。しかし、彼女はそのまま姿を消してしまった。「僕」は、わずかな手がかりを元に行方を探し始めた。失踪をテーマに現代女性の「意志」を描き、絶賛を呼んだ傑作。※結末に、空しいようななんとも言えない気持ちになったけど、なかなか面白かった。
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優柔不断で平凡な男、その男の大切な人が突然彼の前から失踪した。彼女を探すうちに見えてくる物は? 人は2つの道は歩けない、その道を選んでいるのは自分、なのか?って話なのだけど・・・・・選んでるつもりは無くともやっぱり自分で選んでいるんだ、それがわかるのが何年後であっても〜 映画化されてるらしい、その男の役は私のスキな「原田泰三」なのでちょっと見てみたい
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失踪した彼女を探す話です。
ガンガン探すのかと思ったら。そうでもなくいい意味で適当なある意味これが人間らしいのかな?これもなかなか面白かったっす
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主人公の男性のうっとうしいまでの論理的思考も恋心にはまったく通用していないのが女性的には失笑モノ。失踪する女性に共感を感じる。
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原田泰三が主演したと知って、興味が湧いたので読んでみんとす。
始めは、主人公に非はないのに事が起こったのかと思っていたのだが・・・
要するにお前が馬鹿だったんだろ。ってことですね。
それに比べて、彼女のなんと逞しいことかっ・・・!
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SF系かと思いきや…
最後は男女関係のもつれ??
ちょっと驚きのクライマックス。
でもリンゴ買いに行った女性が消えてしまうってストーリーはゾクゾク♪
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久しぶりのサスペンス
すっかり私も翻弄されてすっかり結末裏切られちゃってました
まだまだこういう豊かな創造性を生み出す力は私には足りないみたい
最後になってやっとこ私も彼女(南雲)の気持ちがわかって
ちょっと切なかったな
男の過信と優柔不断にはこまったものです
やっぱり運命って自分が選択したことの積み重ねで産まれる産物なんだなと思う。
決して偶発的ではないような気がする
なんてまだまだわからないことだらけなんですけど
サスペンスが久しぶりだったのもあるかもしれないけれど
面白かったです