歴史の胎動を感じる。
2016/10/10 19:56
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
不遇の育ちから生きる目的もなく用心棒をしていた少年・才蔵が棒術の修行をし兵法者となり、歴史の渦に飛び込む姿が描かれてます。
才蔵を取り巻く漢達も魅力的。
道賢、兵衛が筆頭ですが、棒術のお師匠様が一番ステキ。
兵衛がねぇ、カッコいいんだけど、個人的に友人の努力と願いを無駄にする人はねぇ、ダメだと思うの・・・カッコイイんだけどね。
室町幕府の力が弱まり乱れた政治と続く飢饉から政情が不安定になっている時代、下剋上の乱世へと向かう胎動のようなものを感じる歴史小説でした。
華やかさとか全くないです。泥臭く男臭い作品です。
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投稿者:sakitom - この投稿者のレビュー一覧を見る
居眠り磐音の江戸時代から、
今度は垣根さんが描く戦国ワールドへ。
わくわくしながら、進行中。
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
垣根さんの描く動乱の時代の男たちはじめじめした部分が無く芯までからりと乾いた骨のある漢ばかり。彼らの間に佇む遊女・芳王子はちょっと生々しいメーテルとでも言うべき夢の女でした。
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
垣根涼介氏が時代小説を書いているとは知らなかった。
また本作は直木賞候補。
期待を膨らませページを開く。
戦国時代の武士達にとって仕える主を失うとただの食い扶持を失った牢人に成り果てる。
才蔵もそんな家の子として貧しさの中生きるために生きる。
希望を見いだせない今を読んでいるようだ。
そんな才蔵も道賢、兵衛に出会い、世の中の仕組みを自ら考える事で生きる力を生み出していく。
六角棒の厳しい修行で誰にも負けない武術を身につけ、兵衛と共に世をひっくり返す一揆を起こす。
最初の荒廃した時代を生きる若者のエネルギーに引き込まれてしまうのだが途中から残念な展開。
最後まで読者を引きつけるほどの力量が見られない。
何かを書こうとする気力が不足しているような読後感。
ラノベだからこのぐらいで良いのか。
本を読む側としては複雑に感じる一冊。
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才蔵がメインかと思いきや、兵衛や道賢・僧兵曉信・唐崎の老人・芳王子など、それぞれが魅力的に描かれている。ちょっと格好良すぎに書かれているようにも見えなくもないが…。
時代背景なども、違和感なく、作中で説明されていて読みやすかった。
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痛快エンターテイメント歴史小説!面白かった!
道賢・兵衛 という憂国のアウトサイダーがストーリーを先導し 芳王子が華を添える
そんな魅力あふれる各キャラクターに囲まれて 鬱屈した 少年才蔵が棒使いの怪傑「吹き流し 才蔵」へと成長を遂げる過程にどっぷりとハマってしまった
「唐崎の老人」との壮絶な修行は本作のハイライトの一つ、まるでカンフー映画のそれで ジェットリーの少林寺や ジャッキーチェンの酔拳をついつい連想してしまう
当時の僧兵の実態は 現代のインテリヤクザのそれであったことは 「経済で読み解く織田信長」で触れていた
本作では 搾取される側の視点にたっており、
世を突き動かし革命を果たさんとするストーリーで 単なる格闘ロマンを超えた ポピュリズム物語としても 大変楽しめた
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ならず者の頭目・骨皮道賢、浮浪の首魁・蓮田兵衛。応仁の乱前の腐りきった世の中を変えるために、命を張った男たちの物語。とにかく、道賢や兵衛はもちろん、兵法者へ成長を遂げていく才蔵やその男たちを暖かく、そして強く支える芳王子など、登場人物がとても魅力的。完全な作り話かと思えば、少ないながらも、歴史的資料は存在するということで、とても興味深い作品。垣根涼介と言えば、現代の作品のイメージが強かっただけに、意表を突いた面白さだった。
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室町幕府時代の物語。この時代で生き残るには、武力、勢力などが必要とされた。1人の若い男が強者に救われ、鍛えられて一人前の男となり成長していく様を描いた作品。
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人民のために効果的に機能していない社会の中で人心を巧みに掴んで大きな力を操ろうと活動する蓮田兵衛。飄々と目的を達成していく様は痛快だ。数百人もの手下を従え幕府に従いつつも、彼らを養っていくために狼藉も働く骨皮道賢。そして、道賢、兵衛に見いだされ刀槍の達人に鍛え抜かれた才蔵。土一揆に入ってからは自分としては意外と盛り上がらず、ストーリーに引き込まれることは無かった。何かが物足りない。土一揆後の才蔵の生きざまをもっと知りたかった。全体にはそれなりに楽しめた。
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歴史小説で最も必要とされるのは、豪放磊落、豪胆大胆なキャラクターだ。
飢饉のたびに虫けらのように人が死んでいく世の中で、何ゆえこの時代に生きねばならぬと世を恨んだ少年がいた。
かつて武士だった家は家督争いで落ちぶれ、食い扶持を求めて京に流れたものの、そこは同じ穴の狢の巣窟だった。
一人身を立てるため、油売りの天秤棒で鍛錬し自己流の棒術を身に着けた才蔵は土蔵の用心棒に雇われたが、そこに窃盗集団が押し入り周りの仲間は皆殺しにされた。
土蔵を襲撃した窃盗集団、実は京の警護に当たる骨皮組の仕業だった。
警護職だけでは食っていけず、今回の土蔵襲撃を企てた。要するに、警察による押し込み強盗である。
骨皮組の頭領、骨皮道賢は最後の一人になっても向かってくる才蔵に何かを見出し、半殺しにして本拠の伏見稲荷に連れ帰ったのだった。
京の外れに流れ者が集まる家がある。家の主の蓮田兵衛に、道賢は才蔵を託す。
そして、兵衛も才蔵に何かを感じ取り、棒術の師匠に才蔵を預け一人前の兵術者に育て上げる。
この地獄のような世を生き抜くには、
一人は力で、
一人は頭で、
一人は集団で、
世は室町、地は京の都。
山城土一揆の号砲が鳴る。
垣根涼介は「光秀の定理」で面白さを感じた。歴史小説を銘打っているが、その実はモンティ・ホール問題を取り上げている。
そして近作では山城土一揆というマイナーな歴史事件を題材にしているが、世の中をどうやって生き抜くかという自己啓発書に近い。
「探すのではない。作っていくしかない。自分の棲む場所は、ということだ」
「銭など、使わぬ限りはただの鉄じゃ。銭そのものは食えぬし、体が温まりもせぬ。代わりに食い物や住むところが回ってくれば、それでよい」
という蓮田兵衛の言葉が特に印象に残った。
経営者は三つのタイプに別れると思う。
一つは自分の能力を極限にまで高める人、これは才蔵、
一つは考えて考え抜き頭を使う人、これは骨皮道賢、
一つは人と人とのネットワークを活用して大事を成す人、これは蓮田兵衛のこと。
三人の、それぞれ違うタイプのキャラクターが生き生きとしている。
そしてラスト、土一揆のクライマックス。今までの下積みがあってこそ盛り上がる。
歴史小説が好きだ。メジャーな事件ではなく、マイナーな事件にも主役がいた。
生き生きとしたキャラクターとともに、山城土一揆というマイナーな事件が頭に刻まれた。
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時代物なのに、垣根さんが書くと
とっても読みやすい。
さくさく読めて、面白い。
才蔵、道賢、兵衛、芳王子。
どのキャラクターも素敵すぎる。
かっこいい台詞が多く、もうメロメロ。
なんなら敵キャラの坊さんも
最終的には可愛くなってくるぐらい。
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室町時代を生きた3人の男たちと1人の女を史実に基づいて描いた大型時代劇。江戸時代を舞台とするお話は星の数ほどありますが、室町時代となると数が限られます。江戸時代よりもさらに野蛮な時代のお話、もっと読みたいです。
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室町時代末の混乱期を疾走りぬけた男達がいた…。『光秀の定理』に続く時代小説2作目。不遇の幼少時代を過ごし用心棒として生きていた才蔵がひょんなことから巡り合った男達によって激動の時代に引き込まれていく。才蔵がめざましく成長する前半に比べ後半の戦乱がやや急ぎ過ぎの感。一冊で完結させるには惜しい!
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面白い~!
登場人物がかっこいいんだね
やっぱり愛がなくちゃね
戦乱の世の中
信じる物・頼る物がなくて生きるって難しいなあ
人は変わるもの
一人では生きていけないけど
本当に頼り、信じることができるのは我が身一つ
相手が変わったと恨んでみても始まらない
厳しくもあり、さっぱりしてもいる
痛快であり最後一抹の寂しさみたいなものが残るのが良かったな
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才蔵が修行の後、活躍をしていく姿を描くのかと思ったら、なんだか室町時代の浪人の生き様をかくような展開に。作品としての方向性が定まっていない。あんなに好きだった垣根諒介が、この体たらくかよ。