全体の構成、ひとつひとつのお話のストーリー。文句なしに楽しい岡田淳ワールド。
2009/02/15 22:15
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投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「フングリコングリ」。なんて変わった言葉! それもそのはず、それは、ある指遊びをカズマに教えたお父さんが、その遊びの名前を聞かれて、とっさに作った名前だったから。この指遊びから、とんでもないことが始まるのが、ひとつめのお話。
この本は、放課後に図工室にやってきた小さな生き物たちに、図工の先生がお話を聞かせるという構成になっていて、全部で6つの物語が入っている。全部、学校で起こった不思議なお話。生き物たちと先生が話した瞬間から、異世界への扉が少し開かれ、物語の始まり始まり…となるのだ。
作者の岡田淳は、本当に小学校の図工の先生だから、学校の中を描くのはお手の物。そして、どのお話も、学校を舞台にしていながら、あっという間に、異世界がふっと立ち現れる。その不思議さ、楽しさ!もしかしたら、こんなことなんだかありそうなんて、思わせてくれるのが、岡田淳の巧みさである。
シジミチョウに、聞かせた話が「フングリコングリ」で、金魚に話したのが「むぎゅるっぱらぴれ、ふぎゅるっぴん」、てんとうむしには「かっくんのカックン」。その他「壷に願いを」、「フルーツ・バスケット」、「なんの話」の6つの物語。子どもたちのいつもの遊びから、空に浮かんだり、透明人間になったり、人助けになったり、願いがかなったり、人と入れ替わったりと、どれも、こんなことがあったらいいな、をかなえてくれるお話なのだ。しかも、上質なユーモアに包まれていて、にっこりと幸せな気持ちにさせてくれる。なにより、登場する子どもたちが、頭も身体も使って、生き生きとしているのがいい。
ひとつひとつのストーリー、題名の付け方、全体のつなぎ方まで、サービス精神いっぱいで、岡田淳ワールドが楽しめる。
子ども向けと侮るなかれ
2024/07/23 10:45
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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
図工の先生が図工室にやってきた虫達にお話をするという体をとった、学校で起こった不思議な話の短編集。
「かっくんのカックン」「フルーツバスケット」「なんの話」が好きです。
かっくんの友人よっちゃんが、かっくんのその特技?を活かすためにどんな職業に就けばいいか、難しい顔をして考えている様子がなにかユーモラスで可笑しい。
フルーツバスケットはクラスメイト達の心が違う体に一瞬入れ替わり、その身体の持ち主が何を考えていたか分かるというもの。
始まりはヒヤヒヤしたが、最後に謝りあうのが良かった。
「なんの話」は主人公がどこか自虐的なのが面白い。本当に小学生??と思う。
「なんの話」の冒頭で
「でも、どうせ本当の話じゃないんだろう」というトカゲに
「面白いと思ったら、そこにきみにとってのほんとうが生まれるんだよ」
と答えるシーンが良かった。
最近面白い物語を読んでも、どこか一歩引いて「ここはこういう展開にしない方が良かったのに」などとイマイチ物語にのめり込めない自分を残念に思っていたので、そこを突かれた気持ちになりました。
ごちゃごちゃ考えてしまうけど、面白いと感じたならそれでいいか!
想像力の組み立て
2017/01/05 09:54
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校の図工室から思わぬ冒険が始まるところがよかった。6編の短編それぞれに、今の時代子供が求めていることを感じた。
ヘンテコリンな響きがもたらすおもしろさ。
2016/01/13 15:05
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
図工の先生が、チョウや金魚、アマガエルといった、人間でない生き物と会話し、子どもたちの変わった出来事を語るというチャーミングな設定。
空に浮かび上がっていったり、透明になったり、と不思議でとんでもないことが盛り込まれているお話だが、それを支えているのがタイトルにもあるようなネーミングのおもしろさ。「フングリコングリ」もそうだが、「むぎゅるっぱらぴれ、ふぎゅるっぴん」も相当だ。人の気をそそるのがうまい作者の言葉のセンスが光る。
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岡田さんの作品は実によいです。
ちょっと不思議でほんわかします。
小学1年の甥っ子にプレゼントしよかと思いました。
ちょっと難しいかしら?まあええか。
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読む本がなかったから手に取った児童書だったんですけど
おもしろーい!
図工室の放課後にやってくる動物たちにお話を聞かせる図工の先生
その先生の話すお話がなんともいえず素敵で!
小学校の頃こんな楽しいことがあったらなーとか思いながら読んじゃいました
フングリコングリって案外難しい
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岡田さんブームが来たので。
1年生から始まって・・・それぞれの学校の出来事が魅力的すぎるっ!こういうの読むと、学校って楽しいなって思える。
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ぼくは小学校で図工の先生をしている。で、おはなしをするのが大好きなんだ。最初のおはなしは、『フングリコングリ』。これを読めば、君もぜったい“フングリコングリ”したくなるよ! 次のおはなしは『むぎゅるっぱらぴれ、ふぎゅるっぴん』 ほら、読みたくなってきた?
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フングリコングリってなんだ!?とずっと気になっていた本。
手遊びの「フングリコングリ」をすると、どんどん天にのぼっていってしまうお話や、「かっくんのカックン」など、おもしろいお話がつまった短編集。子どものころの遊びを思い出してなつかしい。
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小学校で図工の先生をしている「ぼく」が、図工室を訪れるお客たちに語って聞かせる物語。
「フングリコングリ」「むぎゅるっぱらぴれ、ふぎゅるっぴん」「かっくんのカックン」「壺に願いを」「フルーツ・バスケット」「なんの話」の6話。
岡田さんの作品大好き(´∀`)
『選ばなかった冒険』みたいながっつりファンタジーも良いですが、こういうSF(すこしふしぎ)な話も岡田さんらしいと思う。
1~6年生の子どもたちの奇妙な体験。
指遊びをしていたら体が宙に浮き上がったり、黒板に書いた呪文を唱えて透明人間になったり、膝カックンに特別な力があることを発見したり。どれも素朴なお話。
その素朴さの中に、途方もない夢を感じた。
指遊びとか膝カックンとか、大人になるとそういう遊び自体あまりやらないし、ましてや宙に浮くなんて「ありえない」と切り捨ててしまう。
でも、小さい頃の私にとって、指遊びで宙に浮くことは「もしかしたら起こるかもしれない」ことだったわけで。
単純なものの先に、でっかい可能性があった。
この本を読んでいると、そうした小さい頃の感覚が戻って来て、懐かしいような、目の前が開けたような気持ちになる。
「むぎゅるっぱらぴれ、ふぎゅるっぴん」なんて、タイトル見ただけでうれしくなっちゃう。
透明になった子どもたちが、素っ裸で運動場を走り回る。そして足の裏に触れる土や、体中をなでる風の感触を感じる…。
なんて奔放で、開放的で、自由なんだろうと思った。
時折、ハッとさせられる言葉も出てくる。
昔話の登場人物に「あなたはどんな話のどんな役をしているのか」と訊かれる等。
本書の読者対象は小学生だけれど、私だってこの質問に上手く答えられる自信はない。
(その点、教頭先生の答えは素晴らしい)
「ほんとうのことじゃない話を、おもしろいと思ったとき、ほんとうのことがそこにうまれるんだ。」
「ぼく」がヤモリに言った台詞。この言葉が、本書を一番的確に表しているんじゃないかと思う。
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小学校を舞台に、放課後の図工室をおとずれた小さな訪問者に語られたふしぎで楽しいホラ話が6編。はじめのおはなしの主人公は1年生、次のお話は2年生、最後は六年生のお話で、小学生ならだれでも身近に感じられ、そうだったら楽しいなあ、と思いそうなものばかり。
2年生の長女もおもしろがって一気に読了。たかどのほうこの幼年童話にも似た味わい、気にいるだろうと思ったとおりの反応。
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おもしろい!
これはいいお話ばかり^^
親指と人差し指を交差してく手遊びフングリコングリで体が浮かんじゃう話が楽しすぎる
これはやってみたい
魔法の呪文で透明人間になる話も超おもしろい
ひざカックンでみんな笑顔になる話もすごいし
遅刻の理由がおもしろすぎる壷に願いをもすごい
心が一瞬入れ替わって友だちの考えがわかるフルーツバスケットもおもしろい
図書室からキャラクターたちが抜け出した話もおもしろい
「自分は自分の人生の主役で、他の人生の脇役もやってる」
なるほど!
おもしろい話ばかりでした。
すごいな〜
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図工の先生が図工室で仕事をしていると、ちいさなお客さんがやってきてお話を聞きたがります。びっくりするような展開のお話が6話入っています。23年度の読書感想文推薦図書でしたか?そして、光村の国語の教科書の「本は友達」にもでていたかな?です。
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図工室を訪れるふしぎなお客たち。皆お話を聞くのが好き。図工の先生はそんな彼らに学校の不思議なお話をする。
「ねえ、ひま?」という声に戸をあけると、はいってきたのはネコだった。ヒトの気持ちはわからないね。そんな大人びたことを言うネコに先生はヒトがヒトの気持ちをわかっちゃう話を話し始めた。題名は『フルーツ・バスケット』。
ほのぼの面白い。なんていうか、総てにおいて良くできています。フルーツ・バスケットも膝カックンも懐かしい遊びで、大人が読むとノスタルジックな気持ちになります。膝カックンのお話なんて読んだことなかったです。子どもが読むと、知らなかったあそびをやってみようという気持ちになるかもしれない。
先生に会いにくるお客さん、それは虫だったりは虫類だったり。彼らもとっても可愛いです。「でも…。」ってすぐ言っちゃうヤモリがね、可愛いすぎる!ファンタジーとリアル系の境目みたいなお話です。
そしてジワリと沁み込むいい言葉がたくさんあります。岡田淳さんにハズレなしですね。
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『放課後の時間割』が面白かったので、期待して読んだけど、それほどでもなかった。
悪くはないけど、これを初めて読んだら、岡田淳をもっと読みたいとは思わないだろう。
まあ時間が空いてたら読んでもいい、くらいの本。