とても読みやすい
2015/09/12 15:12
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投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る
言いたいことをはっきりと言っているため、哲学初心者でも容易に読める。ツァラトゥストラや道徳の系譜も読みたくなる。
ニーチェによる伝統的な道徳性を排し進むということを説いた哲学書です!
2020/05/10 11:01
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドイツ連邦・プロイセン王国出身の哲学者であり、古典文献学者でもあった実存主義の代表的な思想家の一人として知られるフリードリヒ・ニーチェによって1886年に発表された作品です。同書では、過去の哲学者たちが道徳性について考察する時に、批判的感覚が欠けていた疑いがあることと、とりわけキリスト教の諸前提を盲目的に受け入れていたことを厳しく非難しています。その代表的な対象はカント、ルターであり、伝統的な道徳性を排し進むという意味で、「善悪を超えた(=善悪の彼岸にある)」領域へと進むという意味なのです。伝統的な道徳性を破壊的な批判に晒し、その時に彼が支持するのは、感覚主義やモラリズムであり、近代的個人の危険な状態等と衝突することを恐れない積極的なアプローチと自らみなすものであると説かれています。また、他方でビゼーやスタンダールを称賛してもいます。ぜひ、この機会にニーチェによる同書を読んでみてください。
みんな悩んで大きくなった?
2018/05/03 08:55
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
既成道徳に対する否認と近代性の批判を通して、位階秩序の喪失に伴う人間の畜群化というキリスト教的民主主義に反対する立場を表明した書。
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権力が横暴を極め、富裕層はひたすら自らの富を蓄積することだけを求めているような時代。ルサンチマンではなく、もっと強靭な個の思想を持つことが求められているような時代だからこそ、ニーチェは読み直されなければならないと、内なる声が教える。
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哲学そのものがキリスト教の伝統にいかに制約されているか、独断論に終始しているかを示し、新しい哲学の営みの道を拓く試み
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近代、特に西洋形而上学の伝統を根本的批判的に捉え直したいと思った時、ニーチェはいかに評価するかはともかく必ず通らなければならない道だと思う。西洋形而上学の形式としての体系に対する断章形式、高貴さの称揚… 近代に対して巨大なアンチを突きつけるニーチェの思考は、理性を超越した領域において、魂を揺さぶってくる。
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これほど多くの気づきを与えてくれる書物は、自分的に「功利的理性批判」以来だ。凄まじい洞察力。徹底したアウトサイダー。いろんな本でニーチェ像を読んできたが、それらが全て陳腐な感想文に思えるほどの衝撃を受けた。そして、陳腐な感想文を自分も書きたい衝動に駆られている。書きたくなってしまう魔力がある、この本には。困ったもんだ。。
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哲学と呼ばれ、研究され、
学ばれている思想は、多種多様にあり、
どこかを一掬いしたから理解出来るものではないとは思う。
噛み砕かれても言葉になってないニーチェの「ー」の部分を
想像し考える事は、難しかった。
難しいというよりも、
分かっているのかどうかも怪しいのだけども。
でも、その中にも納得し、理解出来ることもあり、
そうやって学んでいくのかなあ。
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読書会の課題本として読みました。この言葉にシビレました。この本に載っていたんですね。「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」アフォリズムという独特の形式で記述されています。一読した限りでは、あまりよくわからないところが多いですね。時間をおいて、何度か読み直す必要のある本のようです。現時点では、とりあえず星三つ。
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ツァラトゥストラがまったく理解されなかったために、分かりやすく書いたのがこの本らしい。
が、ツァラトゥストラのほうがまだ分かりやすいというへんな本。
今何のことを言っているのか、というのが具体的にイメージできないと読み進めるのがきつい。
でも夜中に勢いで書いたような文章は個人的には好き。
さらにこれを解説・展開したのが道徳の系譜学だそうで。それを読みきったら理解できると期待して読みます。
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道徳者への批判はまさに自分のことを言われているようであった。
いかなる価値に立てばいいのか分からず、自らを懐疑しきれていない自分には常に道徳批判を突き付け続けなければいけない。相手に合わせ続けるという選択肢もあるのだろうが、それでも自分が自分の主人であるための術は考えていきたい。
ツァラトゥストラなりキェルケゴールなりに進む。
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ニーチェの好んだアフォリズム形式。
短い断章ほど、ことばが力強い。
印象に残ったことば。
「高き人間を作るのは、高き感覚の強度ではなく、持続である。」
「男の成熟、それは子供の頃に遊びのうちで示した真剣さを取り戻したということだ。」
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力強いアフォリズムは断片的には心に響くが、何を訴えかけているのかは、ほとんどつかみきれなかった。真理は女性であるとしたためか、女性に対して辛辣な発言も少なくない。
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久しぶりに知的興奮をありありと感じた。
「真理」をあらかじめ設定した上で語り始めることの欺瞞。
すでに決まっている判断基準によって物事を分類する事への嫌悪。
「善悪の彼岸」へいくには、この世の中はだいぶ窮屈だ。
われわれは、「独立不羈な者」にならなくてはならない。
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卓見の連続。箴言が秀逸。
全ての言葉にマークをしたくなってしまう。
アフォリズムの妙が随所に光る。
誰に何を言われようと真実を語らんとする彼の気概を感じざるを得ない。きっとこの辺りに彼の魅力があるのだろうな。