19世紀のアメリカ詩人、ホイットマンの自由闊達な、元気溢れる作品です!
2020/05/11 10:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、19世紀に活躍したアメリカの詩人、随筆家、ヒューマニストであったウォルター・ホイットマンの表した19編を収録した作品集です。彼は、超越主義から写実主義への過渡期を代表する人物の一人で、作品には両方の様相が取り込まれています。アメリカ文学において最も影響力の大きい作家の一人でもあり、しばしば「自由詩の父」と呼ばれています。同書の表題作にもなっている「おれにはアメリカの歌声が聞こえる」は、ホイットマン自身が、アメリカの自由を謳う街のざわめきをそのまま伝えようとしたのかと思われるほど、元気な表現に満ち、おおらかで自由です。少しわいせつな表現も見られますが、19世紀の当時は、それほど批判もなかったようです。このホイットマンの自由で、快活な作品を、ぜひ、味わってみてください。
アメリカを謳ったホイットマンの詩集
2010/01/28 20:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
知らず知らずのうちにアメリカ文学に引き寄せられていく。
いつのまにか、本棚には、多くのアメリカ文学の本が詰まっている。
それは、あるいは、僕が日本に生まれ、日本で生きているからかもしれない。
本書の帯には、「本当のアメリカはこの詩篇のなかに生きている!」と書かれている。
本書は、ホイットマンの『草の葉』という詩集の抄訳である。
本書を読んで、さらに岩波文庫の『草の葉』の全訳に進むのもいいかもしれない。
本書は、価格も低めで、それでいて生きた詩を読めるのだから、お買い得だ、と思う。
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去年英語文学の授業で取り上げられていたのを思い出し、挑戦。
タイトル通りマッチョな言葉の連続かと思いきや、時折とても繊細な詩にめぐり合う。
おそらく、作者は本当は心優しきガキ大将、ジャイアンのような人柄だったのだろう。
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生に対して肯定的で大声で読みたくなるような詩集。
自己主張が強すぎるし楽観的すぎるかもしれないけれど好きだ。
特に好きなのは、恋人を植物にたとえて思い出すところ。
すがすがしくて色っぽい。
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草の葉は壮大なものなので、抄訳ですが、
それでもその世界観を存分に味わえるはずです。
100年以上前、
いまよりも自由ではなかった時代に
このような力強い詩を書いている人がいた、
ということに驚かされました。
おれには~という言葉でつづられる
あつい言葉たち。
それは、今読んでも衰えるものではないです。
少しわいせつな表現(同性愛賛同)がありますが
今ではそれもあまり感じないです。
本当に美しい詩でした。
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【本の内容】
[ 目次 ]
自己なるものをおれは歌う
おれにはアメリカの歌声が聴こえる
おれ自身の歌(抄)
おれは電熱の肉体を歌う(抄)
おれはルイジアナで一本の樫の木が生えているのを見た
オープンロードの歌(抄)
揺れやまぬゆりかごから
鷹の睦みあい
農家の図
ランナー
浅瀬をわたる騎兵隊
灰色にかすむ払暁の野営の光景
リラの花が先ごろ戸口に咲いて(抄)
おお船長!わが船長!
ふらりと出歩く子がいた
結局、わたしは
インドへの道(抄)
音も立てずじっとしている一匹の蜘蛛
さらば、わがうちなる空想の人よ!
Leaves of Grass(英文原典)
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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なぜ彼は詩のみならず文学の、文化の、そしてアメリカの「父」と呼ばれるのか。
答えは彼自身が教えてくれる。その奔放な「言葉」によって。
“Divine am I inside and out, and I make holy whatever I touch or am touch’d from,”
“This head more than churches, bibkes, and all the creeds…”
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ホイットマンの詩をずっと読みたいと思っていて、テストがとりあえず今週は終わったということでカフェで読んだ。ホイットマンと自分の考えが似ているところがすごくあって、とても嬉しかった。自由な気風、「さぁ!」とか「だ!」という独特なリズムにとても親しみを感じる。今度は是非、酒本雅之氏の草の葉を読みたい 2016.1.22
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なんとなく、なんとなくだけどニーチェのツァラトゥストラを思い出した。翻訳のべらぼう口調からくるものはかなりあると思うけど、精神よりも肉体を、歴史よりも現在を、伝統よりも命を重んじる思想はニーチェと通じるでしょう。ホイットマンの詩作のうちで取り上げられているものはかなり限られており、さらに全体のうちの半分は英語原詩。文学は学問よりも芸術、その中で小説には幅があるけども、詩と比べると理性的だろう。詩は情感的なだけに、意味と響きのバランスが重要だろう。そういうことを考えると、翻訳はナンセンスな気がする。事実読みながら理性がぐるぐる巡った。違うよな、と思いながらも、原詩をそのまま味わえないアイロニー。
17.5.15
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自由の中にある規則性がある程度わかりやすく,情景が見えやすい。アメリカは何をもって独立したのか,本書の自由なスタイルから読み取れる気もする。
抄訳+原文という形式は,ホイットマンに入門するにはちょうど良いだろう。