映画も見てみたい
2024/02/01 10:58
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
てんやわんやというのは、「大勢の人が秩序なく動き回り、ごった返すこと。また、そのさま」のことをいう、わたしも意味だけは知っていたが「てんやわんやの大騒ぎ」なんていう言葉はしばらく耳にしない、新聞にこの話が連載されていた当時(昭和23年から24年)ごろは流行語のなっていたという、そういえば獅子てんや・瀬戸わんやという漫才師もいた、よく考えたらこの名前、著者と小説の舞台とタイトルから付けたのだろうと想像できる。映画化もされていたようで、主人公の犬丸が佐野周二(関口宏の実父)、花輪兵子が 淡島千景、鬼塚玄三が志村喬というなるほどのメンバー、そしてこういったドタバタ劇は松竹なのだ。小説の内容は獅子文六氏の作品ということで面白くないわけがない、「自由学校」(既読)、「やっさもっさ」と並んで敗戦小説三部作というのだという
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投稿者:東行 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんな本かとまったく想像がつかない状況で購入。題名にひかれたのですが、一気に読破いたしました。古い内容でしたが、非常に楽しめました。
気弱な主人公頑張る
2015/09/30 22:42
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投稿者:ところ点 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争直後の混乱さなかの東京と、四国の片田舎で、妙な人々との交流を描くドタバタ談。自分の意志がなかなか示せない気弱な主人公の心の内がうまく語られているが、話の内容はやや古さが感じられる。より現代的でスピード感のある面白さという点では、特急列車内のドタバタ談を描く「七時間半」のほうが上か。
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投稿者:暴れ熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『悦ちゃん』『胡椒息子』がとても良かったので、さらにと思って買ってみた。この二つの作品ほど心には響かなかった。が、戦後のどさくさはよく描かれていると思った。
作中に、「私」の心を揺り動かす花兵とアヤメという対照的な二人の女性が登場する。花兵は戦後の女性を、アヤメは日本の土俗的、というか戦前の伝統的?な女性を、それぞれ象徴しているように思えた。
子供ではなく、大人を描いた作品である。作中の「私」の気持ちはとてもよく分かる気がした。
「私」がこの後どうなったのか、とても知りたいと思った。
★三つとなったが、これはあくまで上述の二作品との比較すれば、ということである。
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戦後の有名な小説。映画になったようで。
南予というか田舎の戦後の風習と東京との違いは
興味深かったですが、内容としては
そんなに面白いとは思いませんでした。
井上ひさし氏と同じような文体。内容。
主人公の描き方だと思いました。
井上ひさし氏がこの著者に似ているということかと
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終戦間もない日本、生活の基盤を失って確たる目標も持てずにいる男が遭遇する珍事件の数々。いかにも頼りなさそうな主人公とは対照的に、彼をとりまく人々がみな生き生きとしており、そんな彼らが逞しく世を渡らんとする姿が愉快に描かれる。
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戦後の混乱を題材とした、ドタバタユーモア小説。個性溢れる登場人物が織りなす笑いが繰り広げられている。ただ、面白さとしては、「コーヒーと恋愛」や「7時間半」などの他の獅子文六作品の方が上だと思う。戦後のドタバタを、そのままシニカルな笑いに変えているところはさすがというべきか。
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ずっと読みそびれていた獅子文六さんをようやく読むことができました。
噂通り面白かったです。
主人公の性格がそのまま作品のテンポになっている感じで、この主人公の考えや行動がいちいち面白いのです。クスッとするような面白味というか、「こういう人っているよなぁ、分かる分かる!」という面白味があります。
THE娯楽という感じで本当に楽しく読めました。
主人公とその周りのキャラの濃い人々、舞台が愛媛というとちょっと『坊ちゃん』を思い出します。わざと『坊ちゃん』を思い出させるように書いたのではないかと思いました。『坊ちゃん』のコメディ。真っ直ぐでやんちゃな坊ちゃんに対し、こわがりで逃げ腰で長いものに巻かれて火中の栗は絶対に拾わない犬丸潤吉。『坊ちゃん』も主人公坊ちゃんの性格がそのまま作品となっているし、この作品が新聞小説ということもあって漱石を意識したのかなぁ、なんて思いました。
最後に掲載されている、獅子文六さんが書いた「【付録】てんやわんやの話」を読むと、獅子文六さん自身がとっても面白い人なんだなぁと分かります。目のつけどころや感じ方が多分今でいう芸人さんに近いような気がします。
装幀のイラストも好きです。ゆるっとしていて作品に合っていると思うし、こういう表紙なら若い人も手にとりやすいように感じます。
てんやわんやという言葉はこの本で改めて広まったそうです。びっくり。
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獅子文六の小説3冊目、またしてもダメ男登場。小説の舞台は戦後の日本なのに登場人物は現代にもいそうな人々だから面白いのかな。ダメ男を追いかけ回す花輪兵子の迫力がスゴイ、笑える。映画では淡島千景が演じたんだって。スピード感のあるストーリーに引き込まれ、今、4冊目を読書中です。
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「てんやわんや」。獅子文六さん。1948~1949に連載された小説だそうです。
原爆、終戦が1945年夏。憲法施行が1947年。
獅子文六さん、というのは、徐々に再評価されている人だと思います。
いわゆる、流行作家だったひと。
その当時から、言ってみれば「軽い」のが持ち味で、決して純文学でも重いテーマでもなかった。
この「てんやわんや」も軽いんです。
そして、連載物っぽい。つまり、ラストを考えずに適当に書いているんだろうなあ、という。
主人公の犬丸順吉さん、というのが、まあ恐らく30凸凹のサラリーマン。
上役社長の言いなりになってきて、終戦を迎え。
ホッと一息と思ったら、社長が戦犯になりそうで。つまりまあ、社長はかなり戦前社会で美味しい思いをしてきたわけです。
対岸の火事かと思ったら、「君も戦犯になるよ。逃げたまえ。この書類の包みを持って逃げたまえ。決して見ないように」。というわくわく展開。
この犬丸さん、実は社内の、積極的なパワフルガールとちょっといい感じになっていたんですが、命が大事、と紹介された愛媛宇和島に逃げます。
ここから、愛媛宇和島に舞台を移すや、荒廃した東京とは打って変わって桃源郷。食べ物はあるは、人心は穏やかだわ。
ここンところで戦後直後の都市と田舎の風俗の差を見せながら。
話しはこの地方での、さまざまな風俗や祭りを織り込んでのてんやわんや。
犬丸さんは、辺境山地の娘に恋い焦がれたり、このままではイカンと思い直したり、このままでずっといようと願ったり。
かなりイケてない主人公の右往左往を、あははと笑っているうちに。
件の社長がやってきたり、パワフルガールが社長の愛人になっていたり(そうかと思うとそうではなくて純潔だったり)。
つまりは、面白そうなトコロに向けて、実に節操も無くよろめいていくストーリー。
ところが、そのはざまで煩悩に焼かれてみっともなくてんやわんやを繰り返す主人公には、戦後直後でも、きっと多くの人はこうだったんだろうなあ、という「人間味」が溢れていて、実に飽きない。
最終的には、どうやら伏線を回収しきれないままに勢いで終わった、という匂いが充満するのですが。
それでも、なんだか楽しいからいいや、というのも、これまたある種の完成度。
うーん。噺家で言えば...昔々亭桃太郎...。独特の味わい。志の低さをテクニックの高さと確信犯なアドリブ感。
この軽さ、テキトーさ、なんとも腰砕けな明るさ。
こんな小説が、太宰治や坂口安吾と同時代にのほほんと完成度の高さを醸し出していたことを思うと、なんだか灰色で重苦しく勝手にイメージしていた戦後直後っていうのも、結局はひとの営みでしかなかったんだなあ、という視野が開けてきて、楽しからずや。パチパチ。
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図書館で。
大衆小説って時代が変わると読まれなくなるものとその時代背景を知る上でも読まれ続けるものとに分かれるんだなぁなんてぼんやり思いました。
面白かったけどさすがに敗戦直後の混乱期に右往左往していた主人公に共感するのは難しかったかな。
個人的にはチャカチャカの兵子さんが良い味出してるなぁと思いました。男どもが不甲斐ないからこれからは女性の時代よ!とばかりに戦後しゃしゃり出てきてまあある意味上手い事使われて男性に出し抜かれてしまうという辺り非常にリアル。でもやっぱり男性は隠れ里に住む神秘的なお嬢さんの方が好きなんだな、という辺りも非常にわかりやすい。
田舎の名士ってのも大変だったんだろうなぁ…
ぼっちゃんの大人になってから版、みたいな感じで面白かったです。
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平松洋子によると、獅子文六 敗戦三部作の一つ。主人公 犬丸順吉が、戦後、流されるままに伊予 宇和島近くの相生町に居候して過ごす 1年間を描く。花兵は言うまでもなく、勘左衛門、越智、拙雲といった脇を固める登場人物が誰もかれも個性的で、土地の風俗や食べ物、言語とあいまって独自の小説世界を作り出している。もともと終戦直後の混乱期を描いた小説は好きなのだが、これはそれらの中でも秀逸な部類に入るだろう。獅子文六を平成の世に紹介した平松洋子自身による解説も良い。
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ヒロイン?の花輪兵子がツボ。
「アッハッハッハ」って笑い飛ばす性格が最高だった。
もうちょっと本筋に絡んで欲しかったな。
今まで読んだ文六作品は全て三人称で書かれていたので、一人称がまず新鮮だったし、戦後の町や人々の描写が克明で、なんだか感動してしまった。
本作は四国に疎開していた文六先生が東京に戻って6年ぶりに書いた長編小説で、戦中〜戦後の様々な経験がこの小説に反映されていることを窺わせる。新聞小説だし、娯楽映画として愛された作品かもしれないけれど、歴史的価値のある小説だと思うので、もっとたくさんの人に読まれてほしいな。
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主体性というものを持たず
「先生」のいいなりに利用されてきた男が
戦争の時代を経て、侮辱されていると気づき
呪縛を脱していく話
自我の目覚めというよりも、絶望からくるニヒリズムなんだが
1950年代の日本では、これが大変に売れて映画化もされた
話の舞台となった宇和島市では
作品にちなんだ饅頭が、今も土産物として売られている
「先生」の推薦で、軍の情報局に勤務していた主人公は
戦犯として逮捕されることを恐れ
やはり「先生」の勧めで
惚れた女に心を残しつつも
東京から愛媛県の南予地方へと逃れるのだった
長閑な田舎ぐらしのなかで東京者は珍しがられ
いろいろといい思いをさせてもらううちに
「先生」への反感も育てていく主人公は
やがて四国に根を張ろうと考え始め
地元民の提唱する四国独立運動にも、積極的に参加していくことになる
しかし新たな恋に破れ
新税制のために、居候先の家は傾き
さらには終戦翌年発生した南海地震の大混乱に巻き込まれて
結局は東京への帰還を余儀なくされるわけだ
今風にいえば
戦後文学であると同時に、震災後文学ということにもなるだろう
話の舞台は、大江健三郎の生家に近いので
「森」のサーガと比較してみるのも面白いと思う
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0153
2019/10/19読了
流れ流されまくる男のてんやわんやな話。
話自体はのどかだが、戦後日本の大変だった様子が要所要所で入ってくる。都会と田舎の違いにはびっくり。
社長や花兵がもっと引っ掻き回してくるかと思ったらそうでもなかったなあ。
求心運動の面々が好き。