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薩摩と長州
2021/05/04 11:10
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投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
○1862年 生麦事件
寺田屋事件(第一次)
倒幕過激派薩摩藩士20名の誠忠組を同じ誠忠組に説得にあたらせた
説得に応じない場合、久光は“上意討ち”を命じた
過激派6名斬死、後2名の切腹で終結した
禁門の変以前の薩摩と長州
実質的に“薩長同盟”は成立していた
久坂玄瑞はクーデターという既成事実を作り藩内の反対派を一掃し、薩摩と力を合わせて新政権を樹立し、朝廷を保護する形で倒幕を図った
時代は公武合体派の薩摩島津久光と倒幕派の長州久坂玄瑞を核として動いていた
久光は江戸で“文久の改革”を進め、安政の大獄の犠牲者の罪を取り消した
とたんに直弼の残党狩りが始まる
生麦事件
久光一行が横浜生麦村で騎乗のまま見ていた英人4人を警護の薩摩藩士が“無礼”を咎めて斬りかかり、逃げた1名を殺傷
久光は旗本が勝手にやったこととシラを切った
文久年間の対立軸
“攘夷派” 桂 久坂 高杉 武市←反幕
岩倉←公武合体
“開国派” 勝←反幕
久光 慶喜←公武合体
一橋慶喜は、二心殿と呼ばれ、孝明天皇の勅使“攘夷断行”を将軍家茂に伝える、”自分は攘夷断行の自信がない”と将軍後見職を辞任した
○1863年 薩英戦争と下関戦争
高杉晋作は上海に行った時点で“完全攘夷”は無理だと悟ったが、当時の長州はそれを許さなかった
高杉の説得により伊藤博文、井上馨は長州ファイブの一員として、イギリスに留学する
久坂ら完全攘夷派は本気で“日本刀で黒船に勝てる”と思っていた
高杉は完全攘夷では清の二の舞となり亡国の危機を迎える
これを防ぐには開国し海外の技術・文化を取り入れ強国になるしかない
正論を述べれば完全攘夷派に命を狙われる
だから、一旦身を隠した
朝廷は攘夷後見職慶喜に攘夷実行を迫り、5月10日実施を確約させた
久坂ら長州藩完全攘夷派は関門海峡を通過する外国船に砲撃を仕掛けた
下関は米艦の報復を受け、軍艦2隻を失いと砲台も破壊された
高杉は奇兵隊を創設したが、長州藩は相変わらず目覚めなかった
英艦隊は生麦事件の賠償と犯人引き渡しを求め錦江湾に入った
英は薩摩藩所有の蒸気船三隻を拿捕し、沈没させた
薩英戦争で薩摩人は目覚めた
英と和平講和を結び、英人と歩調を合わせ日本の改革に乗り出して行く
8月18日の政変
天皇側近中川家と薩摩・会津が手を組み、朝廷から長州過激派を一掃した
○1864年 西郷の赦免
久光は自身を田舎者と酷評した西郷を流罪先の沖永良部島から呼び戻した
久光の構想は日本の独立を保つためには、天皇を頂点として将軍は軍事を担当し、雄藩が幕閣に参加するというもの
慶喜は、久光が天皇の支持により、自分が雄藩連合の長“将軍”になるつもりではないかと疑っていたため、久光を追い落とした
長州は8月18日の政変で京から兵力が一掃され、更に慶喜は孝明天皇の信任を得て長州排除に乗り出した
追い詰められた長州藩士は状況打開のため”中川邸焼き討ち計画”を立て、池田屋に終結した
この動きを探知したのが“新撰組”であり、長州派30名を殺傷した
久坂は軍事的圧力の下、交渉で長州復権を果たそうとしていた
が、池田屋の惨劇が完全攘夷の長州軍は京進撃を加速させ、来島又兵衛らは御所占拠を目指し、“禁門の変(蛤御門)”を引き起こした
長州の暴走を留学中の伊藤・井上が急遽帰国し、列強への攻撃中止の説得を試みるが、下関戦争回避はできず、負けるべくして負けた
勝は西郷の長州潰しに一石を投じ、西洋列強に対する国家構想を語ったと思われる
この後、薩長同盟、江戸城無血開城が実現する
通説的史実とは異なる見解も面白い。
2018/06/18 17:00
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投稿者:気まぐれネット購入者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史上の人物像は様々な見解があり面白い。有名人と、その周りにいる人々の様子を考えると更に面白い。本書は、通説的な見解とは異なる部分がある。このあたり、細かい指摘はとりあえず置いておく事にして楽しく読むことを主眼とするならば、それで結構という立場で楽しむことも必要だろう。とくに、島津久光との係わりについて記述された箇所は興味深く読むことが出来た。
自己矛盾
2017/05/01 20:52
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投稿者:ぴょん - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズには最初から「自己矛盾」がある。
文献至上主義の学者を批判したすぐ後に、著者も文献を引用して論説している。
本書でもその状況は変わっていない。
複雑な幕末史を交通整理
2017/04/28 13:16
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投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幕末の歴史は分かり難いと思う。特に長州藩の動きが複雑である。本書は、その辺の事情を分かりやすく解説する。あつかっているのは、1862〜1864年の僅か3年間に過ぎないのだが、いずれの年も中味が濃い。特に印象深ったのは、幕末の志士に対する著者の基準である。早い段階から日本を自覚し、開国を主張してブレなかった勝海舟への高い評価は納得できる。
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