電子書籍
ジェンダーテーマにシフトした頃の傑作
2023/04/20 05:03
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投稿者:たこい - この投稿者のレビュー一覧を見る
出版当時にも同性愛テーマを描くニュートラルなスタンスと毎回同じ語りだし「こんにちは。わたしはいちこ」で始まるリズミカルな話運びに感銘を受けたものだったが、このテーマは描かれて20年経過した今がむしろ旬かもしれない。スタイリッシュな画風、作風はまるで描かれた時代を意識させない。
あとがきによるとマンガ家をやめていた4年間で一度喪失した創作の感覚を取り戻したご本人にとっても記念すべき一作とのこと。
個人的にはやまじえびね最高傑作かも,という気もしてきた。時折不穏なこともあるけど物語の基本トーンは多幸感なのがいい。
電子書籍版がちゃんとあるのはいい。最近やまじえびねを知った方におすすめできる。
紙の本
アイ・ラブ・マイライフ!そう微笑むことができることの素晴らしさ
2002/01/29 19:55
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投稿者:楓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レズビアンのいちこは法律家を目指すエリーと交際中。翻訳家を目指し日々奮闘するいちこは、ある日、パパはゲイ、そしてママはレズビアンだったことを知ってしまう。ショック! じゃあ、わたしは愛の結果生まれた子供じゃなかったの?そう悩むいちこにエリーは言葉をかける。そんな夫婦の関係を理解することはできない。でも…「でもおかげで彼らの人生は豊かになった。筋を通して生きるよりも味がある」と。このコミックの見所は、真直ぐな意思でいちこを導くエリーの言葉。そしていつでもマイペースな和みキャラいちこ。2人のお互いを尊重し合う姿は恋人同士の理想そのものです。そんな恋人の、甘いだけじゃない、素敵な、でもちょっと間抜けな物語です。愛するもの同士の悩み、将来に対する漠然とした不安や、時として大切な人を信じられなくなるときのせつなさなどが、見事に描かれています。デフォルメされた絵は美しいだけではなく、著者の意思を感じます。実際の人生はここまで美しくない、そう思うかもしれません。それでもこれを読んだ後、幸福感に胸が詰まるのは、日々と自分の人生をもっと愛そう、愛せる自分になろうと、作者からパワーをもらうからでしょう。
紙の本
軽やかに同性愛を考える。
2001/11/05 18:58
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投稿者:うり - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の名前はいちこ(その容姿を例えるならヒヨコ)。いちこには彼女がいる。いちこはレズビアンなのだ。レズビアン、ゲイ、それらを誇張することなく、美化することも無く、淡々と等身大に描きあげた恋愛漫画。
パパは大学助教授で翻訳家、死んだママは元ファッションモデルのバッグデザイナー…と物語全編にふりまかれた“おしゃれっけ”は少々こそばゆいけれど、そんな両親の衝撃の秘密を知ってしまって、「これって女の子を好きになった報いかしら?」という台詞がでてくるあたりが、軽やかで可愛らしい。
漫画というよりはイラストレーションに近い絵と、古い映画の字幕のような台詞まわしが効いている。
紙の本
「同性愛」とは
2002/02/04 17:15
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投稿者:smile - この投稿者のレビュー一覧を見る
もはや「同性愛」が絶対的タブーではなくなった現代だが、とはいえやはり、そういう人が身近にいたらどうだろう…?
主人公のいちこはごくごく普通の女の子。そんないちこの最愛のひとは、同じく女性のエリー。弁護士をめざす知的美女のエリーと、専門学校に通うかわいくて無邪気ないちこ。しょっぱなから2人は「デキあがっている」カップルとして描かれており、最初はちょっと戸惑いもあったが、2人のごく普通に生活する姿を見てすぐに順応してしまった。レズビアンやゲイが普通に登場人物として出てくるが、ちょっとした違和感を通り過ぎた後は、むしろ異端な分だけ「愛情」がムキだしにされる感があり、「正常ってなんだろう?」と立ち止まって考えさせられるような一冊だった。
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レズビアンカップルのとある日常を描いた漫画です。 私はこの作者の目線が好きで好感を持って読んでます。 漫画の中で一番好きです。 なんか温かみがあるからかな?うまく文章に出来ないのでも一度読んでから書き足します。
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初めて出会ったやまじえびね作品。そして今まで読んだ彼女の作品の中で、これが一番考えさせられて好き。
主人公はゲイとレズビアンの子供いちこ。私だったらどうする?自分の親がそうだったらどう思う?って色々考えちゃった。(正直違和感はある…。自分はバリバリレズビアンなのに親はイヤだなんて我ながら我侭なもんだ。でも心から愛し合って生まれた子供が自分であって欲しいんだもん。)
まず父親に正面きって彼女を紹介してカミングアウトするところがすごいよ、いちこ。私には出来ません…
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やまじえびね。
凄く素敵でした。
レズちゃんのお話。
絵もすっきり、話もすっきりでとても読みやすかった。
良い漫画だ。
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映画化されたということで読んでみました。レズの女の子の悩みや日常をひたすら感情を抑えて淡々と描いていくスタイルはなかなか良かった。ただ、小説で言うと女流作家という感じなので、女流作家は基本苦手な私は一回読めば満足といった感じでしょうか・・・
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絵もおしゃれですごい好きだし
話もすごく好き!
同性愛がテーマなのかと思ったら
まあ確かにそうなんだけど
それだけじゃなくて
読み終わったあと、結構おなかいっぱいになる!
この漫画に出てくるCDとか聴いてみたいな
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彼女達の甘くて穏やかな時間がいつまでも続いてほしいなぁと思う。
ゲイとビアンの夫婦で産まれた子供がセクシャルマイノリティであるのは
彼女の生まれた環境が差別や、こう在るべき、という既存の価値観を押し付けない部分によるところなんだろうな・・・と、作品を観て思いました。
性少数派は性多数派に比べ乗り越えなくてはならない課題が
本当に山積してあります。
それも、支えあえる恋人や家族がいればこそ、のり越えられることも多い。
彼女達や、お父さんカップル、お母さんのモトカノの人生を通して心が軽くなりました。
軽く読めるマンガだけど深く掘り下げると迷宮に入りそうなテーマだとおもいます。
マイノリティの人たちにも読んでもらいたいなぁ。
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女の子同士ってこんなにすてきなの??
ふつうのかれし・かのじょじゃこういう関係性にはなれないんじゃないかなー
主人公が「いちこ」でちょっと照れる笑
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取り敢えずハッピーで終わったので良し。
女の子を描く線に心地よさを感じた。
(2009/1/27)
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恋をする女の子と、その彼女の話。
親、友だち、恋人などの大切なひととの関係性のなかで、伝えたい言葉がたくさんあった。
絵が美しく、登場人物の服装などの細かいポイントが好み。パトリックのスニーカーが登場するなんて、全面的に大支持になった。
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「いちことエリーの恋物語」
もっと詳しく解説すると、
レズの母と、ホモの父の子「いちこ」とその恋人のエリーの恋物語。
この作品を知ったのはnoodlesというバンドの同名アルバム兼同名映画のサウンドトラックだった。僕は映画を見ていない。映画にでている石田衣良(「いちこ」の父=ゲイの父)の演技が予告編の段階でもう拒絶したからだ。こういうのを世間一般に偏見という。ちなみに、石田衣良の小説は「下北サンディーズ」しか読んだことがない。さらにいうと、最悪に面白くなかった。それ以来、石田衣良の小説は読みたくなくなった。こういうのを世間一般に偏見という。エッセイは好き。R25の隔週エッセイ。
さて、この作品。良かった。非常に良かった。映画を見ていないけどnoodlesの音楽もあいそうな感じはした。多分、映画は観ないだろうなあ。わかんない。
で、この作品に関してさらに評したい。
人を好きになること。
これはきっと普遍的で変わらない事象だと思う。
さらに人を愛すること。
これもきっと普遍的で変わらない事象だと思う。
では、人は雄と雌、正確には男と女がいるわけだが愛し方は3通り存在するというわけでもないのだ。この作品はそれを言っている気がする。ただのレズビアンの漫画じゃない。人を愛することに何通りのパターンとか、そういう思考はないんだよというメッセージが込められた作品のように思えた。
だからって僕は一通りしか知らない。女が好きだ。多分、きっとそれは変わらない。けど、それだけじゃないんだろうなあということをこの漫画は伝えていた。
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女の子同士の間でしか流れない
あの独特の空気感、甘い匂い、柔らかさ
そんなものが凄く好きだから私は女の子が好きなんだと思う。
という台詞を何処かで見たのだが
この漫画はまさにそれを再現している。
甘く柔らかく繊細で紫とピンクが混じりあい匂い立つような。
でも優しいだけじゃなく時に剃刀で肌を傷つけてしまった時の
ような、ピリッとした鈍い痛みもある。
映画化もしていて映像で見ても楽しめた一冊。