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投稿者:金柑露 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜこんなにもばななさんの言葉はスッと心に入るのか、本当に不思議。
読み終わってもう一度読みたくなる本だった。どの文章もその情景が浮かんでくるし、必ず読んでいて胸を締め付けられるような場面があって涙がこみ上げてくる。若い頃だったら死についてなど深く考えなかったかもしれない。歳を重ねてから読んで、親しい人の死や遺された人のことを思ったり、これからのことを考えたり、思い出したり(お盆も近いし)余計に心に沁み入ったのか。小夜子さんを見守る周りの人たちの話もよかった。
文庫版のあとがきに京都を舞台にした訳が書かれていたが、私が幼い頃から感じていた京都の日中間と夕闇から夜にかけての空気感についての思いがまるで同じで、おまけがついていたかの様にうれしく思いました。
文庫版で厚みもいつもより薄いのに、中身が濃くて、ばななワールドの言葉に魅了されます。
生きるのがつらいときに読むと心が軽くなる本です。
2024/03/03 11:24
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投稿者:感謝 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者あとがきには「軽く書いているように見えるかもしれませんが、この本は東日本大震災への鎮魂の本です」というようなことが書いてあって、とても納得できた。
だって、この世をどうやったら軽く生きていけるかというテーマの本だったから。
どんなに辛い理不尽な状況でも(自分はお腹に鉄の棒が刺さって死の淵をさまよい、隣で運転していた恋人は永遠に喪われる)、人生は続いていき、いつか終わる。
外見をすっかり変えた主人公。中身は変わりないようだが、あの世と少し繋がれるようになって生きている。
自殺してもいいし、しなくて生きてもいい。悲しんでもいいし、悲しまなくてもいい。自分が生まれてきた事に意味はあるかもしれないし、そんなものはないかもしれない。
笑顔こぼれる幽霊
2022/08/03 12:27
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
予期せぬ交通事故に巻き込まれた小夜子が、迷い込んでいく世界は深く美しいです。可愛がっていた愛犬から懐かしいお爺ちゃんまでと、冥土巡りも幻想的でした。
みんな悲しいほどにいろんなことを背負って生きている。
2019/01/27 10:56
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投稿者:キティ - この投稿者のレビュー一覧を見る
死を身近に感じたときに読みたい本。
「背負ったことのある人」は細かく美しく動くから、背負ってしまってよかったと思う、というところがすごく好きです。
「悲しみを背負う」ことを、こんなに綺麗に表現するなんて。
よしもとばななさんの言葉は本当にすっと心に入ってきます。
私も細かく美しく動いていたい。
心の深いところに響く、音楽みたいな本。
2020/09/05 12:23
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投稿者:梨桜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
静かなジャズを耳にする心持ちで、読むほどに落ち着いていった。
そぅっと生きる、お腹の声を聴く、という箇所が今回は響いた。
著者の作品は何回読んでも気になる場所と、響くのが変わる場所があって、自身の定点観測になっている。
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ゆっくりゆっくり読みました。
これからの人生、なにか 大変なことが起きたとしても
なんとか生きていけるのかも知れない…という
これ以上ないってくらい漠然とぼんやりしてるけど
確かな安心感みたいなものが、じわじわっときて
きっと大丈夫という穏やかな、心が静まるような気持ちになれました。
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人は、いつ死ぬか分からない。
病気やケガだけじゃなくて、予期せぬ出来事に巻き込まれて、あっけなく命を落としてしまうことだってある。
一年、また一年と年数を重ねていくうちに、生きていることが当たり前になってしまう。
悲しいことに、大切な人がケガをしたり、亡くなってしまったり、命の危うさに触れて、初めて、そうじゃないと気付くことが多いと思う。
でも、この本に出会って、私は、大切な人を一人も失わずに、生きていることの尊さを知ることができた。
笑うこと、泣くこと、怒ること、誰かの傍にいられるということ。そして、その人とたくさんの幸せを分かち合えるということ。
生きることは、それだけで、素晴らしく、素敵なこと。
だからこそ、肩肘張らずに生きていこう。
人生と、大切な人達と、これから出会う人たちと一緒に未来を創っていけることに、感謝しながら、自分のペースで、自分らしく、生きていきたい。
そう思った小説でした。
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他の作品は結構好きでよんでいたけど、今回初めて反感しか覚えない文章があって読みたくないと思った。
背負っているものがあることが美しい、
って何なのだろう?っていうのが1番に。
でも、あとがきで(確か他の作品のあとがきにもあった)、自分の作品で救われる人に向けて書く、
とあって、それでいいよなぁ、と思えてしまう。
いつかまた時間をおいて読んでみたい。
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事故で死にかけた女性の話。
恋人が亡くなるのと 自分が死ぬのは
どっちがいいんだろうか。
周りの人に恵まれて
再生していくのは人間ならでは。
震災後に書かれたらしいですが
事故天災じゃなくても
死は生活のすぐそばにあるもんだと
わかってなきゃいけないんだろうな。
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人は、突然、どんなことに巻き込まれて死ぬことになるのかはわからない。今日は元気でも明日かもしれない。命の長さ、そして、いつ尽きるかわからない人生を自分はどのようにふるまうのか。スピリチュアルの要素がいつになく濃いなあと思っていたら、震災後に書かれた話とあとがきに書かれていて納得しました。
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相変わらずのよしもとばなな。
あり得ないことをふんわり書いていて、あぁなんかわかる、そんな感じあるよなぁ、と私に思わせてくれる文章。彼女が書く世界の中には嫌な人はいなくて、癖はあるけどみんな愛されてる。普通だったらそんな人が身近にいたら鼻についたりなんだりするだろうけど、そんなところすらも愛しく思えるように書いてあって、だから彼女の文章は優しいのだと思う。
恋人と共に事故にあったけど彼は死んで彼女は生き残った。大切なものを失っても生きていくことってなんだろう。
【人はひとつだけ与えられた容れ物に対してほんとうに傲慢だ。】
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いやーやられた。薄い本だったから軽く読むつもりでしたが参りました。
文を追うたびに自分の感情が抑えられなくなる本です。
別れたあの日から生と死の堺目がハッキリしてる事を思い知らされるのに
なぜだか時を重ねるごとに亡き人がすごく身近に感じたりしませんか。
ああ、もう会えないと悲しんだり、ふいに思い出せば心穏やかになったり・・・。
そうやってあの世とこの世を交信させながら素晴らしき日常を送る訳なのですね。
なんかね、世界中の知ってる人も知らない人も、いや、もうそんな枠じゃなくている人もいない人も笑っていて欲しい。そう強く思う本です。
バッグにいつも入れときたい本が増えちゃったなあ―(^_^;)
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あんまりチカラ入れ過ぎもよくないんだな~~~って、泣きたくなる。ばななさんのお話しにはいつも救われる。
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パラパラめくった時、まぶい、っていう単語が目に入って手にとった本。
生きてるのと死んだのと、一瞬でも両方味わったから?こそ優しく自分らしく正直に生きれるのなら…なんて一瞬変な考えをしてしまった。(笑)
さらっと数時間で読めるお話でした。
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「今を生きる」今ここにあることを感謝する。私も事故に遭ったから、その感覚は痛いほどわかる。震災を受けて書かれた本だとか。オカルト感はいなめないけど、わたしは彼女の本はやっぱり好きです。