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投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
波琉子は死んだ兄の名前に「子」をつけられ、兄の代わりのように育てられた。いいお母さんと言い続け、お兄ちゃんを常に意識しながら育った。育児放棄の母親失格のお隣さん。やはり育児放棄らしき母親がパチンコ中に死亡させた男児。いいお母さんを実践している知可子は、時々自分が本当にいいお母さんなのか自問自答する。やがて波琉子はとんでもないことに巻き込まれ・・・。
重いテーマで、拭っても拭いきれない家族のしがらみのようにまとわりつく思いが残った。まさきさんの他の作品も読んでみたくなった。
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで数冊読んだまさきとしか作品にも共通しているけれど、登場人物が絶妙に不快で可哀想で関わりたくない人ばかり。でもそこがいい。
自分は母親ではないし、なるつもりもないし、自分が産んだ存在ってどんな感覚かはわからないけど、とにかく母親に負担が多いように思えてしんどそうだなと思った。
物語に関しては、赦し赦されることの難しさ、みたいなものがテーマだったのかなと。
日常の中に潜む呪い
2021/08/01 23:17
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある出来事がきっかけで、
完璧な母という呪いを自らにかけ、
それに巻き込まれた家族がやるせない。
発端になった母親も、隣のヤンキー母も、
完璧には程遠く、でも特殊でもない、
普通にいそうなところが空恐ろしく、
日常の中に潜む呪いは
誰に降りかかるか分からないと思わせる。
いい母親の定義と偏見
2019/07/12 14:53
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投稿者:おこめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自問自答する母親、追い詰められていく母親、、。なぜ事件は起きたのか、その時本当は何があったのか、その後母は子はどうなったのか。点と点がじわじわと繋がっていきます。本当の正解は母親ではなくて子供の心の中にあるのだと思います。
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投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
完璧ってなんでしょうね。
何故か自分も近かったのでは…の考えさせられてしまいました。
周りの助けもなく頑張っていたらこうなってしまうかも。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半のおもしろさに比べると後半の失速感は否めない。もっとラストへの驚きとかが、欲しかったかなと物足りなさが残る。
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完璧な母親の話かと思ったら、完璧になりたい母親に育てられてゆがんでしまった娘の人生、の話だった。
愛情はいきすぎると時に狂気になる。母親が子に与える影響というのは大きすぎて恐ろしい。
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母親って完璧にならなきゃって思いがち。我が子を守らなきゃって意識がよりそうさせるんだと思うんだけど・・・
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歪な心を持っている人はどこか不気味だ。
自分は正しいと信じているから歪んでいることに気づかない。気づこうともしない。
誕生日のたびに死んだ長男の年齢まで言わせ、ケーキには長男が生きていたらなったであろう歳の数だけろうそくを立てる。
妹は母親にとって死んだ長男と自分をつなぐイタコのような存在でしかない。
幼い頃はいい。
母親の言っていることの意味もわからず、ただ言われたことをそのまま信じているだけでいいのだから。
でも、どんなときも母親が見ているのは死んだ長男でしかないとわかってしまったら…。
波琉子は何故自分が生きているのかもわからなくなってしまうだろう。
生きていることに意味がない。
自分でいることに意味がない。
自分単体には存在価値がない。
母親はもちろん許せない。
たとえ途中で間違いに気づいたとしても傷ついた心が元に戻るわけではない。
失った母娘の時間が戻ってくるわけでもない。
でも家族は二人きりではなかったはずだ。
どうして父親は波琉子を守りきれなかったのだろう。
どうして逃げ出してしまったのだろう。
家族という場所は人にとって最後の逃げ場になり得る場所だと思う。
絶対的に自分の味方でいてくれる人がそこにいる。
なのに家族そのものが自分の存在を否定する場所になってしまったとしたら。
波琉子の苦しみは母親が改心したからといって消えるわけもなく、簡単に修復できるような関係でもない。
知可子も秋絵も弱すぎる。
逃げても何も解決しないのに、辛いことから逃げてばかりいる。
人間はそんなにも弱いものだということなのだろうか?
ミステリーというよりも家族をテーマにしたホラー色のある一般小説のように感じた。
やり切れない思いだけが残るけれど物語は一応の決着をみる。
過去を振り返っても何も変わらない。
これからの時間を、未来を見て歩き出さなければならないときが波琉子にも来たのだと信じたい。
暗いテーマだし読んでいてきつい場面もある物語だった。
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幼い男の子を中心に繋がっている話。
とても歪んでいて…弱い人たちだった。
でも、それがとても人間臭かった。
どういう結末を迎えるのだろうか…と、思いながらどんどん読めました。
個人的には、千可子と波琉子が救われればいいと思ってました。
「完璧な母親」って、、母親になった姉と話したことがあって、きっと母になる女性は誰しも頭の片隅に持つキーワードなのだろうと思います。
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歪な母親。
溺死した兄に重ねられ育てられた波琉子。
兄の生まれ変わりと信じている秋絵。
序章で語られていた結末になるのだとわかってはいたけれど、波琉子は一体どういう気持ちで秋絵が落ちていくのを見ていたのか。
波琉子の心理描写が、あまり深く書かれていないような気がして、どうしても感情移入できない場面が多々あった。
敦志と再会した後、すぐに秋絵に会いに行ったのは、過去の自分を吹っ切りたいと思ったからなのかなぁ。
ラストは、自分の中では腑に落ちなかった。
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歪んだ母の愛。その犠牲になる子供。
「…ってお兄ちゃんが言ってた」と付け足さざるを得なかった波琉子に胸がしめつけられる。
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大事な我が子を突然亡くしたら?自分の子と他人の子が同時に危ない目に遭っていたら?いいお母さんて何?親が恐れる事態や悶々とした案件に心が掻き乱され考えさせられる。「自分の子供を守るために仕方なかった」は母親ならではの本音。そこを否定できないある意味物凄く怖い本だった。
育てられる側の悲しみがこもった「母親って自分に都合よく考える生き物だよな」の涼太の言葉も忘れ難い。
真相が分かっても、大切に思うがゆえに誤り愛するがゆえに壊してしまう母親の危ういバランスの愛の上で親子関係は続く。永遠に答えが出ない関係なのだろう。
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完璧な母親を目指そうとする女性が、完璧を貫ききれずに・・・(そりゃムリだ)という話かと思ったらそうではなかった。その母親にがんじがらめにされた娘とか、母親が完璧になろうとするきっかけとなった事故とか、その事故にまつわるもう1組の親子とか。そんな人間関係が過去に縛られいる話だった。親の呪縛から逃れるのは大変というけれど、もう少し距離を置けるように思えてしまうのは、大人になってからの親(特に母親)との関係が自分にはなかったのでわからないのかも。
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家族の心理がからんでくる推理モノっつーとだいたいなんかホロっとくる伏線だったり、ほんとはね…みたいのだったりするけんども、これはそういう「ウソ」のない本だった。そんで筆力すごい。読ませる。ぐいぐい。おもしろかった!