ほぼテロリストの正体を特定したにも拘らず、確実性を重視して泳がせようとする007と、上部や他機関との騙し合いなどに、スパイ組織の複雑さ、組織と個人との矛盾などが良く表現されています。
2016/12/13 10:31
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
スパイの世界とは身内ですら疑い、場合によっては騙さなければならない世界であることを良く表現しています。但し、007のそれは無関係な人間の命を失わせないためであり、基本的には平和主義者であるという点では全シリーズ共通してますね。本作でも、ほぼテロリストの正体を特定したにも拘らず、確実性を重視して泳がせようとする007と、上部や他機関との騙し合いなどに、スパイ組織の複雑さ、組織と個人との矛盾などが良く表現されています。本作でも、結局テロリスト達を泳がせておき、より多くの情報を蓄積した結果、裏に隠れていたより大きな陰謀に辿り着くという構成になっていました。このジェフリー・ディーヴァーという作家ですが、情景描写などが実に巧みですが、私のような理系的頭の人にはちょっと苦手かも。もっと直球勝負でズバズバと活劇調での展開の方が嬉しいです。
冒頭からテロ防止のために出動した007は、そのまま重大テロ捜査に投入される。上司や周囲を巧みに翻弄しながらテロリストの懐に忍び込みその計画全貌を探っていく。数千人規模のテロが計画されていることまでは掴むが、何時・何処で・どういう方法でが分からないまま下巻へと。
さすがディーヴァー
2015/08/25 06:21
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投稿者:ぽんぽこ仮面 - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰とは言いませんが他の作家が引き継いで書いたボンド小説が、読み終わった後に何も残らないのに対して、さすがディーヴァーさん、読み応えずっしりでそれなりに余韻も残ります。両親に関するエピソードはひょっとして映画「スペクター」に・・・?
007のタイトルに惹かれて購入
2015/05/03 07:39
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投稿者:らった - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通り、上下巻の衝動買いでしたが、それなりには楽しめました。
007の原作は詠んだことがなく映画しか見てませんので、それとの比較(?)になりますが、雰囲気は出ていると思います。ダニエル・クレイグよりピアース・ブロスナンに近い印象を持ちました。
アクションシーンはそれほど派手ではなく、ストーリー自体も深いものではありませんが、「007」ブランドで何割か増しの評価です。
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投稿者:ツンドク - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがディーヴァーそれなりに面白かったが、007は映画の方がいい。ディーヴァーはリンカーン・ライムの方がいい。
007白紙委任状 上
2014/12/31 00:17
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投稿者:FUKY - この投稿者のレビュー一覧を見る
イワン。フレミングと比較してしまうと、矢張り物足りないので点数が辛くなる!!
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投稿者:江戸川コナン - この投稿者のレビュー一覧を見る
007ファンで、ジェフリーディーバーの本ははじめてで、楽しみだった。
だが、読みにく過ぎて、断念しました。
場面転換がおかしいのか、情景描写がうすいのか
誰がどこで何をしているのか理解しづらい。
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【あのディーヴァーが放つ、まったく新たな007の冒険!】世界最高のヒーローに世界最高のサスペンス作家が挑む。9・11後の世界でジェームズ・ボンドが殺戮を阻止すべく世界を駆ける。
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ジェフリー・ディーヴァーとジェームズ・ボンド、夢のタッグマッチ。
セルビアの機関車アクションで滑り出しは上々。
007のお約束を守りながらディーヴァーならではのどんでん返しをどう見せてくれるかが楽しみなところ。
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あのジェフリー・ディーヴァーが007ってだけでワクワクして文庫化を待っていたのだが、どうも乗りきれないまま、上巻が終了。
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リンカーン・ライムシリーズのディーヴァーによる、007
いやあ、想像以上に面白かった。
でもって、流石ディーヴァー。どんでん返しをこうもってきたかと、感嘆しました。
ある意味、007はテンプレートであり、ステレオであり、一つのベクトルなのだと思う。
それらから、逸脱することなくディーヴァーらしさを出しながら面白くする、ってどれだけの難題なんだと思うけれど、端々から楽しく書いてる感じがうかがわれて、それも面白くしている要因のように感じた。
うん。ある種の束縛というかくくりは、面白くする要因なのか?
そういや、パスティーシュって面白いものが多いし、音楽でも変奏曲は多い。
にしても、最後の最後にとんでもなく今日的な事をもってきて、それのリアリティに恐怖したのである。
実際、世界は燃え上がろうとしているのかもしれない。
少なくとも、たとえ虚構の世界の話だとしても、燃え上がる要因はすでにできあがっているのだと知ること、気づくことが炎上を阻止するささやかな力なのかもしれない。
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1801 冒頭から映画みたいな展開。さすがジェームズボンド!!ついついダニエルクレイグで脳内置換してます。
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アメリカの作家「ジェフリー・ディーヴァー」の冒険スパイ小説『007 白紙委任状(原題:Carte Blanche)』を読みました。
『007/カジノ・ロワイヤル』、『007/赤い刺青の男―ジェイムズ・ボンド・シリーズ』、『007/ハイタイム・トゥ・キル』に続き「007」シリーズ作品です。
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あの「ディーヴァー」が放つ、まったく新たな「007」の冒険!
世界最高のヒーローに世界最高のサスペンス作家が挑む。9・11後の世界で「ジェームズ・ボンド」が殺戮を阻止すべく世界を駆ける。
〈上〉
“金曜夜の計画を確認。当日の死傷者は数千に上る見込み”。
イギリスへの大規模テロ計画の存在が察知された。
金曜までの6日で計画を阻止せよ―指令を受けた男の名は「ジェームズ・ボンド」、暗号名「007」。
攻撃計画の鍵を握る謎の男を追って彼はセルビアへ飛ぶ。
世界最高のヒーローを世界最高のサスペンス作家が描く話題の大作。
〈下〉
イギリスへのテロ攻撃の鍵を握るのは、“アイリッシュマン”と呼ばれる謎の男。
精緻な計画と臨機応変の才で知られるその男は、「ボンド」の手を逃れ続ける。
ロンドン、ドバイ、南アフリカ―ボンドが決死の追撃を続ける一方、テロ実行の金曜日は着々と迫る。
巧妙に擬装されたテロ計画の全貌を「ボンド」は暴けるのか?
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2011年(平成23年)発表の冒険スパイ小説「007」シリーズ作品… 「ジェフリー・ディーヴァー」による「007」シリーズ唯一の作品です。
■まえがき
■日曜日 美しく紅きドナウ
■月曜日 世界で一番リッチなくず屋
■火曜日 砂漠の死
■水曜日 キリング・フィールド
■木曜日 失踪通り
■金曜日 ゲヘナに下るとき
■用語解説
■謝辞
■解説 吉野仁
本書の「ジェームズ・ボンド」は、年齢は三十代で、身長は183cm、体重は78kgの恵まれた体格… と、年齢や姿は1960年代に活躍した設定のままで、舞台を半世紀後の2010年代に置き換えた物語となっています、、、
東西冷戦や宇宙開発競争ではなく、テロが国家の脅威となっていたり、国外での活躍の場がセルビアやアラブ首長国連邦、南アフリカという国々になっていたり、廃棄物処理やリサイクルを専門とする怪しげな会社が出てきたり、パソコンやスマホを使いこなしたりするところ等に、時代が変わったことを感じさせますが… 美食やクルマや銃に拘るところや、最新型の秘密兵器、ラヴロマンス、美女の裏切り等、「007」シリーズのアイデンティティをしっかりと引き継いでいる部分が物語の軸になっているので、意外と違和感なく読めましたね。
物語は、まずセルビア共和国から始まります… ある日曜日、首都ベオグラードからセルビア第二の都市ノヴィサドへ向かう鉄道列車がドナウ川を渡ろうとしており、丘の頂から身を伏せつつ、その光景を見つめていたのが「ジェームズ・ボンド」だった、、、
「ボンド」がセルビアにやってきたのは、ある大規模なテロ計画を阻止するためだった… 英国政府通信本部が手に入れた情��によると、二十日の金曜夜、数千人の死傷者が見込まれるテロ計画が進んでいるという。
それを英国諜報部はインシデント20と名付けた… 詳細は不明ながら、敵は〈ノア〉という名で、その打ち合わせがノヴィサド郊外のレストランで行われるらしい、、、
こうした情報をもとに「ボンド」がセルビアまで派遣されたのだが、レストランに現れた謎の男「アイリッシュマン」を捕まえることはできなかった… イギリスに戻った「ボンド」は、国内での調査を進めたのち、ドバイ、ケープタウンと移動、謎の敵の正体をつきとめようと奮闘する。
果たしてテロ計画は阻止できるのか… 序盤から「ボンド」と「アイリッシュマン」の闘いを中心に派手な活劇が展開されます、、、
ロンドンに戻ってからの、長官「M」や秘書の「マニーペニー」、上司の「ビル・タナー」、CIAの「フェリックス・ライター」といったお馴染みの「ボンド」ファミリー登場は、なんだか嬉しくて、安心できる展開… ケープタウンでの南アフリカ警察犯罪対策捜査課の女性警部「ベッカ・ジョルダーン」や国際飢餓対策機構代表「フェリシティ・ウィリング」との出会いとロマンス等も「007」シリーズらしい展開でしたね。
そして、グリーンウェイ・インターナショナル社長「セヴェラン・ハイト」と、殺し屋「アイリッシュマン(本名:ナイアル・ダン)」のコンビとの騙し合いと派手なアクション、そして、事件は解決か… と思われたあと、忘れかけていた〈ノア〉と呼ばれるテロ首謀者の正体が判明、、、
アクションだけでなく、意外性のある展開が隠されていて、終盤は興奮しつつ一気に物語世界へと引きこまれました… そして、事件の解決とは別に、「ボンド」自身にまつわる意外な真実に迫るエピソードも愉しめる展開になっていました。
彼が十一歳のときにシャモニーの上のルージュ峰の登山事故で死亡したとされていたスコットランド人の父「アンドリュー・ボンド」とスイス人の母「モニク・ドラクロワ」の知られざる秘密が明かされるんですよね… 色んなアイデアが織り込んであり愉しめましたね、、、
でも、ちょっと難を言えば、上下巻で700ページ近いボリュームがあり、中だるみ感があったことかな… もう少しテンポ良く、スピード感のある展開だったら、もっと面白かったんじゃないかな。
以下、主な登場人物です。
「ジェームズ・ボンド」
英国秘密機関《海外開発グループ(ODG)》のエージェント
O課00セクション所属 暗号名007
「M」
ODG長官 提督
「ビル・タナー」
ODG幕僚主任 対インシデント20作戦を指揮
「マネーペニー」
Mの副官 退役海軍大尉
「フェリー・メイデンストーン」
MI6の情報アナリスト ODGとの連絡調整係官
「サヌ・ヒラーニ」
ODGのQ課課長
「パーシー・オズボーン=スミス」
秘密期間《D3》作戦実行部上級副部長
「セヴェラン・ハイト」
グリーンウェイ・インターナショナル社長
「ジェシカ・バーンズ」
グリーンウェイ・インターナショナルの宣伝顧問
「ナイアル・ダン」
殺し屋 暗号名「アイリッシュマン」
「フェリックス・ライター」
CIA上級エージェント
「ベッカ・ジョルダーン」
南アフリカ警察犯罪対策捜査課警部
「クワレニ・ンコシ」
南アフリカ警察犯罪対策捜査課巡査長
「グレゴリー・ラム」
MI6南アフリカ潜入工作員
「フェリシティ・ウィリング」
国際飢餓対策機構代表
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リンカーン・ライムシリーズの著者が描く新しい007の物語。
今回のミッションは、1週間後に行われる、数千の死傷者を出す謎の計画の阻止。情報は“ノア”と名乗る人物?と、“アイルランド訛りの英語を話す男、アイリッシュマン”。
現代のジェームズ・ボンドは、インターネットやメールも使う一方、(伝統の)カーチェイスやガンアクションもソツなくこなします。
サクサクと読みやすく、良い意味でポンポン話が進むので、肩肘張らずに読めます。
イアン・フレミング版は未読で、父親と一緒にテレビで映画を何本か見た程度の知識です。
ショーン・コネリーでもなくダニエル・クレイグでもなく、ロジャー・ムーアをイメージしてしまいます(笑)