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投稿者:なお - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻を読んでいる時は、なかなか登場人物にも感情移入出来ず、途中、ダラダラと長いと感じてしまう箇所もあり、こんな調子で下巻を読み終われるのか、と思ったりしたが、結果として下巻の方が面白かった。
黒海に向けて延々と続く旅、次から次へと現れる人々。その過程で、登場人物たちの、それまでは揺れ動いていた意思のようなものが、次第に確たるものへと固まって行く。
それだけに、絹子の死は思いがけなく、唐突で哀しく思われた。
あれだけ長い物語なのに、終わりはとてもあっけなく、残された3人のその後に関する詳しい描写もない。しかし、それがかえって良かったのかも。
当時の東欧諸国がかかえる問題など、いろいろなことが盛り込まれた物語だった。
時を経てなお、大国は他国への侵略を繰り返している。世界中の衆人環視のもとで。
なぜ人の国を欲しがるのか、という踏みにじられる人々の叫びは、過去のものではない。
そういうことも、改めて感じた。
人間はみんな同じ。求めるものは幸福なのだ、という長瀬の言葉が胸に響いた。
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投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻に続く下巻ということで、読んだ。人間の心の揺れも描写されて、いい感じだった。ちょっとミステリーっぽくて、楽しむことができた。最後が、あっけない感じがした。
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
意外な結末に驚きました。ドナウ川沿いの旅と聞いただけでもう物語になりそうというか、雰囲気がありますね。
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この主人公日野麻沙子は、定年退職した父と離婚する布石として、ひそかにヨーロッパへ旅立った母絹子を追って心せかれながらドイツへ赴いている絹子は娘に宛てた手紙で三十余年連れ添った夫と別れる決意と共に、ドナウの河の流れに沿ってヨーロッパの国々を旅したいと伝えていた。絹子は娘の説得にも応じずドナウの終点。黒海まで行くと言い張る。絹子の若い愛人・長瀬の旅の目的に不安を感じた麻沙子は、2人に同行することにした。
さまざな人たちとの出会い、そして別れ。母と娘それぞれの年齢を超えた愛と、国籍を越えた愛の物語
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やっと手に入れて、読み終えました『ドナウの旅人』。
なんだか長い時間をかけて読みすぎたのか、読み終わった感想は そうない。
ラストを知りたくって、先を急ぎすぎたか?
しかし、これが私が宮本輝を読み始めた最初の本。
宮本輝を甘っちょろい恋愛を描く作家だと勘違いしていました。ごめんなさい。
『ドナウの旅人』を読み始めて、その勘違いに思いっきり気付きましたから。
ちょっと表っ側がきれいな感じがするのですが、『異国の窓から』を読んだら、宮本輝がとっても身近に感じるのです。
なんだか、作家も普通かも。と。
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私と宮本輝とが出会い、以来彼の文体を好きにさせてくれた出会いの本。
娘に「ドナウを旅したい」という手紙を娘に残し、夫を捨て恋人・長瀬の死に場所を探すために突如飛び出します。
ヨーロッパの東西を横切るドナウ川を沿って母の旅は始まります。紀行の色が多少強い気がしますが、ドナウ河の力強さに、私は逆にいつか自分もドナウを旅したいと強く思いました。そして宮本輝のキラキラとした文章にも魅せられます。
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母絹子の成長(?)ぶりに感嘆。そして思いもよらぬ?ラスト。人生は長さだけで価値が決まるのではないかもな、と思わされる。でもやっぱり元気に長生きしたいけれど。
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電車で読んでて降りる駅を2つも過ぎてしまった想い出アリ。それくらい夢中になった。年を取ってからもう一度読みたい。
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絹子・麻沙子の母子に、なんとなく自分の境遇や性格を重ねて読んだ。最後は悲しかったけれど、スリナの風景が一枚の絵のように心に残った。
関係ないけど、何度でも読み返そうと思っていたのに、レストランでかばんの中にカクテルをぶちまけてヨレヨレになった文庫本…
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ラストが圧巻。
宮本輝の作品はいくつか読んだけれど、いつも完全終らず、主人公の前には未来が拓けているか、ずっと続くだろう人生の一部分を切り取った形の作品が多い気がする。そこにいつも物足りなさを感じたりしてたけれど、この作品はそれを感じなかった。あまりに衝撃的で。
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上下続きの長編。情景描写は美しいけど、心理描写はスリリング。内容はいまいち理解し難いけど。読んだのがちょうどドイツに憧れてた時期だったから過大評価してる気がする。
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宮本輝の小説はハッピーエンドは少ないが未来に残るかすかな希望を感じさせるものが多い。娘と母親、その婚約者と愛人。悲しくも切ない物語
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宮本輝の長編小説。大学時代にこれを読んで、フランス留学中には、実際にドナウにそってハンガリーまで足をのばしてみたほどはまってしまった。
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上下2巻。夫を捨て、ドナウに沿って旅すると言って飛び出した妻と、それを追いかける娘のそれぞれの恋。大人の話だー。
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確か姉に借りた。
ドナウ川に沿って西ドイツからルーマニアまで旅をする。
風景を想像するのが楽しかった。
また読んでみたい本。