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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋で立ち読みして、「我が家にある沢山の本を眺めていると、読みつくすことができずに死を迎えるだろうという気がします。しかし、それでも私は、新しい本を買うという誘惑に勝てません。」という文章が目についた。この人、私と同じ病気だ。いや、私はここまでひどくないけど、と思って、衝動的に買ってしまった。著者のボルヘスは、文学について、とても真摯な心の持ち主だと思う。わかってる、って思わさせられるところがたくさんあった。
ボルヘスだねぇ。
2019/11/01 10:10
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投稿者:雨宮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書への畏怖と愛情。最終的には円環や螺旋に至るという考察。私は博覧強記ではないし、ボルヘスの様には読書量を誇れないけれど、それでもボルヘスの諸作品のこういった特徴については語ることができる。それらの源泉が詩にあることが、この講義録を読めば納得できる。できれば、ボルヘスの小説や詩を読んでから読んでほしい。
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9/10 読了。
「ボルヘス、オラル」と内容的に重なるところが多かった。全編が詩というテーマで統一されているので、ボルヘスを知らない人でも、文学講義を聴く感覚で読めるんじゃないかな。そういう点では「七つの夜」より読みやすい。
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詩を中心とした文学論、という印象。大学の講義録なので語り口が易しく、読みやすかった。後半3章が特に興味深く読めた。
しかし内容が理解しきれたわけではないので、折を見て要再読。
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ボルヘスにとっては言語自体が、その意味の多重性が、翻訳されるごとにその作品の置かれる位置づけが迷宮を構築していくのだなぁ。
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ボルヘスは決して多くのことを述べているわけではないが、示唆に富んだ事柄ばかりを述べるため、豊富に世界が拡大していく。
・生は詩から成る。
・リンゴと口の接触が必要。
・詩は一回限りの経験。
・書物は美の契機。
・詩とは何かを心得ているために定義できない。
・隠喩……人間は断定よりも暗示を信じる。
・数えられるパターンから無限に近い変奏。
・未来においては状況や歴史や詩人の名前や生涯よりも、美そのものに関心が向けられるかもしれない。
・日常的な言葉から、魔術的な源泉を、詩人は呼び出す。
・ストーリーは信じられないがキャラクター(存在そのもの)は信じられる。ドン・キホーテ。ホームズ。
・人間の一生は、自分が何者であるかを悟る一瞬につづめられる。→イエスにキスをするユダ。→裏切り者。
・言葉は共有する記憶を表す記号。→読み手に想像させようと努める。→一種の共同作業。
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『7つの夜』もそうだったのだけど、ボルヘスの講演録は読んでいてものすごく心地良い。それは彼の書物に対する愛情、文化に対する敬意を言葉の端々から感じることができ、博覧強記なその知性が軽やかなステップを踏んで読み手を魅力するからだ。一言で表すならば、それは信愛なる美しさ。物語について、詩についての講演録である本作ではそんなボルヘスの美学が満遍なく語られながら、書物を超えた「言葉」が持つ美しさへとアクセスする。ボルヘスが盲目となりながらも書物へ、そして美しさへの敬意を失わなかった理由に触れることのできる一冊。
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ボルヘスによる詩に関する話。詩に対して共感できることがここにはある。詩のよさ本来の姿といってもいいと思う。ボルヘスが先導役ならきっと詩を書こうと思う人は増えると思うな。そんな気がした。
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[関連リンク]
『詩という仕事について』 ボルヘス epi の十年千冊。/ウェブリブログ: http://epi-w.at.webry.info/201505/article_1.html
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詩論として、しごく面白い。
詩という謎
隠喩
物語り
言葉の調べと翻訳
思考と詩
詩人の信条
目次だけでもワクワクしませんか。
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隠喩にこそ言語の本質があるとでもいうように、その働きを矯めつ眇めつし見極めようとする。また物語の機能の根源には歴史性があるという風に、古典に幾度となく立ち返る。
謎を提示する、と本人の言うとおり、議論は明晰ではあるけれどクリアカットな結論に落とし込むためになされてはおらず、一読して理解した気にはなれなかった。
紹介される英語の詩がどれも素人目にも美しい