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受け取り方は三者三様
2020/05/16 15:30
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たにぐち - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んで抱く気持ちは、人それぞれだと思う。あみ子にある種の共感を抱くような人もいれば、あみ子へ嫌悪感を抱く人もいると思う。この本を読んで、人はもしかしたら自分に対する嫌悪や悪意を敏感に感じ取ることによって空気を読むということを学び、「常識的に」振る舞うことができるようになるのかなと考えた。あみ子は自分に向けられる嫌悪の視線や悪意を全くといっていいほど感じ取ることができない。だからこそ、あみ子は純粋無垢に育ったのかなと思った。私はあみ子が怖いと思った。
逸脱
2022/02/26 16:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はち - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうとって良いのか、、、あみ子の逸脱は憧れを感じるくらい。あみ子のように自由に思うままに生きてみたい!
あみ子がいとおしい
2019/09/04 23:09
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第161回の芥川賞を獲得した作者のデビュー作が「こちらあみ子」。少し変わったタイトルだが、母親に誕生日祝いに買ってもらった玩具のトランシーバーからきている。読み始めは、ほのぼのとした祖母と暮らす少女の物語なのかな思っていたのだが、どうして彼女が両親と離れて祖母と二人暮らしをするようになったのか、そのことを彼女は気が付いているのだろうかと考えていくと、この子(あみ子)のことがたまらなく気になってしまう。こんな小説もあっていいんだなと感動してしまった。「ピクニック」も心に残るというより突き刺さる作品、七瀬さんはいい人だけに余計に辛くなる
あみ子の愛おしさが刃のように刺さる
2016/10/26 09:19
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投稿者:390 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも純粋でまっすぐなあみ子。読み進めるうちに「あみ子はそのままでいいんだよ」と応援してしまう。あみ子が大好きになってしまう。…無責任に。あみ子はまっすぐに生きているのに、それだけなのに、日常は歪んでいく。なぜか周囲の人々は傷ついていく。そして、あみ子への愛おしさが「刃」となってこちらに向かってくる。小さな頃、無知で残酷な子どもだった自分の姿が思い出される。愛おしいのに痛い――。
爽快なまでのすれ違い
2021/06/08 00:02
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投稿者:redon - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ピクニック」「チズさん」は忘れがたい人物造形を見せるも、何となく腑に落ちない部分があった。
他方で表題作は冒険的ながら明快。あみ子というはみ出しものと、周りの人々のすれ違いを描ききっていっそ爽快である。きっと驚くので、表題作だけでも読んでほしい。
こちらあみ子
2017/11/04 12:29
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投稿者:tomtom - この投稿者のレビュー一覧を見る
併録の「ピクニック」は謎の集団心理みたいなのが描かれてて、印象的でした。職場の新人の恋バナに皆が引き込まれていって…。
その新人はちょっとおかしな、クセが強いオバサンって感じなんだけど、周りも過剰なほどノっていくんですよねぇ。
芥川賞候補の常連さんみたいですけど、受賞は時間の問題でしょうか。
心がざわざわする話
2017/10/25 19:43
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投稿者:ケイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
みんな切ない。
子を失った傷が癒えぬままあみ子の行動に心を病んだ母。
破綻した家庭で誰とも向き合おうとせず淡々と過ごす父。
幼い頃から大人の気遣いをし、妹を思い、戦うことを選択した兄。
望まない一途な思いに追い詰められたのり君。
あみ子の真剣に触れて言葉を飲み込んだ坊主頭の少年。
自分の思いだけに素直に生きてきたあみ子は「知ること」に決めて、大人になった。
最初に読んだときは嫌な気持ちになった。二度と読みたくないと思った。
二度目に読んだとき、少し好きになった。
何度も読み返した。
読むたびに少しずつ好きになる気がする。
不思議な味
2017/07/10 23:25
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
あみ子がヤバいのです。前歯が3本ない。お腹が空いたら下校する。好きな同級生の名前を知らない。授業中に歌い出す。学校や家族から見て見ぬふりをされ、それでも気にせず生きている。
そんなあみ子の生き方を首をかしげながら読んでいると、逞しさとは何かを教えられている気がします。
町田康さん、穂村弘さんのダブル解説付き。また癖のある二人を解説に選んだものだ…
相手のいないトランシーバー
2015/08/23 09:54
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投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
心がざわざわします。社会は学校は異物を排除する、そのくせ一番を競わせる。無垢は周りを傷つける?人はそれを恐れるのか、だからといって裁かれる必要はないのにゆるそうとするやさしさは見当違いで押し付けがましい。誰も悪くはない、誰もが相手に無関心なだけ、そして無垢な彼女すら自分に向けられた視線に気が付かない。相手のいないトランシーバーが全てを象徴していました。
なかなかない着眼点の短編集
2017/08/24 12:22
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投稿者:よしけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の周りにいたら、ちょっと対処に困ってしまう。そんな女性を正面から捉えた、なかなか稀有な短編集です。読んでいるうちに、なんだか本当にいたたまれない気持ちにさせられることが多く、読み終わるのに大きなエネルギーを要しました。自分の性格によるものなので、一般的に読んだ皆さんが同じような感想を持つとも思いません。その点において、controvercyな主題を取り上げた作品と言えるでしょう。
振り返れば、そうだった気がする
2024/06/25 21:07
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投稿者:otr - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読んだときは、思い当たることがあり過ぎて、読んでてへこんでしまいました。あみ子だけでなく、周囲の人々への理解も共感も嫌悪もありました。
読む人ごとに、自分はあみ子だったかもと思うし、あみ子をいじめた子だったかも、とも思うでしょう。両方の人もいるでしょう。
無垢とでも呼ぶそれを振り返るとき、容赦なく突きつけられるものがあるのだと。それを小説としてかたちにし、感情を揺さぶってくる。なんて小説だ。