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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大本の原本解説から朱子の解釈まで記載されているのがよい。しかし難解なことであるから何度も繰り返し熟読する必要がある。
中国儒教の経書である「四書」の中の2冊を詳しく解説した作品です!
2020/05/02 11:36
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「四書」と呼ばれる儒教の経書である『論語』、『大学』、『中庸』、『孟子』の中から『大学』と『中庸』の内容を解説した書です。まず『大学』は、朱子学において自己修養から始めて多くの人を救済する政治へと段階的に発展していく儒者にとっての基本綱領が示されているとして重要視されたもので、その内容は「明明徳」、「親民」、「止於至善」の3綱領と、「格物」、「致知」、「誠意」、「正心」、「修身」、「斉家」、「治国」、「平天下」の8条目が提示されています。これは「四書」の入門であるとされ、最初に読むのがよいとされています。他方、『中庸』は「中庸」の徳をくわしく解説したものです。しかしながら、「中庸」以外にも、「誠」、「性」、「道」、「慎独」など多くの概念についても述べられています。この中で「誠」は「中庸」よりも一層重要な概念であることも説かれています。『中庸』は「四書」の一番最後に読むのがよいとされてている書です。このように、中国儒教の経書である「四書」を構成する非常に貴重な教えを学べる一冊となっています。
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投稿者:羽村 - この投稿者のレビュー一覧を見る
林雄介先生の書籍での紹介があり、繰り返し読んでいます。
四書五経の四書は、大学→論語→孟子→中庸の順に読むのが良いようです。
『大学』は短いですが、物事を始めたり、気持ちを新たにしたい時に読むと、清々しい気持ちになれます。
非常にためになる面白い本です。
一度は読んでおきたい教養書
2004/12/06 19:40
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投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今時この本を読む人は、哲学や中国文学、中国史を学んでいる人だけであろう。つい百年ほど前までは、書を読む人であればほとんどの人の一般的教養書、古典であったことであろうが。四書五経は東アジア文化の古典中の古典である。一度は読んでおきたいと思っていた。安岡正篤の/に関する本を読んで、その教養の元と成る、これらの書を読む気になった。そんな私は、やはり変わり者であろうか。
この書が出典の故事成句も多数ある。「修身済家治国平天下」、「格物致知」、「小人閑居して不善を為す」、「心ここに在らざれば視れども見えず」、「中らずといえども遠からず」、等々。最近の若者は、このような言葉も知らないかもしれないが。
「大学」は初心者の入門書で、「中庸」は仕上げに読むものだと言う。たしかに、「中庸」に、誠とか中庸の具体的実践方法が、書かれているのかどうか、読み取れなかった。「大学」は何か分かったような気になったが。
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中国の思想のひとつ。まず、「大学」。これは大学で何を教えるべきか、について。「大学は、国を治めうる人材を育てる場所。そして、そのためには個人の人格の形成が要となる」と説く。国を治めるには、周りのグループを治める力が必要である。つまり、友人や家族。そして、家族を治めるには、自分をまず修めてなければならない。そして、「中庸」。「何事においても両極端になってはいけない。その中間をベストな形で取るべし」と説く。たとえば、勉強しすぎてもだめだし、遊びすぎてもだめ。双方の相乗効果がもっとも高まる中間の一点はどこにあるのかということ。その点を見極め、採用する。
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「論語」「孟子」「大学」「中庸」のうち2つを収録。大学は四書の中でも入門と呼ばれるだけあってメッセージが簡潔(身を修め,家を斉え,国を治めて後に天下が平らかになるという「本末」)だが,中庸の方はぴんと来ない(素人には難しいのでしょうか)部分も多々あり。子曰く…の孔子の引用はわかりやすいです。(2006年11月)
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儒教の「四書」に数えられる『大学』と『中庸』を納めた一冊。儒教を理解する上で必読の本ですが、道徳修養のためにも十分活かせる本です。コンパクトで大変便利です。
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■概要
12世紀に中国の朱熹(朱子)によって定められた「四書」のうちの
2篇が掲載された本です。※他の2篇は「論語」、「孟子」
最近、歴史小説を読むことが多いのですが、
小説に出てくる歴史上の優れた指導者や教養人、商人をはじめとして、
昔の人から、必読書として読み込まれているのを見て、興味を持ちました。
500百年以上にわたって、
必読書になっていた書籍はいい本に違いないと…
書籍によると、標準的な読み方として
大学⇒論語⇒孟子⇒中庸と読んでいくのがスタンダードであると書かれていたので、
今回は大学についてのみ読みました。
■仕事に役立つ点
・それこそ、新訳・旧訳聖書やコーラン、源氏物語や万葉集と同様、
古典中の古典なので、読んでおいて損はないかと。
・優れた仕事を残すには、まず自己を磨きつづけ、かつ磨いた自分を保ち続ける必要がある
という当たり前のことを思い出させてくれます。
・書き下し分は、古語ではありますが、 無駄の無いシンプルな日本語なので、
綺麗な日本語に触れることができます
<あし>
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大学は理解できたが中庸はさっぱりわからなかった。
自己と天下の関わりの仕方は
格物致知
誠意正心
修身斉家
治国平天下
の順だとされる。
両編を通して具体的な処世術も多々あるのだがなんといっても中庸の中心概念の「誠」が何なのかわからなかった。
王陽明の説を背景に読み進めたので「誠」のなんたるかは良知の発揮という理解をしたが原典だけでは物足りない。
朱子が誕生した意味もわかる。
頭が悪い人間の方が多い。
評者はわかんなかった。
しかし、徳についての理解はかなり深まる。
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天下国家の政治もその根本は一身の修養にあることを説く『大学』。人間の本性とは何かを論じ、「誠」の哲学を説く『中庸』。朱子によって『論語』『孟子』とともに四書の一つとされた儒教の代表的な経典。本書では、朱子以前の古い読み方を探求して、両書の本来の意味を明らかにすることを主眼とした。朱子の『大学章句』等を併収。
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「わが身を治めよ。」
「何事も行き過ぎるは及ばざるがごとし。」
この二つにつきます。難しいですが、古典で昔の人が言っていることは、とてもシンプルかつ的を得ています。
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儒教の基礎と極意がセットになったお得な本。
儒教の有名どころは一通り読んでので再読。
大学は儒教を学ぶ者がすべきことが簡潔に書いてあり、
中庸には最終的に目指すべき人物像が書いてある。
大学は分かりやすく、中庸は分かりづらい。
大学は修己治人の教えが一貫して説かれるが、
中庸は最初のうちこそタイトルの通りの内容だけど、
話があっちこっちに飛び、突然孔子と弟子達の問答になり、
著者による誠に関する説明が始まったりする。
誠というのはつまり意識しなくても善き行動が取れる事であり、
それが出来るような人は聖人と呼ばれるようになり、
意識して善き行動を取れる者は君子であり、
聖人である誠に至る事が最終目標だということだと思う。
人間である以上、そんな奴は居ないんだろうけど、
それを目指して頑張る事が重要なんだろうなあ。
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平静な心こそが『真ん中』であり基本とする。この基本の『真ん中』を見極めることで、家庭からはじまり世界はうまくいく。また身近なことを大切に思う気持ちが世の中を大切に思う気持ちへと繋がる。
簡単なようで中々難しいです。
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大学に入ったら、一応一般教養として目ぐらい通そうかな、と思って買ったのですがいまでもなんとなく手放せない。大きさ、分量がちょうどいいからかもしれません。
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現代の日本では儒学の読物としては論語から入る人が多いと思いますが、僕はこの大学から読む事を強くお勧めします。
全文くまなく金言である!などとは思いませんが、冒頭部など儒学の原理を端的にわかりやすく説明している気がします。
逆にここを抑えた上で他の四書を読むと理解、共感の度合いが非常に増す気がしております。
それと文庫本であるというのもポイントが高いです。
こういう本は気軽に持ち歩けなければと思っていますので。
※金谷さん以外の訳にしっかり触れた事がないので、訳ではなく書物そのものに対してのレビューを書きました。
ただ金谷さんの訳や注で不満は持っていない事を付け加えておきます。