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投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済学部の大学院で実はこのレベルまで一応やった。しかしこういうものなんだと思うしかなかった。分かりたければ解析力学やれと言われた。要は教える側もただプロトタイプをこういうもんだとしただけ。んなもんでしかなく、やったけど無理やりでしかなかった。それでマクロ専攻からは遠ざかっただけ。
ミクロ経済学が物理の力学じゃんんかと著者の物理数学の直観的方法を学生時代読んだ記憶がある。そう経済学が物理数学の天下り的な構成でできていることは知っていた。いつのまにか数学やることがまるで経済学理解の道のりだったのだ。
この本はまともに論文レベルが分かるように書いてある、なんでこんなことするんだと、 目的関数の制約条件もどうしてミクロのままじゃないのはなんでだと。自分がまだ数学理解してないからじゃないかと苦悶した。あのときの労苦をおもうと溜息がでる。もっと早く読めたらと思った。
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分なんかよりももっとちゃんと経済活動を行っている人に
役に立ちそうな本。
とはいえ、
どれだけ複雑そうに見えるものでも
マクロな視点からうまく模式化して眺めれば、
単純な構造が見えてくる可能性があるというところは、
とても示唆に富んでいたと思う。
素人(「文系読者」)でもポイントはわかったつもり
2017/10/25 15:06
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投稿者:足目* - この投稿者のレビュー一覧を見る
評判の著者による評判の著書で関心のある確率・統計ときて、初めてこの著者を読んだ。
まず「誤差の本質は2つの部分で構成される」と「この世界の誤差は多段式構造で生まれている」は、内容の指摘が明快であるばかりか、これがポイントであるとの指摘自体とても大切に思えた(著者のいう「文系読者」から見て)。
著者はさり気なく「この問題を単純化するヒントを得ることができる」などとわかりやすく説明を進めてゆく。当然ながら、もう一度複雑な現実にもどらなくてよいのかしらなどなどいろいろ思えてくる。説明が進むにつれて、引っかかりかけたところの説明が出てくるし、「このように思想的に大きく捉えることで,議論は単なる誤差論から脱却して,もっと大きな確率分布の話題へと飛躍する」と話を進める動力としても活用される。 つまり説明が、さらに別の説明で補足……というより拡大・展開し、それが次の説明へとつながる。
世の中には頭の悪い本があって、だからそこんとこ放置して進めるのかね、ということが累積していらいらをつのらせてくれるのとは大違い。
偏差値については思いの外ちゃんとわかっていたのが確認できた。正規分布曲線の両端が極限へ向っているとはまったく気づかずにきたたわけでも、しだいに解きほぐされてゆくのを読み進めてきて、「一般常識として『サンプルをたくさん集めれば,ばらつきが相殺されて0になる』と思っている時,実はその相殺メカニズムは2種類のものから成っていて」に到り、ほとほと感心してしまった。
こう書く程度の者がこれ以上内容に触れることはやめるが、とにかく頭のよい本は気持よく読めるので好きである。読みやすく、しかもどれくらい理解できたかよくわかる(正規分布や中心極限定理がここまでわかるとは思いもしなかった、と感じているところ)。知ったことを自分で使え、他の人に説明できるという理解に関してはまったくこちらの課題だ。
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現代社会を浮き彫りにする経済学。この経済学を表す経済数学は高度に発展してきました。なかでも、マクロ経済学の「動的マクロ均衡理論」と、金融工学の「ブラック・ショールズ理論」は「二大難解理論」として、その頂上をなしています。
この『経済数学の直観的方法』の2冊では、目標をこの「二大難解理論」にしぼっています。これらを直観的に理解してしまえば、そのツートップの頂上から経済数学全体を見渡す格好になり、今までのミクロ経済学などのたくさんの数学的メソッドを、余裕をもって見ることができるという狙いです。
本書では、「確率・統計編」として、現代の金融工学の礎となる「ブラック・ショールズ理論」を身につけます。70点に及ぶ図・グラフを中心に、「正規分布曲線が生まれるメカニズム」「標準偏差、分散の意味」「最小2乗法の基本思想」「中心極限理論の不思議」「確率過程とランダム・ウォーク」「ブラウン運動とブラック・ショールズ理論」「伊藤のレンマと確率微分方程式」「測度とルベーグ積分」など、重要テーマの本質的理解を試み、教養としてのブラック・ショールズ理論を身につけていきます。
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最新の経済学が物理数学と密接につながっていることがよくわかった。まさか変数分離が出てくるとは予想もしなかった。前著よりもこちらの方が読みやすく、意味深い。トレンドとボラティリティを忘れずに。
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最初は良いが、だんだん著者の独特な語り口調が鼻につくようになる。特に文系と理系を分けて述べていくが、著者のこの区別が独りよがりのように響いてくる。わかったようでわからない読後は不思議な気分。
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前作では専門外ながら「動的マクロ均衡理論」の直感的理解が簡単にでき、続編の出版を待望していた。今作を実際に読んでみて、前作同様”直感的”という意味では「ブラック・ショールズ方程式」の背景・内容ともに理解はできたかと思う。その意味では非常に素晴らしく可能ならばシリーズ物として続いていって欲しい。また、本書読了後、さらに詳しく知りたくなり大学教科書を読み始めた。そういう意味で経済をバックグラウンドとして持たない人にとっては専門書との架け橋ともなりうる本なのかなとも感じた。
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先行の「マクロ経済学編」に続く今作のテーマは「正規分布」。前著同様、自然科学に対する西洋科学のスタンスが、経済という人文系分野の現象を理解するメソッドにも適用されているという含意が底流にある。本著では、天体等の自然現象を観察して得られたデータのバラツキを、データそのもの持つ「バイアス」と、ノイジーな「ランダムネス」に分解して理解することがが可能であることが示され、その思想が金融工学で扱われる「ブラック・ショールズの公式」に目に見える形で(数式を見ればそうなっている、ということがわかる形で)取り入れられていることが紹介されている。他の方のレビューにもある通り、本著の方が論点がシンプルで理解しやすい。
数式をほとんど使わない初・中級編、やや数式が頻発する上級編という構成も前著を踏襲。基本的に上級編まで読んだ方がより理解が深まるとは思うが、ブラックショールズを論じる上で必須と思われる「テイラー展開」がほぼ端折られているので、結局上級編を飛ばしても直感的理解にはさほど影響しないかも(テイラー展開をまともに扱われたら私などの手にはとても負えなくなるが)。それでも、相対的なオーダーの大小を大胆に利用してバイアスとランダムネスを切り分ける「伊藤のレンマ」の解説は一読の価値あり。一般に精緻だと思われている数学が、現実世界に適用される場合には意外なほどの寛容さを見せることの驚きを経験できる。
他には、例えば様々な現象の分布状況を足し合わせると、それぞれの分布のバイアス部分が相殺されて純粋な正規分布が残されるという「中心極限定理」が、人間の顔写真を無数に重ね焼きしていくと徐々に平準化され最後には美女・美男子が現れるという話が想起され面白かった。この辺り、前作の「ミクロの集積→マクロ」とも繋がっている気がしなくもない。また「神」が定めて人間が変えられない部分と、人間が扱える部分を峻別するスタイルが、如何にもキリスト教的「西欧」だなあと思った。
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概念を大まかに掴むという発想で書かれており、知識の整理に役に立つ。もう一度、厳密に確率論を学んでみたくなった。
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マクロ編は面白かったので喜んで確率統計編に突入するものの、ちょっと風向きが変わっててあまり楽しめませんでした。統計は大体わかっていたのがいけなかったのかも。それで、そのわかりかたは長沼さんの理解の仕方とはちょっと違っていて、どちらも不正確な例え話なので似ていると余計にちょっと違うんじゃねえの?って感じになっちゃう。まあ、アプローチがそのような本なのでこのような読者が出るのは仕方ないかも。マクロ編と違って著者の個人的な考え方が全面に出ているんだけど、この部分は控えめに言ってまあ読まんでもよいかなという感じでした。ブラック・ショールズの説明とか、ルベーグ積分とか、やっぱ知らないことに対しての説明はすごいよいので、まあ知っているか知らないかによって全く評価がわかれるんだろうなと。
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著者の他の本と同じく、語り口はややくどい。
パスカル三角形や酔歩のイメージは、他の解説書でもよく提示するが、なぜ「自乗が登場するのか?」という問題提起や、それを幾何学と「運動」っぽいイメージで解説するようなところが、物理出身の人ならでは、というところか。
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筆者が理系読者と文系読者を区別し過ぎてる感はあるが、両方を対象と想定していることもあり、内容は分かりやすくて良い。
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すごく良かった。ブラックショールズ理論の概略の理解を目的地にして、確率論の勘どころみたいなものを読み物として教えてくれる。これまで確率論にほとんど興味を持てなかったのだけれど、興味を惹かれるようになった。
学生時代に読んでおけば数学の学び方になったかもしれない。
190404
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統計学を噛み砕いて分かりやすく教えてくれそうな本であってくれ!と思いながら手に取った。
正規分布に関する説明はかなり分かりやすく、今までの本の中で一番しっくりきた。正規分布とは何かというところの理解は統計学を学ぶ上で土台となるので、今後の学習にプラスになったはず。
誤差には2種類ある。
一定方向に現れ、予測しやすいもの=トレンド
左右均等に現れ、神の手によるもの=ボラティリティ
現代はトレンド要素がなくなり、ボラティリティの世界らしい(ITは例外であると思う。ハード面の豊かさかな)。
ボラティリティの世界とは、誤差が左右均等に現れる世界であり、いろんな事象が正規分布に従う。
以前「その数学が戦略を決める」で、絶対計算が優位になっていく世界について知ったが、それもボラティリティの世界であるからこそ。
もう一冊くらい統計の本読んで、必要性を理解したら自然に統計の勉強が捗ると信じている笑
To 統計学は最強の学問である
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話のテーマとしては経済学関連の内容だが、確率統計の基本思想を学べるため、統計学を学ぶ人にとっても有用。
確率統計は何を目的に作られたのか、といった具合に学問が生まれる過程から解説されているのもあり、数式の意味合いが直感的に理解できるようになった。
ひととおり統計学の基礎を学んだ上で、この本を読むことで、より理解が促進されるように思う。