紙の本
みんな悩んで大きくなった?
2018/05/03 08:55
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
既成道徳に対する否認と近代性の批判を通して、位階秩序の喪失に伴う人間の畜群化というキリスト教的民主主義に反対する立場を表明した書。
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権力が横暴を極め、富裕層はひたすら自らの富を蓄積することだけを求めているような時代。ルサンチマンではなく、もっと強靭な個の思想を持つことが求められているような時代だからこそ、ニーチェは読み直されなければならないと、内なる声が教える。
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哲学そのものがキリスト教の伝統にいかに制約されているか、独断論に終始しているかを示し、新しい哲学の営みの道を拓く試み
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近代、特に西洋形而上学の伝統を根本的批判的に捉え直したいと思った時、ニーチェはいかに評価するかはともかく必ず通らなければならない道だと思う。西洋形而上学の形式としての体系に対する断章形式、高貴さの称揚… 近代に対して巨大なアンチを突きつけるニーチェの思考は、理性を超越した領域において、魂を揺さぶってくる。
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これほど多くの気づきを与えてくれる書物は、自分的に「功利的理性批判」以来だ。凄まじい洞察力。徹底したアウトサイダー。いろんな本でニーチェ像を読んできたが、それらが全て陳腐な感想文に思えるほどの衝撃を受けた。そして、陳腐な感想文を自分も書きたい衝動に駆られている。書きたくなってしまう魔力がある、この本には。困ったもんだ。。
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哲学と呼ばれ、研究され、
学ばれている思想は、多種多様にあり、
どこかを一掬いしたから理解出来るものではないとは思う。
噛み砕かれても言葉になってないニーチェの「ー」の部分を
想像し考える事は、難しかった。
難しいというよりも、
分かっているのかどうかも怪しいのだけども。
でも、その中にも納得し、理解出来ることもあり、
そうやって学んでいくのかなあ。
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読書会の課題本として読みました。この言葉にシビレました。この本に載っていたんですね。「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」アフォリズムという独特の形式で記述されています。一読した限りでは、あまりよくわからないところが多いですね。時間をおいて、何度か読み直す必要のある本のようです。現時点では、とりあえず星三つ。
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ツァラトゥストラがまったく理解されなかったために、分かりやすく書いたのがこの本らしい。
が、ツァラトゥストラのほうがまだ分かりやすいというへんな本。
今何のことを言っているのか、というのが具体的にイメージできないと読み進めるのがきつい。
でも夜中に勢いで書いたような文章は個人的には好き。
さらにこれを解説・展開したのが道徳の系譜学だそうで。それを読みきったら理解できると期待して読みます。
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道徳者への批判はまさに自分のことを言われているようであった。
いかなる価値に立てばいいのか分からず、自らを懐疑しきれていない自分には常に道徳批判を突き付け続けなければいけない。相手に合わせ続けるという選択肢もあるのだろうが、それでも自分が自分の主人であるための術は考えていきたい。
ツァラトゥストラなりキェルケゴールなりに進む。
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ニーチェの好んだアフォリズム形式。
短い断章ほど、ことばが力強い。
印象に残ったことば。
「高き人間を作るのは、高き感覚の強度ではなく、持続である。」
「男の成熟、それは子供の頃に遊びのうちで示した真剣さを取り戻したということだ。」
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力強いアフォリズムは断片的には心に響くが、何を訴えかけているのかは、ほとんどつかみきれなかった。真理は女性であるとしたためか、女性に対して辛辣な発言も少なくない。
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久しぶりに知的興奮をありありと感じた。
「真理」をあらかじめ設定した上で語り始めることの欺瞞。
すでに決まっている判断基準によって物事を分類する事への嫌悪。
「善悪の彼岸」へいくには、この世の中はだいぶ窮屈だ。
われわれは、「独立不羈な者」にならなくてはならない。
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卓見の連続。箴言が秀逸。
全ての言葉にマークをしたくなってしまう。
アフォリズムの妙が随所に光る。
誰に何を言われようと真実を語らんとする彼の気概を感じざるを得ない。きっとこの辺りに彼の魅力があるのだろうな。
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非真理とは生の条件であるのに、その真理を追究しよう時点で哲学とは善悪の彼岸に立つ行為なのだ、と言うところから本書は出発する。哲学だったり宗教によって導き出された“真理”に固執した人々は深淵に取り込まれるか、家畜のような生き方を引き受けることになる。家畜のようになった人々は絶対的指導者を欲し深淵に取り込まれた人は落ちた世界で聖者とならざるを得ないかもしれない。ヨーロッパ史を考慮すると、頷かざるを得ない示唆に富んでいた。あと、PPはこの本の解釈するための物語だったのでは?!ってくらい理解を助けられた。
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ニーチェは初読。新訳かつ、原文では自明であろうが訳すと何を指しているかわかりにくくなる箇所は本文中で補足されているので読みやすい。用語や人物の注は巻末にまとめて。もう少し解説が欲しいところもあったが、1冊の文庫にまとめるのであればこれくらいが限度か。
序盤はニーチェの姿勢をわかっていなかった為、本音なのか皮肉で言っているのか掴めないまま読み進めたが、アフォリズムという断章を積み重ねる形式で記述されているが故、個々の内容の意を汲むのはそれ程難しくはなかった。ただ後書きにあるように断章間を紡いで真意を読み取ることまでできたかは甚だ怪しい。
上辺のみの理解で感想を語ることになるが、選民的貴族主義的な傾向はその後訪れる20世紀を知る者からすれば危うく感じる。それでも畜群道徳(本文中ではこの訳としては出てこない)に関するくだりは、21世紀の今も余りに低次な同調圧力として残存していることを思いださせて身にしみる。キリスト教批判、デカルト、カントらの哲学をも独断論的と評したことは当時どれほどの衝撃だったのだろう