投稿元:
レビューを見る
今回は再読。この人の主張していることが科学的に,社会的にどれほど妥当性を持っているのか,正直なところよくわからない。過剰なリサイクルは幻想にすぎない,というのはわかるような気もするが,温暖化の是非については判断がつかない。ファナティックなエコロジストよりは聞ける部分は多いとは思うものの,専門家の間でどう評価されているのか。
投稿元:
レビューを見る
今後のエネルギー戦略を考えるうえでの一つの判断材料にはなりうる。ただし鵜呑みにすると危ない雰囲気も感じた。
投稿元:
レビューを見る
この本を読んで分かったことは、世の中は嘘と隠蔽ばかりであり、残念なことに、自分たちが善行と思ってやっていることは必ずしも善ではないということだ。もちろんこの本にも嘘と隠蔽があるのかもしれない。正しく知ろうとする態度、正しく判断しようとする努力の必要性を改めて考えさせられる一冊。
投稿元:
レビューを見る
太陽光とか風力とかバイオとかの再生可能エネルギーの技術が発展しても、すべての問題を解決できるわけではないんだねぇ。
日本の地理環境か海洋資源をつかうっていうのは、いままで知らなかった考え方だったので発見でした。
普段接しない話題だったので、おもしろかった!
投稿元:
レビューを見る
主題とは関係ないかもしれないが、読み終わった後、将来に対して過度に悲観するのはやめようと、気持ちが前向きになった。
書いてあることの全てを肯定するつもりはないが、節約、節約と後ろ向きなことばかり言うのも確かにおかしい。
『人間というものの精神や努力する心を大切にしながら、魂が縮こまることなく、自由にのびのびと生を楽しむことができるようにする、、、』
投稿元:
レビューを見る
科学者が書いた自然エネルギー論として参考になる指摘がたくさんあった。エネルギーとは地球にある炭素を取り込むこと。ただしエネルギー取得にはエントロピーの法則が働き、必ずロスが生じる。現時点で自然エネルギーは効率の観点で石油系には遠く及ばない。特に太陽光は国土の狭い日本ではナンセンスで、むしろ自然環境破壊に繋がる。
石油なき後のエネルギーは、石炭と原子力。ただし、人災である設置環境の改善が必須。石油なきあとも電力はなんとかなるが、石油化学製品の欠乏は致命的。技術革新で生き延びるしかない日本は今すぐ研究を開始すべし。
頷くところの多い一冊。
投稿元:
レビューを見る
ホンマでっか!?TVに出ている、たぶん凄い人なんだろうけど面白いオジサン達のひとり。武田邦彦さんのことはこれくらいに考えていたのだが、著者紹介のプロフィールを見るとやはり凄い方らしい。
中部大学総合工学研究所教授
多摩美術大学非常勤講師
名古屋市経営アドバイザー
内閣府原子力委員会および安全委員会専門委員
文部科学省科学技術審議会専門委員
これだけ並べられるとあの微笑がオソロシク感じる。テレビであれだけの隙を見せておいて、学問や国政の分野でこれだけの役職(詳しい内容はわからないけど)に就いているのだから並々ならぬ見識を持っている人だと思う。
正直私はエネルギーに関しては、原発関連のテレビをあまり見ないこともあって、知識が乏しい。だけど、時代が時代だけに何かできないかなともどかしく思っていたら本書があった。2009年の末に発行されていたようだ。理系では無い私には到底理解のできない内容だったらどうしようと不安だったが、本当にわかり易く説明してくれて有り難い。
「偽善エネルギー」という挑発的なタイトルには日本の「偽善」体質への批判も込められているのだろう。官僚やマスコミに対して清々しいほど率直に、論理的に「間違っている」と言う武田邦彦の文章は読んでいて気持ちがいい。「利権には関係が無い立場だから発言できる」と語る著者の面目躍如だろう。
原発についての項で、
「地震国・日本の原発は、安全だが安心できない」
という言葉には唸った。こういう事実を何年も前から発信している人達は数多くいるに違いない。しかし、企業や国の都合上大きく報道されてこなかった。それは天下りや利権の問題で、国民のヒステリーをまねくからといった理由ではなかった。
風力発電のことを考えるとき大切なことは、人間だけのことを考えて、「風はムダに吹いている」と考えるのをまず止めることです。
当たり前のことだ。だが私達は傲慢で、雨や風が存在する理由や、それらによって育まれる命のことを忘れがちだ。人間が何かのエネルギーを利用すれば、それまでそのエネルギーを使っていた他の生物から奪うことになるのだ。
太陽発電、潮力発電、バイオ発電についても、著者は日本の風土からという観点で忌憚の無い意見を述べてくれる。マスコミの報道などを見て焦っている方には是非本書を読んで「科学的」で「客観的」な事実を知って欲しい。
投稿元:
レビューを見る
休憩がてら読んでいたものが,ようやく読み終わりました.第3章の終わりぐらいまでは,ごくごく常識的なことが書いてあります.第3章の終わりになってNHKの批判を始めるあたりから,論調が過激になります.でも,書いている内容は至極もっともな内容です.これなら,あまり「食わず嫌い」にならず,早めに読んでおけばよかったかも.いずれにしても,日本のエネルギー自給率がわずか4%に過ぎない,ということは頭に入れておくべきです.
投稿元:
レビューを見る
この本が出版されたのは2009年である。さすがに津波のことは書かれていなかったが、安全なはずの原発技術が、利権、官僚の保身、大きな決断をできないサラリーマン原発責任者などから安全性を欠いたものになってしまっていることを「人災」であると嘆いている。
3.11後の現在、この本を読むとこのあたりばかりに目がいってしまう。しかし、本書のテーマは著者の専門である資源材料工学の立場から、エネルギー、資源(食糧も含む)についての昨今の近視眼的なエコ政策や世論に対する危惧と対案の表明であると感じた。
投稿元:
レビューを見る
・石油はあと800年持つが、使いにくい石油が残るだけ。そしてコストも上昇する。
・エコカー・太陽エネルギーに騙されてはいけない。結局、電気に変える装置という意味では見た目以上のコストがかかっている。
・原子力:耐震性・人材面の活用必要。
投稿元:
レビューを見る
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の武田氏の新刊です。
この人の基本的な主張を一言で表すと、
「環境問題なんて、ない(わからない)」
もしくは
「問題かどうかわからないから、騒いで人々を心配させて、それで儲けている人がいる」
でしょうか。
「温暖化で氷が溶けて海面が上昇して島が沈むとか言うけど、地上にそんなに大量の氷はないですよ」
というような、非常にわかりやすい主張をされていて、僕は好きです。
投稿元:
レビューを見る
武田邦彦著。
ちょっと衝撃的。
石油は技術でどうにかなる。
原子力は人災。
自然エネルギーは有望止まり。
結論は、今にこだわらず、楽観的に生きましょう。
ってことだと思うけど、是非。
投稿元:
レビューを見る
エネルギーについてわかりやすく書いてあります。
この本が書かれたのは3.11の前。
ですが、すでに原発が大地震には耐えられないことをすでに指摘されています。
ただの「はみ出しもの」ではなく、ちゃんと武田さんの話に耳を傾けるべきです。
私は応援しています!!
投稿元:
レビューを見る
何でもそうだけど、一つだけが正しい訳じゃない。今のエネルギー問題だって一つの方向(反原発)だけが必ずしも正しい訳ではない。今のまま原発を推し進めるのも問題だけど。今後のエネルギー政策は、もっと総合的に考えていかねばならない。
投稿元:
レビューを見る
夢の原子炉と言われていた(言われてきた?)「もんじゅ」が14年ぶりに運転を再開しました。原子力発電所から出てくる廃棄物を使ってエネルギーを作るシステムなので、もう少し良いイメージを持っても良いと思いますが、それを運転して作られる「プルトニウム」が原爆の材料になるということもあり(p43)、イメージが良くないと思っているのは私だけでしょうか。
私もできれば危険なシステムは使うべきでは無いと思っていますが、人類がエネルギー源を「木」から、石炭、石油へと危険を乗り越えて開発してきたことを考えると、原子力を含めた新エネルギーについて開発する姿勢は大事にすべきだと思います。
この本では環境問題で何冊も本を執筆されている武田氏が各種エネルギーについて、その将来性も含めて解説した本です。
以下は気になったポイントです。
・戦争開始時には、10キロのお米の値段:3円、石油ショック前:870円、石油ショック後:3200円、石油の値段が10倍になった時、お米は4倍、戦前比較で1000倍となった(p22)
・地球上の地下深くには、「石油に似ていて石油のようなもの」は多いが、水素が不足していて(粘度が高くて)使えないものが多い(p30)
・ガワール油田は1200億バレルの埋蔵量があると言われていたが、もう7割消費した、現在は高圧の水を油田に700万バレル圧入して、100万バレルの原油が水と一緒に出てくる(p33)
・普通は軍事技術の方が難しいが、原子力の場合は、それが逆で、軍事用の原爆は簡単に作れるが、平和用の原発は数段難しい(少しずつ爆発させるための制御)のが特徴(p48、51)
・日本の原発は全て「軽水炉」という、普通の水(軽水)を使って原子炉が自分自身で爆発を止める(自動的に反応を止める)機能がある(p53)
・各国のエネルギー自給率は、日本:4%、ドイツ:27、イギリス:78、アメリカ:61%、カナダ:140%である(p65)
・太陽電池を普及できない本当の理由は、1)太陽電池を組み立てるときの電気だけを計算して、材料を製造するものはカウント外、2)電気だけの収支で、使用する石油や材料製造コスト、物流エネルギーは計算外、である(p76)
・ダムを造っても、上流から流れてきた土砂を時々「排砂」してダムゲートを開ける必要がある、腐った水が流れ出て下流は悪臭が立ち込めて魚は生存できなくなる(p84)
・今使っている石油は、そのまま燃やすのが90%以上なのであり、プラスチックになるのは10%以下なのでプラスチックをリサイクルしても石油の節約にならない(p94)
・世界のガソリン消費の割合において、アメリカ:52%、日本:6.1、中国:5.2、カナダ:4.1、ロシア:3.6、ドイツ:3.5%@2007である(p117)
・穀物自給率が100%を超えている国は、「お金」か「土地」が余っている国のどちらか(p122)
・為替を操作することで、かつてイギリスはインドの富と努力を吸い取ったが、現代はイ���リスがアメリカ、インドが日本になっている(p126)
・2005年にアメリカ南部州を襲った「カトリーナ」は史上最強と言われたが、100年前にはもっと大きなハリケーンがあって6番目の大きさ(p139)
・石油はあと30年もすると、使いにくくなって値段が上がると、石炭が登場することになる、最低でも2000年程度はもつ(p162)
・核分裂の材料はウランであり、300年程度しかもたないが、もうひとつの方法である核融合は重水素が原料で海に膨大に存在するので、3000年程度はもつ(p182)
・ドイツには風力発電もあるが、石炭や原子力の発電方式で全体の8割を作っているし、フランスから原子力による電気も購入している(p188)