経済数学を二大理論の頂点から比較的分かり易く解いていくテクニックを教えてくれます!
2020/01/31 09:18
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、各種の知識がわかりやすく理解できると大好評の講談社「ブルーバックス」シリーズの一冊で、同巻は経済数学の入門書です。同書の著者によれば、現代の経済学は物理学に基づく高度な数学を取り入れているため、難しいというイメージをもっておられる人も多いのですが、実は、経済数学の二大理論である「動学的マクロ均衡理論」と「ブラック・ショールズ理論」という2つの理論の頂上部分を直観的に理解することで、今まで難しいとされてきた細々とした数学技法が比較的容易に理解できるようになるということです。同書では、そのテクニックを詳細に一つひとつ解説してくれます。
現代経済学の解説
2016/09/30 22:36
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在の経済学が物理学の思想の影響を受けている点に、非常に興味深いものを感じた。経済学を専攻していない人でも読める。
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理系学生伝説の参考書『物理数学の直観的方法』の著者による、画期的な経済数学の入門書。
現代の経済学は、物理学に基づく高度な数学を取り入れているため、難解なイメージがあります。本書では、理系と文系の中央位置から、双方を視野に入れる独自のアプローチを取っているため、直観的な理解の道を拓くことができます。
経済数学の二大難解理論である「動学的マクロ均衡理論」「ブラック・ショールズ理論」。この2つの理論の頂上部分を直観的に理解することで、今まで難物だった他のこまごまとした数学技法を、ちょうど一番高い2つの山からそれより低い山を見下ろす要領で、精神的に呑んでかかって楽に理解できるようにします。
本書「マクロ経済学編」では、二大難解理論の一方で、経済学の最重要理論である「動学的マクロ均衡理論」を一気に理解することを可能にします。
本書では、専門課程の学生のための本格的な数学的部分を後半部分に集中させることで、前半部分は一般読者でも読めるように工夫されています。そのため経済学部の学生が本書を数学の難所突破の特効薬として使うのはもちろん、一般読者の方々も、本書を数少ないこれらの一般向けの解説書として使うこともできます。
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一応、物理畑の著者による経済数学の入門書とはされているが、初級編から中級編には殆ど数式は出てこない。しかしこの二編だけでもまず中々にアイオープナー。マクロ経済学を重視するイギリス発祥のケインズ経済学を、個人の行動即ちミクロ経済学から演繹してしまおうとするアメリカ経済学界の深遠な野望が、光が常に通過時間を最短とするようにその経路を選ぶというフェルマーの原理に根源を持っていようとは…。数式がちょいちょい出て来る後半を読むのが億劫なら、ここだけでも読む価値はあり。
しかし物理的法則と経済の美しい相似を目の当たりにしたいなら、恐らくは読者のマジョリティを占めるであろう文系(本書ではこの文系理系のバイナリがしつこいくらいに出て来てやや辟易するが)諸氏も、是非高校の参考書を引っ張り出してでも上級編を読むべきだ。「何かが最適化されているなら、そこでは何かが最小化/最大化されているはずだ」とする思考様式に基礎を置く「L:ラグランジュアン」。解析力学で用いられ、数値とその変化量で記述される「オイラーの微分方程式」。文系人には縁遠いこれらの諸概念を介して、個人のミクロ的消費行動からマクロ経済学の重要概念が導き出される様は、まるで魔法を見ているようだ。
なお、この上級編の後に「経済学で知っておくべき微分方程式方程式の基礎知識」なる章が置かれているが、ここは上級編の前に読んでおくべき。オイラーの微分方程式が数値と変化量の間の論理循環を断ち切るツールであることが、この章を読んでからでないと今一つ理解しにくいと思う。この後の数章はやや本論とは関連が薄くなる。
個人的には、自分が経済学に初めて触れた時分は、幾分マクロ経済学優位ながらマクロとミクロを独立して扱っていた記憶があるので、これらの間に演繹/帰納の関係を確立しようとする動きがあるということ自体が新鮮な驚き。「ノーベル経済学賞」などというオリジナルにはない賞をでっち上げてしまうアメリカ経済界の姿と整合的で、思わず納得。
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量子力学に関係する数学が、実は経済の動きにも役立てられていることがよくわかった。日本のように文系と理系をわけてしまうと、理解できない分野が生じてしまうので、今後は考え直した方が良い。前著にも言えたことであるが、文章に癖があるので、内容ではなく表現に引っかかってしまう人が出るのではないかと危惧している。
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学生時代に500番台の修士レベルのマクロ経済学のクラス取って苦しんでたあの頃にこの本を読んでいたらなぁ…ってめっちゃ思う。経済学で使ってる数学の背景に何があるってのを物理学を知ってる人の視点で教えてくれてて、全体通してそうだったのかと唸らされる。
帰納的なケインズ経済学に対し、アメリカの思想としてミクロの集合がマクロにならないことが許せなかったために、ミクロでマクロを制圧しようとして行き着いたのが動的モデルといった説明など、理論や方法の背景にあるものも解説してる。
光の反射とフェルマーの原理が異時点間の均衡に繋がったとか、1つ1つの項目も本当に面白い。
ただ確かにいい本なんだけど、自賛が多くてそこは少し気になる。
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現代経済学の二代難関理論である「動的均衡理論」と(金融工学分野の)「ブラック・ショールズ理論」を一挙に制圧してしまおうという野心的な快作。で、2つを一辺には無理なので(笑)、こちらの「マクロ経済学編」ではまず前者からということになっている。
数学が苦手な私のようなものでも初級編は大丈夫。中級編から少し怪しくなってきて、上級編はただ眺めるだけになってしまった。
しかし、経済学の本を読んだりするとよく出くわす難解概念の基本思想は何となくわかったような気分に……^^;;;
学部生の頃に「経済数学」とか受講して、単位も取ったはずなんだが、計算とかさっぱり忘れ去ってしまっているのが悲しい。
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いいねえ。ハミルトニアンとかラグランジュアンとか凸型とかの概念を軽く知ったかぶりするためには最適!導出とか全然したくないしという私にはぴったり!
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結局何が言いたいのかよく分からない。初級とか中級とか章立てされている。文を推敲した感がない、話していたのを誰かが文に起こしたのかと思える。
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「最適化」の考え方を刷り込まれている理系(特に工学系)の教育を受けた人にとっては、経済システムも同じような数学モデルで記述されるべき、あるいは「はず」と思うのが普通。ただ著者の言うように、いきなり上級経済学の教科書を見ても「?」となるだろうから、この本のようなアンチョコ、あるいは全体の見通しについてのデッサンを示してくれるパンフレットは、とてもありがたいだろう。
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たしかに数学の具体的なところを完全に理解していなくても読み物として読めるが、目から入ってきた情報をその時は理解したつもりでいても、そのまま後頭部から突き抜けていってしまって頭の中に残らないような感覚。
因果関係がループしているので微分積分みたいなテクニックが必要になるというふうに取りあえず理解はしました。
しかし、ラグランジュアンの「式を冗長化した方が使い勝手がいい」とか、もう勘弁してくださといったところ。あまり悩みすぎずに生きていこう。
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経済学はど素人だが、微積分に対するなんとなくのもやもやを払拭したく購入(経済学の直観的方法を読んで著者のファンになり)
「微積分が何のためにこの世に生まれたのか」知ることで、微積分の機能的役割の意味合いが理解できた。今後は、式変形中に微積分が登場した際、何をしたくて微積分が用いられているのか、イメージしながら数式に向き合える気がする。
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https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000194945 ,
http://pathfind.motion.ne.jp/
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知的清涼感がわき上がった。
時間差があるのが経済学特有のところだと思った。
理系と文系の相互で攻めていくところが快感。
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図書館で借りた。
私は合わなかった。40ページくらい読んで、「著者は何が言いたいのか(≒目的、ゴール)」「この本をこのまま読むと何が理解できるのか(≒展開)」が全く見えず、またパラパラめくったら数式がほとんど出て来ない。この理解できない文章がさらに続くと思ったら、本を閉じた。
もしかしたら、「理系を拒んで経済学を学んでみたが、苦しんでいる文系の方」には合うのかもしれない。