「中国正史に描かれた日本」に朝鮮?
2010/10/30 01:41
8人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「後漢書」から「明史」に至る中国正史に記された日本について、読み下しと現代語訳、そして原文がついている。岩波文庫の類書は「元史」までだから、お買い得感はある。
しかし日本史の史料としては必要だろうが、「新唐書」まで朝鮮の国々についても日本と同列に記されているのは「大変有益」(序6頁)としても、植民地時代に戻った感じがして不可解だ。
それならば「朝鮮伝」といった別冊にして出すべきだ。
中国の古代から中世にかけての歴史書における日本の記述を追った画期的な書です!
2020/03/01 11:23
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、中国の歴史書に書かれた日本の姿について記述された非常に貴重な一冊です。同書では、中国の『後漢書』、『三国志』、『宋書』、『隋書』、『旧唐書』、『新唐書』、『宋史』、『元史』、『明史』といった著名な9冊に描かれた日本の国の記述を分かりやすい現代語に訳されています。同書を読まれることで、古代から中世にかかての中国がどのように日本を見ていたのかが非常によくわかります。中国の視点から見た日本の通史とも言えます。
知識が正確になっていく過程と誤解が拡大していく過程が見えておもしろい
2011/03/13 20:31
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
魏志倭人伝や後漢書東夷伝は日本史で習うが、その原文全部を読むことはなかった。この本では、中国の正史九書の倭国・日本についての記載文章を一冊にまとめて紹介している。書き下し文と現代語訳の他に、漢文の原文も後半にまとめて掲載してある。三つの文を読み比べてみるのも、おもしろい。
日本史の教科書に記載されている事項で、これらの史書の記述から引用されていることが多くある。中国の史書の重要性を最認識させられる。また、この本のように各時代の史書の記述を一度に続けて読むと、知識が詳細に正確になっていく過程と、前史の記述をそのまま鵜呑みにし誤解が拡大していく過程が見えてくるのも、おもしろい。
中国から見た日本
2016/05/29 00:09
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投稿者:しゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国歴代の正史に書かれていた日本のことを、正しく知る事!
日本の古代史を考えるためには、必要なことである。
そのためにはこの本は最適です!!
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この本には古代の日本だけでなく、朝鮮、中国の周辺民族の記述も載っている。
倭国の章だけ読み進めるのも充分あり。
奈良、平安時代以前の、今とは全く異なった日本民族の姿がそこにはある。
また、元王朝、その後の明王朝から見た日本の姿(外交姿勢)も必読。
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中国の正史「二十四史」の中から『後漢書』『三国志』『宋書』『隋書』『旧唐書』『新唐書』『宋史』『元史』『明史』の9つに記された日本(倭国)伝を書き下し分・現代語訳・原文で載せているこの本は読みやすく、注釈も充実しているので幅広い読者層に対応しています。古代・中世史に興味を持つ人は手にする価値があるでしょう。当然の事ですが、中国からの視点のみなので日本側の文献と比較すると面白いです。新唐書あたりまでは他の本でほんの数行の抜粋に触れる程度、宋史以降は読むのは初めてだったので非常に新鮮で有意義な読書でした。
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中国正史における日本に関する記述と、いくつか東夷に属した国家に関する記述も納めてあります
現代語訳についてはいくらか研究によっては意味の揺れている部分を断言していたりしている部分もありますが、概ね良い訳になっているように思われます
本筋からは外れますが沃沮や靺鞨、夫余に関する記述が読めるのは貴重です
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[ 内容 ]
古来、日本は中国からどのように見られてきたのか。
金印受賜、卑弥呼と邪馬台国、倭の五王、「日出ずる処」国書、「日本」国号、朝鮮半島と動乱の七世紀、遣唐使、僧侶や商人の活躍、蒙古襲来、勘合貿易、倭寇、秀吉の朝鮮出兵。
そこに東アジアの中の日本が浮かび上がる―。
中国歴代正史に描かれた千五百年余の日本の姿を完訳する、中国から見た日本通史。
[ 目次 ]
「倭国伝」について
後漢書(巻八十五・東夷列伝)
三国志(巻三十・魏書三十・烏丸鮮卑東夷伝)
宋書(巻九十七・夷蛮)
隋書(巻八十一・東夷)
旧唐書(巻一百九十九上・東夷)
新唐書(巻二百二十・東夷)
宋史(巻四百九十一・外国七)
元史(巻二百八・外夷一)
明史(巻三百二十二・外国三)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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中国の正史の中での日本の記述を集めたもので、中国の目で卑弥呼だとかの古代から後の方には室町幕府との勘合貿易や大内家や大友家、織田家、秀吉の朝鮮出兵までの日本を見るのはなかなかに面白い。他にも沃沮、靺鞨や朝鮮半島の国々などの記述も。
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中国の史書に書かれた日本(倭国)や東アジアの国々(扶余、高句麗、韓、高麗、百済、新羅、靺鞨など)のことを、漢文の書き下し文と現代語訳で記述している。後漢書、三国志、宋書、随書、旧唐書、新唐書、宋史、元史、明史に書かれている。その時代時代でどのように倭、日本のことが知られていたかが分かる。倭寇で苦しんでいた沿岸の国の様子や、船で中国から琉球にわたる時の苦労などが分かる。
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中国史書の倭国=日本に関する記述をまとめた本ということで購入。
気になった点として、卑弥呼を『姫子(ひめこ)。「ひみこ(日御女)」と読むのは新井白石の説』(P.101)と注釈を書き、以降もずっと「ひめこ」で通しているのだが、これは何か定説なり学説なり存在するのか?何も説明が無いことに違和感がある。「百済」「新羅」も「くだら」「しらぎ」ではなく「ひゃくさい」「しんら」などと記載しているがこれについても説明は無し。最近の学説ではそうだというなら何らかの説明が必要であろうし、そのようものはないというなら自らの独自解釈であることを明記すべきだろう。
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歴代の中国王朝から見た、「中国よりも東に位置する国・地方」を記述。日本について言えば、邪馬台国〜日本(中世?)までが含まれている。
日本史で元寇と呼ばれる戦いに関して、元王朝からの視点で記述が残っており、興味深く読んだ。