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紙の本
本当は見てはいけないモノ。
2003/06/24 12:02
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2055年、MRIとう捜査方法が初めて採用される。
MRIとは、死亡した人物の脳に残された視覚の記憶を再生すること。その人物が、どういう想いで何を見ていたのかが分かるというもの。死の直前に犯人を見ていれば重要な手がかりになるし、犯人の脳を見ることで犯罪の全てが分かるのだ。
一見、画期的な捜査方法のように思える。
けれど、死者の脳を見ること=プライベートを暴くこと。
トイレも風呂も寝室も、全てを捜査官によって暴れてしまう。
知らない方が幸せだということはよくある。
けれど、人は知りたいという欲求に勝てないことが多い。
それがつまり真相へとつながることにもなるのだが、往々にして知らなくてもよいことまで分かってしまう。
全て真実ではあるのだが。
全てを知ることは、本当に必要なのだろうか。
知りたいという欲求のためだけに、他人のプライベートを暴くことは、そんなに大切なことなのだろうか。
本当は見なくてもいい、いや見てはいけないものなのだと思う。
この作品には、知らなくていいことまで分かってしまう哀しさを違った形で現した2話が収められている。
知ってしまったら、その記憶を消すことはできない。
どう折り合いをつけて今後その“真実”と付きあっていくのか。
続きが楽しみでもあり、辛い気もする。
紙の本
何が正しくて何が間違っているのか?
2004/12/26 00:40
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:伊佐治祝 - この投稿者のレビュー一覧を見る
死んだ人間の脳が持つ記憶を探り、犯罪を解決する糸口を見付ける━━それが科学警察法医第九研究室…通称『第九』の役割。『第九』に配属された青木は、その捜査方法に戸惑いを覚える。
その頃、巷では少年の連続自殺が相次いでいた。手がかりを辿っていくと、そこにはひとりの連続殺人犯の姿が浮かび上がり…。
[『秘密(トップ・シークレット)2001』より]
『第九』の責任者である薪室長と新人・青木の関係、薪室長と死んだ同僚・鈴木のこと、そして、薪室長に対する連続殺人犯の執着…。何が正しくて何が間違っているのか、事件の確信に迫るにつれ段々分からなくなっていく。
薬物中毒者などが犯罪を犯す心理状態というものが、この作品にはしっかり描かれている。ノンフィクション━━連続殺人犯を追ったものや元検屍官の手記、プロファイリングものなど━━を読んでいた時に感じた不安を、この作品からも感じてしまった。
真っ当な精神を持った青木はきっと今後も事件に相対する度、悩んでいくのだろう。だが、彼ならきっと不安に押しつぶされたりはしない。青木の存在は、この作品の『良心』であり『希望』なのだから。
それにしても、『死人に口なし』という言葉が使えなくなってしまいますね、死んだ人間の脳を覗く機械が本当に出来上がったら…。
紙の本
あなたの脳(記憶)が人目に曝される
2002/06/22 00:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:椿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
・米大統領が殺害された。いったい誰が大統領を殺したのか。
2055年、人類は人の脳からその人の記憶の再現に成功しており、当局は、大統領の記憶の再生を始める。
それは、その人(大統領)だけの「秘密」が明かされることをも意味しており…。
・2060年日本。皇室の結婚パレードの日。自殺を始める少年たち。彼らには、ある時まで同じ少年院にいたという共通点があった。
科学警察研究所「法医第九研究室」は、死んだ少年たちの脳の映像より捜査を始める。
脳と記憶、思い出を扱った作品。
実際にこういうことが出来る日が来るのかは不明だけれど、人によって、物の見え方は違う。ということを改めて再認識した作品。
自分の記憶が、自分の死後、他者に見られるということ。
思い出が、自分だけのものではなくなるということ。
または、異常な犯罪者の記憶。
犯罪の解明に使われるという利点と、それだけではすまない様々な現実が、描かれている。
電子書籍
SFサスペンス
2024/05/04 10:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
2055年ごろを舞台に死者が生前見たものを映像で再現できるようになった時代の事件捜査を描く。末尾の作者のあとがき?にも共感でき、興味深かった。
電子書籍
秘密
2023/11/05 16:04
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりのひよこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著しく損傷していない脳の記録映像を取り出して、犯罪解決に向かう。
もぅ、死人に口無しじゃなくなるね!でも、想像した映像って、どうなるんだろう?想像も映像化?
プライバシー以上の問題ですね
電子書籍
彼の目に世界はどう映ったか
2019/01/11 14:47
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投稿者:おだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
清水先生の漫画では、以前「輝夜姫」を読んで、ファンタジーとSFが混じった壮大すぎる世界観と、シリアスとギャグ、百合とBLが次々に入り混じるストーリー運びになかなか頭が切り替わらず、やや置いてけぼりにされた感があったのですが、「秘密」の方はリアルよりの近未来SF的な世界設定で非常に入りやすかったです。グロテスクな描写が苦手な人は無理だと思いますが、個人的には面白くて一気に読みました。続きが楽しみです。
電子書籍
秘密
2018/07/13 20:26
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投稿者:とりのひよこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳
特に、人間の脳と言うものは、不思議ですね。
記憶って、何だろう。
筋肉と違って、鍛えるって..
事件。特に、被疑者死亡や簡単に嘘をつく人間が犯した罪がこんな風に暴かれたら...
怖いようで、ワクワクのストーリーですね。
電子書籍
もしかしたら近未来に実現するのかも
2016/09/26 15:10
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投稿者:ぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品を読んで、まあ!感心しました。近未来にはそんな技術も完成しているかもしれないな…って。しかし記憶は記憶であって、実際に見たままのものであるとは限らない…みたいな設定もなるほどねー、とついため息。
電子書籍
壮大な近未来ミステリ
2016/08/13 02:05
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投稿者:aya - この投稿者のレビュー一覧を見る
死人の脳から、死の直前5日間の「視界」を読みだして、犯罪調査に用いるという近未来ミステリ作品。設定が素晴らしく良い。
電子書籍
秘密は秘密のままが良い。
2016/08/06 22:27
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投稿者:みけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画やドラマで書かれたことは、何十年かすれば現実社会で実現可能になると言ったのは、天下の電通の営業部長だったが、エレベーターやエスカレーターに乗っていると、日々現実味を帯びてくる。
この作品はよく出来ていると思うし、社会学者、法律家として思うところが多々あるけれども、一つのお話として理解し、楽しんでみればと考える。
現実化した時までに、私は法律家として、社会学者として回答出来ればと思っています。
紙の本
「秘密」が秘密でなくなる時
2002/02/08 23:26
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投稿者:文京太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「秘密」が「秘密」でなくなる時、人はどうすればいいのか。人は秘密を話したい生き物ではある。だがそれは、(無意識にせよ)知られても良いと判断した秘密。けして知られてはならない、と思う本当の意味での「秘密」は、知るすべがない、はずだった。
清水玲子は本書で、脳の持つ記憶を見ることによって、秘密が秘密ではなくなってしまった未来を描く。作品は脳(記憶)をキーワードとするが故にグロテスクであり、同時に何よりも神聖なものとなる。それは内容だけではなく、清水玲子の画が脳や臓器や血液を描きながら、けして血なまぐさくならずどこか作り物めいた印象を与えるのにも似ている。
人は「秘密」が漏れることを恐れる。秘密が秘密でなくなってしまってもなお。だがそれでもやはり、人は秘密を話したい生き物であるらしい。脳の記憶による、告白。それはけしてうそをつけないという意味で、どんな告白よりも真実である。