橋ものがたり 改版(新潮文庫)
2019/02/06 20:58
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投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は、昭和55年当時に刊行されたとのことで、橋にまつわる江戸庶民等の話からなる、いくつかの短編をまとめたものである。
いずれも貧しさや、色恋、悪業など底辺の人々のありさまを切なく、もの悲しく、時には夢や希望も交えて物語にしています。
橋を渡るは、三途の川ではないが、大きな勇気や決断を要したであろう、別世界への架け橋とも言えると思いました。
哀しさと切なさが溢れる!
2019/01/23 08:41
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
橋を渡り行き交う間に、そこには常に自分の知らないドラマが始まっている。出会いがあり、別れがあり、そして橋は、ただ男と女の行く末を見守っている。切なさが溢れていて、常に雨が降っているか、霧が立ちこめてる、静寂の中での出会いと別れが繰り広げているイメージを勝手に強く感じました。優しさというよりは哀しさ、切なさがに溢れ、余韻にひたりながら、静かに本を閉じました。
橋を舞台に市井の男女の出会いや別れを瑞々しく描いた短編集
2018/09/06 12:19
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投稿者:Buchi - この投稿者のレビュー一覧を見る
橋を舞台に市井の男女の出会いや別れ、慕情、哀愁...そんな表情を瑞々しく描いた短編集。自動車や交通網の発達した現代の東京ではあまり "橋"というものを意識しないのかもしれません。しかし、徒歩で橋を渡ってみると橋で隔てられたあちら側とこちら側、あるいは川向うという向こう側との隔たりが明瞭に意識にのぼってきます。その隔たりにドラマが生まれ、橋の上にドラマが生まれます。この作品はそんなドラマを描いたものですが、現代の心情にも通じるものがあります。現代に生きる私たちにもしみじみとした感情をもたらしてくれます。
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江戸にかかる橋が見ている、市井の人たちの恋のお話。短編集です。
藤沢周平の剣のお話も好きなんですが、小さな幸せを見つけていくような、庶民が主人公のお話も好きです…。
特に、この短編集はよく出来ていると思います。
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隅田川近辺にかかる橋を舞台とした江戸の市井の人々が繰り広げる人間ドラマの数々。
今よりも一つひとつの地域の色の違いがはっきりしていた時代だからこそ、それらを結ぶ「橋」には多大なロマンを持ち合わせていた。そこから生まれる物語は時に世知辛く、また時にすがすがしいものとなっている。
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「橋」を必ず織り交ぜて作られた作品集。
江戸の人々の出会い、別れが実によく、しみじみと感じられる。
「約束」「小ぬか雨」「小さな橋で」「川霧」が好き。
癒し系かなぁ。
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08、2月7日読了
短編集。「約束」に泣いてしまった。短編の中では一番好きな作品になった。
「女人剣さざ波」に並ぶ感動作です。おすすめ!
10、5月31日二読目
赤い夕日も好き。
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ああ、藤沢周平様〜。ああ、時代小説から脱却しなくては・・・、20代前半の乙女でなくなる・・・。昼間から本屋で時代小説をニヤニヤして読む爺さん化だけは、なってはいけぬぅぅぅぅ〜
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江戸の橋にまつわる10の短編
「小さな橋で」は幼い少年の物語
チクッと胸が痛み、それはやがてほのかな温もりに変わった
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ほろ苦くなるような恋愛話や、切ない話がいっぱい。
今の時代にもだめ人間っているけど、この時代も同様にだめ人間もいるし、運がないなぁって言う人もいる。
橋にまつわる短編集。
心温まる話がいっぱいです。
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江戸時代の
待ち合わせ場所でもあり
出会いの場所でもあった
橋にまつわる
人情話の短編集です
ハッピ-エンドに泣けます
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短編集です。
藤沢周平の短編作品は数多く読むと似た作品が多くなりますが、それでもまったく飽きることがありません。
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ほっこりしたり、キュンとしたりな短編集で好きです☆
さらーっと読めて、読みながらつい微笑んでしまう☆☆
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「橋」は、こちらの世界と向こう側の世界を繋ぐもの。橋を越えたら違う景色が、違う街が待っている。初めて時代小説を読んだけれど、読みやすかった。「約束」がとてもステキ。
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「殺すな」
「行かせてやれ」
「お峯がいとしいか、吉蔵、」
「いとしかったら、 殺してはならん」
ああ人間というやつは、なんてえ切ねえ生き物なんだ。
(約束/小ぬか雨/思い違い/赤い夕日/小さな橋で/氷雨降る/殺すな/まぼろしの橋/吹く風は秋/川霧)