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短編小説案内の決定版
2021/12/16 19:31
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投稿者:夏のメロン色 - この投稿者のレビュー一覧を見る
岩波ジュニア新書ということで、若者を想定して書かれているのでは…?と侮るなかれ、全年齢の読書初心者〜読書愛好者におすすめできる本となっている。
一章に一作品ではなく、数多くの作品が紹介されている。きっと気になるものが見つかるはず。とにかくあらすじのまとめ方や引用が上手い。思わず興味をもち、調べてしまった作品も多々ある。
肝心の著者の作品は未読のため、これから読んでいきたいと思う。
短編小説の魅力
2021/12/10 13:54
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編小説の魅力が語られていて、とにかくその小説を読んでみたくなる。少し難しそうなものでもチャレンジしてみようかな、と思える。
短編小説
2021/12/10 13:31
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投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
阿刀田高らしい読みやすい文章で、いろいろな短編小説の紹介がされている。読み物としても十分に楽しめるが、これをもとに短編小説を読んでも良いだろう。
見本帖として短編小説の世界を広げる
2018/05/30 15:28
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本のタイトルはあたかも「短編小説」について書かれているように思えるが、どちらかといえば直木賞作家で短編小説が大好きな阿刀田高さんの「若い日の気楽な読書」が綴られている。もっとも、「短編小説」が主だから、その点ではタイトルが誇大広告でもないが。
岩波ジュニア新書だから、基本的に中高生向きに書かれている訳だから、活字離れといわれる時代に、まずはお手軽な「短編小説」で読書に興味をもってくれたらうれしい。
阿刀田さんは「短編小説」の特徴を「短いこと」としています。
なんだか拍子抜けしそうな説明ですが、そんなことはありません。
よく読むと、「短いからこそ全体として多様であり、多彩」だとしています。
阿刀田さんが紹介している「短編小説」も、芥川龍之介もあればホームズもあり、ポーもいれば中島敦もいる。さらには松本清張にいたっては、わざわざ1章割いているというはまりよう。
これだけ見ても「短編小説」の多彩さがわかります。
具体的な短さでいえば、阿刀田さんは「短編小説」は原稿用紙20枚から100枚あたりの分量で、それより短くなれば星新一さんに代表される「ショート・ショート」と説明しています。
これぐらいの短さだと1時間もあれば読める長さといえます。
また、阿刀田さんは「短編小説は見本帖」としての役割もあるといいます。
たしかに面白ければ、その作者の長編小説や他の作品にはいっていけばいいのですから、その役割は大きい。
時代小説でもミステリーでも純文学でもまずは自分に何があっているか、「短編小説」で試してみるのもいいと思います。
読書ばなれを促しているのは、学校教育の名作主義ですね。しかも、教師が押し付けられた読書体験をそのまま押し付ける、高校野球のそれと全く同じやりかた。その点、阿刀田の案内は礼儀正しい・・・
2006/03/19 18:44
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投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が長篇好きなものですから、娘二人もどちらかというと短篇を殆ど読みません。ショートショートなんて死語、とまでは言いませんが殆ど興味を示しません。そこで、これじゃあイケナイ、と。私だって昔は星新一や松本清張、乱歩の短編に酔い痴れたんですから、その面白さをなんとか、って苦しいときのジュニア新書頼み・・・
「とにかくおもしろい芥川龍之介、こんな文章を書けたらすごい志賀直哉、目を見張る設定の中島敦。子どものとき落語全集と銭形平次捕物控で短編のとりこになった著者は、好きな小説を読みあさっていく。自らの体験を通じ、また短編の作り手の視点から、ぜひ触れてほしい作品をすすめる。脳にしみこむ若いときの読書は大切だ。」
がカバーのことば。
目次は、第1章 短編小説は礼儀正しい、第2章 とにかく芥川龍之介、第3章 ミステリーはいかが?、第4章 不思議な頭のアラン・ポー、第5章 美しい自己中心、第6章 ユニークな短編たち、第7章 週末は清張を、第8章 エロスでドキドキ、第9章 ショートショートを短く、第10章 乱れうち一五作品、となっています。
阿刀田の読書は私の方法と似ています。ともかく、面白いものを読む。人生とは、とか恋愛とは、なんてえのはあとからついてくるもの、ともかく面白くない人生なんて誰も送っていないんだから、生きるには哲学!なんて御託並べているオタクに付き合うよりは、ともかくエンジョイ。ま、哲学屋は哲学をエンジョイしているんだから所詮は同レベル!
だから、芥川より鴎外の作品のほうが上、なんて決め付ける輩を無視して、せっせと面白い作品を楽しみます。でも、カバーの案内は、ちょっとオカシイ。私が読む限り、阿刀田が最も楽しんだのは、芥川と松本清張だと思うんですね。この本を読む限り絶対にそう。その清張に触れない内容紹介、ここにもフィルターがかかってる?
でも、それは阿刀田の文章には関係ありません。彼はひたすら面白い短篇を紹介し続けます。久しぶりにぶりに清張や乱歩の全集、あるいは漱石のそれを読み返したくなりました。ここでは触れられていないけれど、私の宝物である筒井康隆全集もよみたい。ハヤカワの世界ミステリ全集も引っ張り出したい、そんな気持ちが一杯です。
乱れうち15作も、半分以上は未読。娘たちと一緒に読み返そうかしらん・・・。太宰治『キリギリス』、ヘミングウェイ『殺し屋』、井上靖『楼蘭』、ストックトン『女か虎か』、ラヒリ『停電の夜に』、井伏鱒二『山椒魚』、山本周五郎『その木戸を通って』、ダール『牧師のたのしみ』、カーポティ『夜の樹』、結城昌治『替玉作戦』、鶴田知也『コシャマイン記』、五味康祐『自日没』、里見弴『ひえもんとり』、半村良『箪笥』、日影丈吉『猫の泉』。
古い作品群に混じってラヒリ『停電の夜に』は、異色だなあ、なんて思いもします。ともかく、ここにあるのは広大な短篇世界のほんの、ホンノ、本の一部。面白くなくても、短いから読み通すことができる、それを阿刀田は「礼儀正しい」といいます。たしかに、そうですね。ともかく読み始めましょう、短篇・・・