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投稿者:Takashi - この投稿者のレビュー一覧を見る
359頁の長編恋愛小説。人を愛するという事はどんな過去も全てを包み込む事。最後まで辛く苦しい展開が長く続き、これは設定のせいかと思ったけど、読み終えてみると作者の心情表現の巧さなんだと気付かされた。良かった。
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投稿者:なご - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰でも持っている傷はあるけど、こんな風に傷を乗り越えて、経験をして、お互いに成長しあえたり、お互いに必要としあえていける二人は素敵だなぁと、読後は爽やかな気持ちになりました。
傷ついた家具職人を癒す
2020/01/12 23:20
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
優れた家具作りの才能に恵まれながら、異性との関係にだらしない壱晴のキャラクターがいいです。奥手で鬱屈とした日々を送る桜子との出会いから、過去との決別が感動的でした。
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
アラサーの希望をふくらませる展開で、
焦燥感とか、切なさとか、絶望とか、
恋の辛い方向の感情をたっぷり味わってからの、
ささやかだけど、確固たる幸せに安心はするのですが、
彼はなぜ彼女に惹かれたのか?わからないままでした。
いや、そこがいいのか。
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喪失と再生の物語。
震災絡みなのかなと思って読んでましたが、高校生の頃に好きだった女の子を事故で亡くしてしまった家具職人の壱晴と、恋愛の仕方を知らない処女桜子の奇跡のような物語。
人と人との出会いって偶然ではなく必然なのかもしれない。あの事故からある時の一週間、声を失う壱晴は、その不安から逃げるように女を抱く。名前も顔も覚える必要のないその場しのぎの女を抱く。桜子との出会いもそうだった。ひどく酔った夜朝目が覚めると知らない女が横たわっていている。それから数日後に仕事で再会し、過去と現在とが入り混じり真剣交際へと発展する。
物語は壱晴と桜子との視点から語られるのだが、壱晴のシーンはとても良い。窪美澄さんはもしかしたら男性視点の物語のがうまいのかもしれない。逆にいうと桜子の視点がどうも好きでなかった。重たすぎて目も当てられないほどに。
だけども、きちんとまとまるから羨ましい。
記念日症候群。初めて聞いたけど、壱晴と桜子がトチノキのテーブルと桜子のために作った椅子とで仲良く生活してくれてると嬉しいなと、強く、思った。
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「自分を現状から救い出してくれる存在」を求めていたような2人が出逢い、「健やかなる時も…」ではなく、「病める時も…」から始まる恋。
病んでいる状態から始まった恋はひどくなるか良くなるかしかなくて。
願うような気持ちで読んでいった。
読むタイミングが最悪で、あることを考える時間をなくしたくて読書し始めたのに、まさに今の自分にピッタリすぎる内容で後半は涙が止まらなかった。
どうか、どうか主人公が乗り越えられますようにと、それだけを願って読んだ。
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メディアリクエスト
高校生のとき、大好きだった人を目の前で失って、それ以来、忘れることのできない家具職人の男性。恋愛に疎い、女性、桜子。
失った経験がトラウマになり、一年のうち一時期だけ声が出なくなる、それを解決するには、信頼できる人とその場所をもう一度訪れること…
この旅に一緒に行った桜子は、すごく強い人だと思う。でもこうやって、結びつきが深まり、信頼感が増していくのか。
わかるような、理解できないような、私にとってはなんとも微妙な話でした。
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大切な人の死を忘れられない男と、まともに恋愛したことがない女の大人の恋愛小説。
家具職人の壱晴は毎年12月になると一時的に声が出なくなる。その原因は高校生の時に好きだった女の子を目の前で失ってしまうと言う衝撃的な出来事をずっと忘れられないでいるから。原因を理解しつつも、なかなか現実に向き合えずに、32歳になったある日、印刷会社の営業の桜子と出会う。桜子と出会うことで、壱晴は過去と向き合うことを決意する…壱晴の気持ちがすごく良く分かる。その分、最後まで桜子の卑屈な性格が好きになれなかった。桜子がもう少し心にゆとりのある人だったら、タイトルの意味もかなり活きてくるのに・・・あとちょっとな感じが残念。
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久しぶりの窪美澄作品。
なんていうか、温度感とかスピード感は「クラウドクラスター〜」に少し似ている気がする。
壱晴と桜子、二人の気持ちを丁寧に描きながら物語はゆっくりと進む。
二人の出会い方や再会の仕方は小説ならではという感じだし、ベタな展開もあったりはするけれど、何度か鳥肌がたった場面もあった。
こんな二人がいたら素敵だなと思う。
お互いの過去も現在も、いい所も悪い所も隠さず、認め、受け入れようとする姿勢。「自分の考えていること、感じていることをなるべく正確にいちばん自分の気持ちに近い形で伝えたい」…というのも簡単なようで実は難しい。でも相手にそう思うということは、その関係を蔑ろにしたくない、“ちゃんと”したいっていう強い気持ちの表れな気がする。
窪さんの作品を読むと、自分の中で曖昧だった感情に色がつき、形を成していなかった考えにくっきりとした輪郭が浮かび上がる。気付きをもらえる。言葉にするのが難しい感情を表現するのが本当に上手だなと思う。
最後は、みんなが前に進める形で幕を閉じる。
これからの二人を遠くから見守っていたいような気持ちになる。
表紙のような青空の下に咲く桜の花を見ながら、二人には幸せになってほしいと心から願った。
やめるときも、すこやかなるときも
きっと二人は大丈夫。
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記念日症候群で、12月のある時期になると声がでなくなる壱晴は、適当に女と寝てフラフラしていた。
恋愛に奥手な桜子と壱晴はある結婚パーティで出会い、距離を縮めていく。
壱晴が抱えてるものは大きいし、桜子に全部背負わすなんて酷な話だったけど、
トラウマの根源である松江に一緒にいったりと、桜子のガッツは本当にすごいなと思った。
壱晴も桜子と真織を重ねて見てるところもあったと思うし、不純な動機で始まった関係だけど最終的には桜子のことを本当に好きになったと思う。
壱晴と真織の過去はすごく重くて読んでて辛い部分もあったけど、最後は本当に本当によかったなと思う。
壱晴の個展に高校生の真織ちゃんが来たのは、やり過ぎ感があった気もしたけど。
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人間はそれまで出会った大切な人たちが心の中に住んでいる。別れても会えなくなっても、だから誰かを受け止めたり大切に想う時に、住んでいる彼や彼女も引き受けるということだ。『クラウドクラスターを愛する方法』に少し近しいものを感じたけど、背中を撫でてくれるような温かみのある作品だし、窪さんの小説ではいちばん入りやすいかもしれない。出会いの季節に優しい気持ちになれる本でした。
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恋愛に不器用な三十路過ぎの男と女のお話。男の心情に共感しまくり。未練がましさやへなちょこロマンチストぶり。生まれた時から人は不平等だけど死は必ずやってくるとか家族や仕事とかいろんな事を感じさせてくれる作品。こんな物語も描くのか。
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かつてとても好きな人がいたけれど、変わることを恐れていたら気がついたら終わってしまっていた。今近くにいてくれる人のために変わることを恐れたくないと思った。
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18歳の時に恋人を事故で亡くした壱晴
家具職人をしているが事故のトラウマで
命日近くに声がでなくなる
父親が事業に失敗して大学から家計を支えてる桜子
父は酔うと手をあげる事がある。奥手で処女
こんな2人が32歳で出会う。
出会いのシーンやつきあってもいないのに
「これからつきあいます」という始まり
恋人の親がアル中で家計わ支えていた環境から
そこをかぶせて、自分の人生を前に進めようというような部分が
共感できなかったけれど、登場人物のゆがんだ歪や
人間関係の絡み方や心情の細かさが手に取るように解り
徐々にはまっていった。
桜子という名の椅子を作り、お互いにプロポーズをする
恋をとばして愛にすすんだ気がした。
顔合わせも一悶着ある。隠したい事を打ち明け受け入れ
支えあいすすむ。これができると苦労しないけど
どうせばれる事なら勇気をもってださないといけないんだろう
「結婚とは誰かにとって大事な誰かを、誰かに大事にしてほしいって
気持ち。それを伝えて始まる」この言葉がズンときた
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家具職人。松江。家族。死別。酒。仕事。女癖。
まさに読んでる時が今だから人物像がBさんにドンピシャだ(いいのか悪いのか)
それぞれに不幸を背負ってる二人が運命的に急接近していくけど、それぞれのことを今まで出会ってきた他の誰かとは違うという響き合いがどこであったのか読み取れなかった…。
桜子は現実的なのか夢見心地なのか。でも人間ってそんなものか。一定のテンションだけで生きてないか。