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薄いのに、読むのに二週間くらいかかりました。。
久々に、入試の現代文のようにじっくり読みました。
義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義を行動原理とする超ストイックな武士道は、
現代の、一つの道で大成している人々に当てはまる部分も、
少なからずあります。
「忠義」の部分は、ちょっといきすぎではないかと思う部分もありますが。
また、欧州の「騎士道」や、キリスト教等の価値観とも対比されていて、
日本人の武士道がそれらと根本的に異なるものであることも述べられています。
アイセッカーに求められる、と思った要素も幾らか。
ぜひご一読を。
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最近のマイテーマ「日本人論」の、自主課題図書。
初出は1900年。
恐らく「日本」という国が諸外国から注目され始めたその時期に、「日本人自身が」「英語で」日本人の考え方を紹介した意義は大きい。
そりゃあもう、お札の顔にもならぁな、というもんです。
内容は…うん、そうかあ、「武士道」ってこういうものかあ。
なんとなく、分かった…ような気がする。(曖昧)
やっぱり掴み切らんなあ…ええ、お馬鹿さんなんです。
印象としては。
「時代劇を観てるようだ…。」
いや、実感としてね?この内容を「おお!これこそ私の価値基準や考え方の根本だ!」って言える日本人がどのくらいいるよ?
「物語(ストーリー)」として共感や感情移入は出来るけど、実際に自分の価値基準や考え方ではない。少なくとも私は。
氏が言うには、「武士道」は全社会階級に遍く広がり、全国民の道徳的規準となった、そうですが。
うーん…ちょっと、納得いかない、かな。
「日本人の行動・思考様式はどうやって形成され、なにを契機に、どこが変わりどこが変わらなかったのか。」
このマイテーマを自分なりに納得するには、もうちょっといろいろ調べないとダメそうです。
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日本人として誇りや気高い精神のありようについて国内外からの古典・聖典・思想書からの比較も交えながら語る。全てを理解するにはまだまだ学ぶべきことがたくさんあると謙虚に思う。現代の女性に対して考え方を異にする表現はあれども日本人の必読書だと思う。個人的には父親の仇のために捕らわれ、幼い兄弟が静かに割腹する描写が感動した。男気とはこういうことだと改めて感じ入る。
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教育者・新渡戸稲造が日本人の精神に宿る「武士道」を海外向けに紹介する目的で書いた本。本書が英語で書かれた原文の邦訳であること、訳が戦前に書かれたことを考えると少々読みにくいが、雰囲気が出ている。
武士道が仁・義・礼といったものを重視していたことはある程度知っていたが、興味深かったのは実利を軽視した点。武士は金銭を扱う商業から遠い存在であり、そんな武士の政権であった江戸幕府では権力と富がはっきりと分離されていた。
明治初期、かつての武士たちが商売に手を出すもやり方が 拙く、「士族の商法」と揶揄されたのは、武士が清貧に甘んじて実利を軽視したことに由来するのだと思った。
他にも「切腹」に関する記述にも感銘を受けました。腹は人間の霊魂と愛情が部分であり、切腹することによってそれらが清浄であることを示すのだというもの。
武士道は朱子学的だとか言われるが、実践躬行・知行合一という陽明学的な部分も多分に含まれていたこともよくわかった。思っていたよりも復古的、封建的、権威主義的といったマイナスイメージは感じなかった。
私自身は武士道が日本人の精神そのものという説には懐疑的だが(武士の人口は江戸時代の総人口の1割にも満たなかった)、これはこれとして面白い内容だったと思う。
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評判と名前に惹かれて購入。
海外向けに(もともと英語ですしね)書かれたこともあって、日本人の精神を鼓舞するような内容ではなく、どちらかというと武士道の成り立ちや武士道とはなんたるかを説いたものだった。
日本の素晴らしさを世界に説いた新渡戸稲造を日本人として誇りに思います。
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新渡戸稲造1899年(明治32年)38歳。アメリカ滞在中に出版の訳書。
多くの訳書のなかでも本書(矢内原)は定評あり。
1938年 第1版
1974年 改版
2007年 改版
※参考までに
訳者:山本博文の現代語訳(ちくま新書2010年8月 第1版)も、今後、評価されていく訳書であると思われる。
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武士道の倫理観の素晴らしさが書かれている本。
内容はとても良かったですが、今の世の中を思うと残念で仕方ないです。
まずは自分から良い生き方をしていこうと思いました!
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宗教とは違う武士道。
倫理道徳ともまた違う武士道。
恥ずかしながら外国向けにかかれたものとは読んでから初めて知ったが、自分が感銘受けてしまうのは新渡戸が生きた日本からみて今の日本は外国みたいなもんだからだろう。
日本人やりなおします。すみません。
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言葉が古くて難しかったけれど、自分の中にわずかにでも根付く武士道精神というものに気付いて嬉しくなった。過去の偉人の言葉にもしっくりくるものが見つけられた。
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友人と話題になったので、久々に読み直してみた。非常に難しい内容だけど、これでも易しめに訳されているらしい。と、原文を読んだ人が言っていた。
今の自分には、手厳しいことばかり書かれていた。まだ学生の頃の方がまともな考え方をしていたような気がする。
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武士道は一の独立する倫理の掟としては消ゆるかもしれない、しかしその力は地上より滅びないであろう。その武勇および文徳の教訓は体系としては毀れるかもしれない。しかいその光明その栄光は、これらの廃墟を越えて長く活くるであろう。その象徴とする花のごとく、四方の風に散りたる後もなおその香気をもって人生を豊富にし、人類を祝福するであろう。
確かに、色褪せこそすれ消え去りはしないと思うんです。
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国際連盟事務次長を勤めた、新渡戸稲造が日本の精神とは何なのかということを世界に知らせるために文化や歴史的背景を読み解いた一冊。
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言葉遣いが古く、なかなか頭に入ってこなかったが、構わず最後までよんでみた。武士道は一つの倫理の掟としては消えて行くかもしれないが、その力は地上から消えず、香気となって残るだろうと最後に締めているのが印象的でした。また何年後かに読んだら印象が違うんだろうなと思った。
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“流れ”。
僕が最近よく考えるものです。
「人は無意識に、過去からの流れに乗って、言を発しているのではないか?」という疑問を抱き
日本の過去からの流れを読み解くには、『武士道』だ。
っというわけで読み始めました。
過去の日本の常識は、“滅私奉公”だったと伺えます。これは男子であれ、女子であれ。
だから日本に“個”という意識は、新しい日本人意識なのだと思います。
昨今いろんなところでズレが生じているのは、このためだろう。
新渡戸氏は日本には、経済的利の観念が日本にはないというけど、僕は違うと思います。
滅私奉公も、当時からみれば利だったから、大方の人はその利を選び、滅私したといえないでしょうか?
日本の風土・文化などから生じる、無意識から発するものは何か?という答え探しの旅は、まだまだ続きそうです。
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本書は日本人が失いつつある、しかし日本人の意識の根底に今でもある武士道について、新渡戸稲造博士が英語で叙述したものを矢内原忠雄氏が邦訳したものである。「武士道」はしたがって元の著作は英語であり複数の邦訳が存在する。けれども、おそらくこの岩波文庫版が最も読まれているものだとおもう。
「武士道」は欧米の知識人に向かって書かれたから、その内容も自ずと格式高い。しかし、博士は古今東西の偉人哲人の著作を巧みに引用しつつ我が国の精神思想の特異さを際だたせることに成功している。キリスト教のような万人が信仰する宗教がない我が国の高い精神性はどのようにして産まれたのか、またどのようにして発展していき高められたのか、この小著は雄渾な叙述で解き明かす。
読んだその日から自分の生き方に凛としたものが纏うだろうこと疑いない。読んでみて後悔のない一冊だろう。