紙の本
良く工夫された好著
2004/10/03 01:42
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投稿者:雑用の天才 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一度でも英語で論文を書いた人なら、自分の英語がなんとジャパニーズ・イングリッシュなのかと嘆いたことがあるはずだ。文法やスペリングは間違いがない、論文に良くある表現も幾つか覚えて使っては見た。それでもやはり違うのである。本書はその秘密を、豊富な事例と、綿密な構成で解き明かしている。英語論文を書くための手引き書は実に多い。その中で、何故日本人の英語が英語らしくないのかについて、正面から取り組んだものはこの本以外にあるだろうか。本書はその目的を十分に達していると思うし、手に取りやすい新書の中に、実に豊富な内容が盛り込まれた力作といえるだろう。学生さんにはまだこの本の恩恵は多くはない。何度か英語論文を書いている研究者にこそ是非お勧めしたい好著である。
紙の本
英語で論文を書かれる方にはお勧めの一冊です。これで誤用が防げます!
2020/02/02 17:22
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、幅広い理系の知識をわかりやすく教示してくれると好評の「ブルーバックス」シリーズの一冊で、同巻は「理系のための英語論文執筆ガイド」というタイトルの書です。理系を専門にする方々は、専門研究分野には強いのですが、それを英語で発表するとなると、途端に尻込みされる方も多いと聞きます。そこで、理系の方々のために、同書では、英語論文攻略の20のポイントを分かり易く教えてくれるガイドブックです。例えば、誤解を生む言葉遣いや結論部を曖昧にしてしまう表現といった論文の質を落としてしまいかねない、いわゆる「誤用」をどうのように防いだらよいのかを丁寧に教えてくれます。ぜひ、英語で論文などを書かれる初心者の方にはお勧めです。
紙の本
時制をはじめ,さまざまな英語らしい論文表現についての本
2011/09/20 18:51
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投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語の論文を書くとき,構成と表現の両方が課題になるが,この本は基本的に後者だけをあつかっている. さまざまな英語らしい表現が紹介されている. ある程度,論文を書く経験をかさねたひとが,もう一度みなおすときに読むのに適しているだろう. 何度書いても時制をどうするべきかはまようが,それについてもおよその解がしめされている. 表現についても構成との関係で注意するべき点があるとおもうが,それはほかの本で知る必要があるだろう.
電子書籍
内容は5点、電子版は使い勝手で-2点
2018/10/22 08:01
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投稿者:あられ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2000年ごろに出版された「英語本」の中でも優れた本の一冊です。基本的に英語で書かれたものを読むことに支障がなく、自分でも書かねばならないという人向けです。
「理系のための」と銘打ってある通り、理系の学術論文を書くような人が対象で、例文・単語も本格的に「理系」ですが、文系でも読めば読んだだけ勉強になるでしょう(「例文が理系向けなだけの英語参考書」と位置づけられます)。
「日本語の例題」、「誤訳の提示と解説」、「正しい英訳」という形式で構成されていて、文の組み立て方もどの単語を選ぶべきかということについても解説が行き届いているので、理系の方にはとても実践的な本です。
同様の指南本は英語圏にもあるのですが、日本語を母語とする立場での注意点をこんなに丁寧に解説してくれている本は洋書にはありません(このような理由から、「英語を英語で習う」のがいいと言い切ることはできません)。
というわけで、内容は5点なのですが、電子版は使い勝手が悪すぎるので-2点です。
本書の電子書籍は、紙版をただスキャンしただけです。「文字を拡大することができない」だけでなく、本文の検索もできません。気になったところにハイライトをつけてメモ(コメント)を書くということもできません。
ただめくって読むことしかできないのなら、自由自在に書き込んだり、マーカーでハイライトしたり、フセンを立てたりすることができる紙の本のほうが、ずっと使いやすいです。この状態の電子書籍を買うくらいなら、紙の本を買うほうがずっとよいです。
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英語論文を書くときに,日本語を用意してから英語に訳していくという手順で論文を書く人向けの書籍です。内容は「○○は□□とする」という説明が多く,ガイドというよりも一問一答集のような印象を受けました。そのためか,本書はブルーバックスのわりには分厚く,英語を学ぶ人にとっては情報量が多すぎると思います。一度軽く目を通しておいて,論文を書いているときに手に届く場所に置いてリファレンスとして利用すると良いと思います。
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英語の論文を書いたことがある人なら、思い当たる節がある事が多い。
「~と思われる」をmay, mightなどで表現した
「~と考えられる」にit is considered thatあるいはit is thought thatの構文を用いた
「~に関しては」という文頭にas to, concerningを文頭に持ってきた
名刺を単数形にするか複数形にするかで悩んだ
を紹介している。この4つはずばり思い当たります。
また、
provide A with B
examine A for B
involve
require
make - possible
など、使うとそれらしい構文の紹介がある。
これは、かなり強力な助けになる。
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商品説明
英語を書くのは難しい。一般のビジネスにおいてもそうだが、特に表現の正確さが要求される科学技術の世界ではなおさらだ。本書は英語論文を書きはじめたばかりの技術者や理系学生が、誤りのない英語らしい文章を書くためのノウハウをまとめたものだ。おもに日本語と英語の表現の違いにスポットを当て、どの技術分野にも共通して適用できるライティング・テクニックを20のポイントに分類して紹介している。
日本の英語学習者に共通の弱点である「冠詞」、日本語にない「隠れた主語」、「単数か複数か」といったベーシックな課題から、「数学表現」や「科学論文を書くときの注意点」など技術系ならではのテーマにまで及ぶ。たとえば、「隠れた主語を探せ」で取り上げられるのは、「この理論では、物質の挙動を説明することができない」という例題。これを英訳する場合、大半の人は“One cannot explain…”と始めてしまうだろう。しかし、これでは英語らしい文とはいえない。発想を切り替えて「この理論」を主語とし、“This theory cannot explain the behavior of matter.”とすれば、ネイティブにも読みやすい英文になるとアドバイスする。
ほかにもこんな例がある。「専用の電話回線は、データを56kbpsで送ることができる」。「専用の」に当たる形容詞を辞書で探すと、exclusive、private、personalなどが候補としてあがってくるが、この場合にはどれもしっくりこない。ここは“dedicated telephone lines”と表現すべきなのだが、dedicatedをこのように使う例がどういうわけかほとんどの辞書に載っていないという。
本書は全編にわたって、「日本語の例題」、「誤訳の提示と解説」、「正しい英訳」という演習形式のスタイルで構成されている。通読するだけでも得るところは多いだろうが、できるなら例題を自分で英訳して、解説を読みながら自己添削してみたい。英語のライティングを実体験することで、さらに大きな効果が期待できるはずだ。(成重 寿)
内容紹介
ビギナーに贈る英語論文攻略20のポイント。誤解を生む言葉遣い、結論部を曖昧にする表現など、論文の質を落とす「誤用」をどう防ぐか? 科学技術英語のエキスパートが、要点を絞って伝授するコツとヒント。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。(ブルーバックス・2002年3月刊) ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
内容(「BOOK」データベースより)
苦労に苦労を重ねてやっとつかんだ「結論」を発表するのに、It is concluded that…とやってしまうと、意味が違ってしまう。「~に関して」を、Concerning…と書くのも間違い。深く考えずに書いてしまう英文が、あなたの論文を読みづらくし、価値を低くしている!日本人がつい間違えてしまう20のポイントを、ネイティブとの発想の違いを解明しながら徹底解説。論文のみならず、英文を書くすべての人に役立つ実践的ガイド。
著者について
■原田豊太郎(はらだとよたろう)
1941年、台北市生まれ。東京大学工学部卒業。大手繊維メーカーで数年間研究に携わった後、理工系出版社で技術雑誌や工学書の編集を担当。84年に独立し、工業材料関係の英文ニューズレター等を発行、以来科学技術英語関係の仕事に携わる。技術英語の活用辞典等を数冊執筆しており、主な著書に、『例文詳解 技術英語のキー構文・キーワード活用辞典』『例文詳解 技術英語の同義語活用辞典』(いずれも日刊工業新聞社)などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
原田豊太郎
1941年、台北市生まれ。東京大学工学部卒業。大手繊維メーカーで数年間研究に携わった後、理工系出版社で技術雑誌や工学書の編集を担当。84年に独立し、工業材料関係の英文ニューズレター等を発行、以来科学技術英語関係の仕事に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
目次
英語の名詞には3種類あると心得よ
名詞の「意味」を決めるのは冠詞である
一筋縄ではいかない冠詞のケーススタディ
隠れた主語を探せ! 単数か複数か、それが問題だ
「~と考えられる」と「~と思われる」―論文の評価を左右する重要表現
意識して能動態で書こう!
現在完了形か過去形かは、書き手の意識が決定する
動詞を使いこなせ!
他動詞を使いこなし、英語らしい表現に
表現を豊かにするためには関係代名詞を活用せよ
否定表現の勘どころ―何をどう否定したいか
仮定法で表現に幅をもたせよ
数学表現に習熟せよ the bothかboth theか?―悩む語順を考える
「予想より高い」をどう表現するか―比較表現のキーワード
英文にしにくい構文の攻略法
辞書で見つけにくい表現に強くなる
意味や用法の微妙なずれに注意せよ
科学論文を書くときの一般的な注意点
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2003年頃に入手。この本に出合わなければ、英語論文執筆はもとより、感想と意見、事実と予見などの区別が出来るようになれなかったと思う。日本語と英語を行き来すれば、論理性が高まることを実感した。論文の読み方と書き方そのものを根幹から変えてくれた名著。
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http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000194325